金プラチナ短期相場観

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ISM製造業景況指数は反発の兆しも輸入は11年ぶり低水準

更新日:2020年6月2日(火)

ISM製造業景況指数・輸入指数 2020年5月ISM製造業景況指数は11年ぶり低水準となった4月の41.5から、5月は43.1へと小幅に上昇。
新規受注は急落した4月の27.1から5月は31.8へと4.7ポイントの反発、4月に過去最低となった生産は27.5から5月は33.2へと5.7ポイントの反発。雇用も過去最低水準となった4月の27.5から5月は32.1へと4.6ポイントの反発など、ほとんどの構成指数が状況改善を示し、最悪期は過ぎたことを示唆する結果となったようです。

そのなかで、唯一悪化したのが輸入指数。5月は41.3となって4月の42.7からは1.4ポイントの低下で4ヵ月連続の節目50割れ。2009年5月の38.5以来、11年ぶりの低水準。
5月に輸入が増加したのは紙製品、食料・飲料、タバコの3つの産業のみ。輸送機器、一次金属、家具関連、機械・・・など12の産業では5月に輸入が減少。5月時点でも製造業では大半の産業において需要低下が続いていたことになります。

5月には生産活動も順次再開し始め、製造業の景況感も回復基調への兆しを示した形にはなりましたが、過去最低レベルから若干上昇した状態に過ぎず、いったん下げ止まっただけ、という状態かもしれません。

NY金・日足チャート 2020/4/27 - 6/11日のNY金相場は-1.4ドル、0.08%の小幅安で4日ぶりの反落。時間外には先週末高値1750ドル半ばを上抜けて一時1760ドル台まで上昇。2週間ぶり高値をつけて短期上値目標1760ドル近辺にも到達。一服感から欧州・NY朝にかけては調整の展開となって1740ドル前後まで下押し。米5月ISM製造業景況指数が予想を下回ったことなどをきっかけにドル安の流れが強まったこともあり、NY午後にかけては1750ドルを回復。香港情勢を巡る米中対立では中国が米国からの一部農産物の輸入を停止するなどの報復措置を発動し、緊張激化への警戒感も高まり、国内では全国に拡大したデモへの対応など内憂外患状態のリスク要因がNY金の下値を支える構図にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/27 - 6/1NYプラチナは+26.5ドル、3.03%の大幅続伸。870ドル台での保ち合い推移からNY朝には金に先行する形で上値トライの展開へ。節目の880ドルを超え、抵抗線にもなっていた200日移動平均線(885.4)を突破すると890ドル台へと急騰、金の反発局面にも連れる形で一段高となって900ドルの大台に到達。900ドルの大台をはさんでもみ合う場面もありながら、NY引けにかけても大台を維持。3月高値圏920ドル付近を目標として上値トライの流れが進行し始めた様子。

ドル円・日足チャート 2020/4/28 - 6/1ドル円は25銭のドル安円高となって0.23%の反落。東京朝に107円80銭台まで上昇したのがこの日の高値となり、欧州時間にかけては軟調推移。中国が大豆など米国産農産物の一部の購入を停止することが伝わると、米中対立への警戒感から107円30銭台まで下落してこの日の安値。この水準で下げ渋ると欧州時間には107円70銭台まで買い戻し、NY午前には米5月ISM製造業景況指数の結果をうけて107円50銭台へと反落。結果的に107円台半ばへと値動きを縮小する形となり、先週末に108円台に向けての上値トライへと動き出したかにも見えた流れは巻き戻され、あらためて107円台を主要レンジとした保ち合いへと仕切り直し。107円90銭超へと抜け出せば108円台後半までが上値目標に、107円割れなら105縁台後半までが下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/1終値とチャート

2日の国内金価格は+11円、0.17%の小幅高で4日続伸。5月21日(6580)以来、10日ぶりの高値水準。直近高値となっていた1週間前の水準を突破したことに伴う上値トライの流れが続く状態も、その1週間前の6528円から価格水準は切り上げながらも複数のオシレータ系指標は1週間前から低下する逆行状態となって勢いのなさを示唆。しかし米国内外でのリスク要因を背景としたNY金の高止まりによってサポートされる状態にも。上値目標6590円近辺まで、もう少しの上昇余地も。

プラチナ価格は+33円、1.04%の続伸。5月21日(3227)以来、10日ぶりの高値となり、三角保ち合い上放れ。節目の3190円を超え、抵抗感もあった90日移動平均線(3196)も3ヵ月ぶりに上抜け。下落基調が続く90日移動平均線の傾きを変えるにはまだ時間を要するものの、中期トレンド好転に向けた重要な節目をなんとか超えた状態に。3300円の大台付近までを短期上値目標に上値トライの流れがもう一段進行する可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格6/2とチャート

2020年6月2日(火)時点の相場
国内金6,573 円 6/2(火) ▲11(0.17%)
国内プラチナ3,210 円 6/2(火) ▲33(1.04%)
NY金1,750.3 ドル 6/1(月) ▼1.4(0.08%)
NYプラチナ901.1 ドル 6/1(月) ▲26.5(3.03%)
ドル円107.57 円 6/1(月) ▼0.25(0.23%)

6/1(月)のその他主要マーケット指標

コロナショックでシャッフル、5月ユーロ圏製造業PMI勢力図 6/3(水)

ISM製造業景況指数は反発の兆しも輸入は11年ぶり低水準 6/2(火)

50%戻しと雲の上限、90日移動平均線、年央のプラチナ攻防ライン 6/1(月)

コロナデフレ懸念?コアPCEは9年ぶり低インフレ 5/30(土)

5月ユーロ圏景況感指数、製造業反発もサービス業は最低更新 5/29(金)


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