金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏総合PMIも4月は過去最低、2020年GDP見通しは-7.7%へ

更新日:2020年5月7日(木)

ユーロ圏総合PMI 2020年4月製造業PMIが33.4で過去最低となった4月のユーロ圏、サービス業PMIは12.0。これも1998年7月の調査開始以降で最低となり、総合PMIも4月は13.6。3月の29.7からも一段と落ち込んで当然、過去最低。
ドイツ、フランス、イタリア、スペインのユーロ圏主要4ヵ国全てがロックダウン、もしくはこれに準ずる制限措置が丸々1ヵ月続いた4月は経済活動がほぼ停止状態となり、過去に例を見ない、あり得ないと思われるような水準となったのも止むなしの状況にも。

<ユーロ圏総合PMIランキング>
1位:ドイツ=17.4=過去最低、前回2位。
2位:アイルランド=17.3=過去最低、前回1位。
3位:フランス=11.1=過去最低、前回3位。
4位:イタリア=10.9=過去最低、前回最下位。
5位:スペイン=9.2=過去最低、前回4位。

調査対象5ヵ国全てが3月から連続の50割れで急落。製造業PMIのランキングと同様に、危機時には「北高南低」へと順位が変動します。

1位のドイツは、ユーロ圏の先陣を切って経済活動再開へも大きく踏み出そうとしています。
ソーシャル・ディスタンシングを保ちながらも、レストランなども9日から順次再開予定となり、サッカー好きのメルケル首相は5月後半にも、ブンデスリーガ再開を発表しました。
それでもメルケル首相は、第2波のリスクにも配慮し、ウイルスとの闘いはまだ初期段階と警戒を緩めません。

この日、欧州委員会が発表した経済見通しでは、今年のユーロ圏の成長見通しは-7.7%としています。4月半ばのIMF見通しの-7.5%をさらに下回る予想となっています。
ユーロ圏総合PMIは4月が大底となるかもしれませんが、回復に向けての不透明感も続き、年初レベル(50超)回復への道のりも、長い闘いとなるかもしれません。

NY金・日足チャート 2020/4/1 - 5/66日のNY金相場は-22.1ドル、1.29%の大幅続落。4月21日(-23.4ドル、1.37%)以来、2週間ぶりの下げ幅で、その日(1687.8)以来の安値。高値をつけた後の調整一服からの戻り売り、という局面も4月21日の時と同様。前回は20日移動平均線にサポートされて下げ止まった形にもなり、その後は反発へ。今回は20日移動平均線(1721.2)が抵抗線に切り替わった状態での戻り売り、という相違点。欧米での制限措置緩和と経済活動再開への期待感から楽観ムード優勢という状況も背景にあり、金の売り優勢という状態も継続。NY市場では節目の1690ドルを割り込んでの推移となり、NY引け後には下げ渋って1690ドル台へと反発の動きも見られるものの、この水準がサポートになりきれていない状況からは一段安へと向かう可能性が優勢に。当面の下値目安は3月末の揉み合い水準1650ドル前後まで。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/1 - 5/6NYプラチナは-19.2ドル、2.45%の大幅安で3日ぶりの反落。NY朝にかけて金に連れ安となって節目の770ドル割れ、20日移動平均線(780.2)との攻防では上値を押さえられてしまった形にもなり、NY午後には760ドル台半ばで小康状態に。引け後には一時770ドル台へと反発する場面も見られたものの、このまま節目の770ドルを回復できなければ下値トライへの流れへ。当面の下値目安は4月初旬の保ち合い水準730ドル近辺まで。

ドル円・日足チャート 2020/4/2 - 5/6ドル円は50銭弱のドル安円高となって4日続落。3月16日(105.91)以来、1ヵ月半ぶりの安値水準。国内連休最終日の東京時間は円高、欧州時間にはユーロ圏指標の悪化やGDPの大幅マイナス見通しなどからユーロ安ドル高、新興国通貨などに対しても円高・ドル高。4月ADP雇用リポートでは-2023万人と桁違いの雇用減も事前予想よりは控えめにとどまったこともあり、反応は限定的。それでも東京時間朝に106円半ばの節目での揉み合いから下放れて円高の勢いが強まった流れが続き、NY時間には106円割れを試す場面も。短期下値目安105円台後半にも足を踏み入れた状態ながら、105円70銭程度まで、もう少しの円高余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/6終値とチャート

7日の国内金価格は-36円、0.57%安となって5営業日続落。5日続落は4月1日まで以来、1ヵ月ぶりで今年2度め。過去最高値更新後の5日続落で4月9日(6263)以来、1ヵ月ぶりの安値水準に。3月安値5648円から4月末の最高値6516円までの23.6%戻し(6311)の節目を割り込み、4月半ば高値6462とのダブルトップも完成。調整局面継続へと向かう可能性は高まり、当面の下値目安は6200円前後まで。少し行き過ぎれば38.2%戻し(6184)、ダブルトップの値幅分下げた場合には6172円なども意識される可能性も。

プラチナ価格は-86円、2.95%の大幅安で3営業日ぶりの反落。3月19日(-87円、3.44%)以来1ヵ月半ぶり、今年6番めの下げ幅。水準としては4月10日(2813)以来、1ヵ月ぶりの安値。9日移動平均線(2896)と揉み合いながら下げ渋っていた状態から下方ブレイク、1ヵ月ぶりに21日移動平均線(2877)も下抜けて下げ幅拡大。下値目安2800円前後までもう少しの下落余地も。
※参考:金プラチナ国内価格5/7とチャート

2020年5月7日(木)時点の相場
国内金6,300 円 5/7(木) ▼36(0.57%)
国内プラチナ2,831 円 5/7(木) ▼86(2.95%)
NY金1,688.5 ドル 5/6(水) ▼22.1(1.29%)
NYプラチナ765.5 ドル 5/6(水) ▼19.2(2.45%)
ドル円106.08 円 5/6(水) ▼0.46(0.43%)

5/6(水)のその他主要マーケット指標

新規失業保険申請件数は第1波収束へ、継続受給は第1波拡大途上 5/8(金)

ユーロ圏総合PMIも4月は過去最低、2020年GDP見通しは-7.7%へ 5/7(木)

米3月貿易赤字は11.6%拡大、輸出は過去最大の急減 5/6(水)

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