金プラチナ短期相場観

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米10月雇用統計は想定以上、製造業景況感は想定未満

更新日:2019年11月2日(土)

米雇用統計・平均時給・賃金上昇率 2019年10月米10月雇用統計は想定以上の好調を示す結果に。
賃金上昇率のピークアウト状態が続いていること以外は概ね好結果となり、とりわけ雇用者数の伸びが想定を大きく上回るサプライズ。
GMのストの影響などもあり、かなり低めの数字が予想されていたにもかかわらず、全くそれを感じさせず、過去2カ月分も大幅上方修正。3カ月平均では10月が+17.6万人、8-9月はいずれも+18.8万人となり、ほぼ7年ぶり低水準となった7月の+13.5万人がボトムとなって大きく反発、回復基調が続きます。

失業率もおよそ50年ぶり低水準となった9月の3.5%から3.6%への上昇は想定どおり、U6失業率も18年9カ月ぶり低水準となった9月の6.9%から10月は7.0%へと小幅上昇。
労働参加率の63.3%は依然として回復目安とされた66%には遠く及ばないものの、6年2カ月ぶりの高水準。
長期失業者の割合は11年ぶり低水準となった7月の19.2%には及ばないものの、9月の22.7%から10月は21.5%へと再低下。

好調を示した雇用統計とは対照的に、10月のISM製造業景況指数は市場予想を下回る48.3。10年ぶり低水準となった9月の47.8こそ上回ったものの、3カ月連続の節目50割れとなって第4四半期をスタート。
10の構成指数のうち、輸出は9月の41からの反動で10月は50.4となり、唯一の節目50超。その他9指標は全て50割れ。生産は4カ月連続の低下で3カ月連続の50割れ。雇用は9月の46.3から10月は47.7へと上昇も3カ月連続の50割れ。入荷遅延も3カ月連続の低下で3年半ぶりの50割れ、景気減速の可能性を示す状態に。輸入は4カ月連続の50割れで10月は45.3と一段と低迷。

製造業の景況感は想定未満のレベルにとどまり、先行き不透明感も漂う状況が続きますが、雇用統計の好結果にかき消されてしまった状態のようです。

NY金・日足チャート 2019/9/30 - 11/11日のNY金相場は-3.4ドル、0.22%安で3日ぶりの反落。注目の米2大指標待ちとなった日の時間外は1510ドル台前半での小幅揉み合い推移、ポジティブ・サプライズとも言える10月雇用統計には株高とドル高の反応で金は小幅に急落。1時間半後には次の重要指標が控えていることもあって1505ドル付近まで10ドルほどの下落にとどめて下げ渋り、ドル高の巻き戻しとともに反発の展開へ。ほぼ元の水準へと戻した状態でのISM製造業景況指数の下振れにはドル安・金高の反応で1520ドル手前まで小幅に急騰。しかしこれも長続きはせず、下へ上へと行って来いの展開。また、この日は米中閣僚級での電話協議も行われ、中国側が「原則コンセンサス」に達したと発表したことが好感されてリスク選考の流れとなったNY午後にかけては一時1510ドル割れ。それでもNY金は引け後に1510ドル半ばから後半へと底堅く推移。いったんは1520ドルの抵抗線が意識されて上値を押さえられた状態ながら、三角保ち合い上放れの兆しも維持。次週、現状水準以上を維持できれば上値トライの流れが進行し始める可能性もあり、当面の上値目標1550ドル台を目指す流れにも。
週間ベースでは+6.1ドル、0.41%高で3週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2019/9/30 - 11/1NYプラチナは+20.3ドル、2.17%の大幅高となって4日続伸。9月24日(955.4)以来、5週ぶりの高値水準となり、小幅保ち合い上方ブレイク後の上値目標950ドル台にもいきなり到達。雇用統計での金の小幅急落にはほぼ追随せず、景気減速への警戒感を払拭する雇用の強さを好感しての株高の流れに追随する展開に。低調となったISM製造業景況指数にも止まらない株高基調でS&Pとナスダックが過去最高値を更新し、ダウも過去最高値付近まで上昇した流れに追随するとNY午後には一時960ドル手前まで上昇。短期的には上値トライ一服となりやすい状況にも。
週間ベースでは+20.7ドル、2.22%の続伸。

ドル円・日足チャート 2019/9/30 - 11/1ドル円は20銭弱のドル高円安。108円をはさんでの膠着状態から、雇用統計には108円20銭台までの急騰で反応。巻き戻してISM製造業景況指数での小幅急落では107円90銭台まで。米中協議進展を好感した流れでは108円30銭台まで上昇。しかし、前日下抜けた20日移動平均線(108.35)に上値を押さえられる形となって108円10銭台まで押し戻されて週末。短期的な流れは下向き優勢の状態は変わらず、107円台前半までの下値トライ余地も継続。
週間ベースでは-0.47円、0.43%安で4週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/1終値とチャート

2019年11月2日(土)時点の相場
国内金5,720 円 11/1(金) ▲24(0.42%)
国内プラチナ3,509 円 11/1(金) ▲3(0.09%)
NY金1,511.4 ドル 11/1(金) ▼3.4(0.22%)
NYプラチナ954.0 ドル 11/1(金) ▲20.3(2.17%)
ドル円108.19 円 11/1(金) ▲0.18(0.17%)

11/1(金)のその他主要マーケット指標

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