金プラチナ短期相場観
金価格は高値圏維持もいったん調整の兆し
更新日:2019年9月30日(月)
米国の追加利下げ観測が大きく後退することは当面見込まれないこと、米中対立が劇的に解消することは当面は予想し難いことなどから、金価格は歴史的、相対的な高値圏をしばらくは維持する可能性は高いものと思われます。
リスク要因としては中東情勢、ブレグジットなども加わり、金価格のサポート要因となる状況も続きそうですが、短期的には、これらリスク事象の一服や、追加利下げ観測の若干の緩和などもあり、ある程度の調整局面を形成する可能性もありそうです。
国内金価格は、6月以降の上昇チャネルの下限ラインを割り込んできました。また、一目均衡表の基準線(5568)もわずかに下回りました。5月31日以来ちょうど4カ月ぶりで、4カ月続いた上昇トレンドの終わりを示唆する兆候の可能性もあります。
当面の調整目安としては、10月半ばまでの雲の上限が5480円台、後半には5500円台にせり上がってきます。雲の下限は10月前半の5300円前後から半ばには5400円台前半へ。5月安値4821円から9月高値5665円までの23.6%戻しが5466円、38.2%戻しで5343円。半値戻しで5243円。
浅めの調整でも5400円半ばまでは十分想定可能な水準で、NY金が1400ドル台半ば程度まで下落した場合、国内金価格は5300円台もありえそうです。
浅めの調整にとどまり、10月末FOMCでの今年3度目の利下げ観測が強まるような状況となれば、高値再トライとなる可能性も残されるかもしれません。
30日の国内金価格は先週末から-35円、0.52%の下落。5日ぶりに5600円の大台を割れて9月12日(5557)以来、半月ぶりの安値。9月5日と25日に5665円の近年最高値を2度つけた後の反落基調が続き、5580円から5600円の小幅保ち合い水準を下抜けたことにより、調整局面はもう一段進行しやすくなる可能性。当面の下値目安は5月末安値4821円から5665円の高値までの23.6%戻し(5466)、8月初旬の急騰後の安値(9日、5469)などが重なる5460円台まで。ただし、NY金が1500ドル前後で下げ渋り、今朝の時間外でも1500ドル台を維持しており、今週の重要指標ウィークを経ても大台を維持するようなら国内価格の調整も進まないことにも。
月間ではわずかに-4円、0.07%安となって4カ月ぶりの反落。
国内プラチナ価格は中長期節目水準3400円超を維持しての保ち合い状態となっています。10月後半には一目均衡表の雲の上限がこの節目水準に到達し、強めのサポートとなる可能性も残されます。また、遅行線は半月後には価格ラインにぶつかることになります。7月以降、遅行線は価格ラインを上抜け、下げた場面でも価格ラインとの揉み合い状態までにとどまり、ほぼ価格ラインを上回る状態が続く、強気相場となってきました。半月後に価格ラインにぶつかって上方向に跳ね上がるか、下抜けて強気相場終焉となるか、分岐点を迎える可能性もありそうです。
10月半ば頃までに、月末FOMCでの追加利下げの有無、年末に向けての見通しなどの状況次第で金価格の動向に合わせて、プラチナも方向感が固まるような展開も想定されそうです。
30日のプラチナ価格は+16円、0.47%高で4日ぶりの反発。高値保ち合い下方ブレイクから大幅調整へと向かう動きはいったん巻き戻し。週明けのNYプラチナも930ドル台を維持して下げ渋る状態となって下支え。しかし、1カ月ぶりに下抜けた21日移動平均線(3453)は上昇基調を維持しており、上抜けには失敗、上からは下降基調に転じた9日移動平均線(3465)も迫り、これらが抵抗線候補となる可能性も。あらためて3420円を下回るようだと8月末から9月初旬の急騰後の安値(3日、3381)近辺、3380円前後までが下値目安にも。
月間では+96円、2.87%高で4カ月続伸。4カ月続伸は2017年2月以来。
※参考:金プラチナ国内価格9/30とチャート
- 2019年9月30日(月)時点の相場
-
国内金 : 5,566 円 9/30(月) ▼35(0.62%) 国内プラチナ : 3,440 円 9/30(月) ▲16(0.47%) NY金 : 1,506.4 ドル 9/27(金) ▼8.8(0.58%) NYプラチナ : 931.0 ドル 9/27(金) ▼5.1(0.54%) ドル円 : 107.94 円 9/27(金) ▲0.10(0.09%)
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