金プラチナ短期相場観

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失業者数は5月第1週で頭打ち?でも金は三角保ち合い上放れ

更新日:2020年5月15日(金)

米・新規失業保険申請件数と継続受給者数 2020年5月9日までの週米労働省が発表した9日までの週の新規失業保険申請件数は298.1万件。前週の317.6万件からは減少し、3月28日までの週の686.7万件をピークとして6週連続の減少で8週ぶりの低水準。しかし、市場予想の250万件程度を大幅に上回り、直近8週間の申請件数の合計では3649.2万件。
この件数は、前回リセッションの時期、2008年1月から2009年6月までの1年半の合計申請件数3777.7万件に迫る水準。

2日までの週の失業保険継続受給者数は2283.3万人。前週の2237.7万人からは増加して6週連続の過去最大更新も、市場予想の2500万人程度を大幅に下回る水準にとどまりました。継続受給者数の増加幅としては、急増した3月21日までの週に前週比+127万人超へと跳ね上がり、その後5週間は+400万人台から200万人台までの大幅増が続きましたが、今回分では前週比+45.6万人となり、失業保険継続受給者数の増加ペースが急速に鈍化していることが示されました。

この結果、新規失業保険申請件数と継続需給者数との合計では、5月2日までの週で2600.9万件。前の週、4月25日までの週の2624.4万件を下回りました。
失業率は5月に最悪値となることが予想されており、そうなれば失業者数も5月が最大となりそうですが、推定される失業者数としては現時点で、4月末が最大となって5月第1週には早くも減少傾向に転じた可能性もありそうです。

それでも、史上最悪の米労働情勢の実態が明らかになり続ける現状に、NY金は高値三角保ち合いから上放れの兆しも。安全資産の金がもう一段、買われる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2020/4/9 - 5/1414日のNY金相場は+24.5ドル、1.43%の大幅高となって3日続伸。4月23日(1745.4)以来、3週間ぶりの高値水準。前日NY終値で長期76.4%戻し(1716.4)に下値をサポートされる形で時間外は1720ドル台を主要レンジに小幅保ち合い推移、欧州時間にはトランプ大統領の「米国には強いドルがあり、今はドル高がいい」発言でドル買い急進で下押しも、1716ドルまで。NY朝にかけては新規失業保険申請件数が予想以上に高止まり、習近平国家主席とは「今、話をしたくない」とのトランプ発言などから米中関係悪化懸念もリスク要因として引き続き意識され、安全資産として買われた金は1730ドルの節目を超えた勢いで1740ドル台へと急騰。三角保ち合いを上方ブレイクしたことで上値トライへの流れが進行し始めた可能性。当面の上値目標は今年最高値更新、1790ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/9 - 5/14NYプラチナは+5.2ドル、0.68%高で4日ぶりの反発。770ドル台を中心に小幅保ち合いに終始。変動値幅は2日連続14ドル、今年の平均値幅35.1ドルの半分以下、4割ほどの小動きが続いて保ち合い推移末期を示唆する可能性も。日足レベルでは20日移動平均線(781.5)に上値を押さえられた形も、十字線を形成。NY引け後には一時790ドル台まで急騰する場面も。保ち合い上限790ドルをしっかりと超えることができれば、上値トライ再開で当面の上値目標は850ドル。

ドル円・日足チャート 2020/4/10 - 5/14ドル円は24銭のドル高円安で0.22%高、3日ぶりの反発。軟調推移となった東京時間には前日安値106円70銭台で下げ渋り、欧州時間にはトランプ大統領のドル高支持発言をきっかけに反発基調へ。107円10銭近辺まで戻したNY朝には低調な失業保険申請件数を受けて反落、株安の流れにも連れて一時106円80銭台まで下落も、ダウの反発やNY原油の堅調推移などにもサポートされるように107円30銭台まで上昇。106円台後半での底堅さを確認し、下値を切り上げる可能性もありながら、大幅悪化が予想される4月指標が続くことも若干の重石にも。107円70銭超へと抜け出すことができれば108円台半ば辺りまでは上値を伸ばす展開にも。サポートになりつつある106円台後半を維持できない場合には106円ラインが次のサポートに。これを割り込んだ場合には下値トライ再開となって104円台半ばまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/14終値とチャート

15日の国内金価格は+60円、0.93%高で6日続伸。6日続伸以上は2月(8日続伸)以来3ヵ月ぶりで今年2度め。過去最高値となった4月24日(6516)以来、3週間ぶりの高値水準。NY金が上値トライ再開の兆しとなり、小幅円安にもサポートされての急騰も最高値更新にはわずかに及ばず。確率的には、年に1回程度の頻度の6日続伸で高値更新できなかったこと、足下の上昇局面でもモメンタムは低下する逆行状態となっていることなどから反落の可能性がやや優勢にも。ただし、NY金の巻き戻しがなければ高止まりを維持する可能性もあり、NY金が高値更新となった場合、国内価格は最大で6600円台後半まで水準を切り上げる可能性も。
週間ベースでは+114円、1.78%の続伸。

プラチナ価格は+7円、0.24%の小幅続伸。今年の平均騰落値幅53円(絶対値)の7分の1以下、今年9番目の小動き。平均以下の値動きは6日めとなり、三角保ち合いブレイク待ちの小康状態にも。2920円台の節目を上抜けできれば上値トライの流れで目標は3050円台。2860円台の節目を下抜けの場合には3月安値から4月高値の半値戻し(2704)付近までが下値目安に。
週間ベースでは+30円、1.04%の反発。
※参考:金プラチナ国内価格5/15とチャート

2020年5月15日(金)時点の相場
国内金6,515 円 5/15(金) ▲60(0.93%)
国内プラチナ2,909 円 5/15(金) ▲7(0.24%)
NY金1,740.9 ドル 5/14(木) ▲24.5(1.43%)
NYプラチナ775.0 ドル 5/14(木) ▲5.2(0.68%)
ドル円107.28 円 5/14(木) ▲0.24(0.22%)

5/14(木)のその他主要マーケット指標

解雇率も3月に暴騰、小売売上高は4月に暴落 5/16(土)

失業者数は5月第1週で頭打ち?でも金は三角保ち合い上放れ 5/15(金)

CPIに続いてPPIも急落、前年割れでデフレ懸念も 5/14(木)

1年以内に失業の可能性を意識する人、4月に20%超 5/13(水)

NY金は長期76.4%戻しの攻防へ 5/12(火)


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