金プラチナ短期相場観

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コロナショックでシャッフル、5月ユーロ圏製造業PMI勢力図

更新日:2020年6月3日(水)

ユーロ圏製造業PMI 2020年5月1日に発表された5月のユーロ圏製造業PMIは39.4。過去最低となった4月の33.4からは6.0ポイントの急反発で2ヵ月ぶりの高水準も、40ポイントにも届かず、15ヵ月連続の節目50割れ。
祝日の関係でオランダとアイルランドの製造業PMIだけ2日発表となり、ユーロ圏の調査対象8ヵ国全てが出揃い、ほぼ全ての国が過去最低、もしくは10年以上ぶり低水準となった4月からは反発。
意外にもオランダだけは4月からさらに低下。反発力にも差があり、順位は大きく変動、コロナ後に向けてユーロ圏内勢力図にも変動が・・・?

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2020年5月>
1位:イタリア=45.4=3ヵ月ぶり高水準、前月比+14.3ポイントの急反発で3月最下位、4月6位からジャンプアップ。急回復中?コロナ感染者数はユーロ圏2番め。
2位:ギリシャ=41.1=2ヵ月ぶり高水準、前月比+11.6、3月7位、4月は2年3ヵ月ぶり最下位からの急上昇。コロナ感染者数ユーロ圏8番め。
3位:フランス=40.6=2ヵ月ぶり高水準、前月比+9.1、3月6位、4月5位から着実にランクアップ。コロナ感染者数ユーロ圏3番め。
4位:オランダ=40.5=2009年5月以来11年ぶり低水準、前月比-0.8、3-4月連続1位からの陥落。回復に出遅れも?コロナ感染者数ユーロ圏5番め。
5位:オーストリア=40.4=2ヵ月ぶり高水準、前月比+8.8、3月2位、4月4位からの連続ランクダウン。コロナ感染者数ユーロ圏7番め。
6位:アイルランド=39.2=2ヵ月ぶり高水準、前月比+3.2、3月5位、4月2位からランクダウン。コロナ感染者数ユーロ圏6番め。
7位:スペイン=38.3=2ヵ月ぶり高水準、前月比+7.5、3月3位、4月7位からは変わらず。コロナ感染者数ユーロ圏最大。
8位:ドイツ=36.6=2ヵ月ぶり高水準、前月比+2.1、3月4位、4月3位からのランクダウンで3ヵ月ぶりの最下位。コロナ感染者数ユーロ圏4番め。

ユーロ圏として大底をつけた可能性の4月には「北高南低」となっていましたが、反発の兆しとなった5月は「南高北低」。コロナショックからの回復途上の混乱期による一時的変動か?どうか。

なお、イタリアの急回復は生産の急回復が原動力。生産指数は過去最低となった4月の11.4から5月は47.5へと急上昇。ユーロ圏主要国の中では感染者数が最も早期に急増し、一時は米国に次いで世界2位、最初にロックダウンをスタートしたことで緩和スタートも最速、現時点では感染者数も世界で6番目、ユーロ圏での2番めに後退。
一方、最下位に沈んだドイツは感染者数こそ多いものの、死者数の少なさが注目され、世界の感染者数上位国のなかでは医療崩壊せずに済んだ感染症対応先進国。その反面、自動車産業大国でもあるドイツにとって世界中で自動車販売が急速に冷え込んだ影響は大きく、ロックダウンの緩和も順調にスタートし、生産の落ち込みも4月からは鈍化したもののフル稼働には程遠く、ドイツ企業にとっては今後の見通しもかなり悲観的となった様子。

NY金・日足チャート 2020/4/28 - 6/22日のNY金相場は-16.3ドル、0.93%の続落。ミネソタ州での白人警察官による黒人暴行死事件への抗議デモが全米各地で続き、8日から経済活動再開が予定されるNY市では1日に発令した夜間外出禁止令を今週いっぱい継続へ。そんな状況下でもコロナバブルの株高の流れは止まらず、世界同時株高を牽引するナスダックは2月20日以来3ヵ月半ぶりの高値となり、その前日2月19日につけた過去最高値9800ポイントも意識される9600ポイント台に到達。リスク選好の株高の流れに押されて安全資産の金と米ドルと日本円が売られる展開に。前日に短期上値目標1760ドル近辺に到達後、この日の時間外には1750ドルをはさんでの小幅もみ合いで下げ渋っていたNY金はNY朝に1750ドル台後半まで小反発後、戻り売りの流れが加速、1750ドルを割れると1730ドルまで急落。一時1730ドル割れも20日移動平均線(1727.2)にサポートされた格好にも。NY引け後には再び1730ドル割れを試す動きにも。1700ドルから1750ドル台までが当面の主要レンジとなり、20日線が推移する1720ドル台は目先のサポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/28 - 6/2NYプラチナは-32.4ドル、3.6%の大幅安で3日ぶりの反落。920ドル付近を目標とした上値トライの流れは時間外に910ドル付近まで上昇したところで巻き戻し。時間外には900ドルをはさんだもみ合いで下げ渋ったものの、欧州時間に大台を割れると売り圧力が強まる展開に。NY朝には戻りを試すも大台には届かず、逆に戻り売りの勢いが強まる形となってNY午前のうちに860ドル割れへと急落。午後には870ドル付近まで戻したものの、前日までの2日間の上げ幅を帳消し、3日前の水準に逆戻り。5月後半以降の下値サポート水準となってきた860ドル台でなんとか下げ止まった状態も、この水準を維持できなくなれば下値トライの展開となって820ドル近辺までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2020/4/29 - 6/2ドル円は110銭のドル高円安で1.02%の大幅反発。1%超の上昇は3月19日以来2ヵ月半ぶりで今年6回め。水準としては4月8日(108.88)以来、約2ヵ月ぶりの高値。米中対立や米国内デモの暴徒化などへの警戒感は強まることなく、世界各地での経済活動再開を好感し、年後半以降の景気回復を期待してのコロナバブルによる株高の流れが為替市場にも飛び火。円全面安とドル安の流れが欧州時間以降に急速に強まる展開となり、ドル円では円安優勢の流れに。節目の107円90銭から108円を上抜けると90日移動平均線(108.16)、200日移動平均線(108.35)を次々上抜けて急騰、ストップハンティング状態となった様子で108円台後半へと水準を切り上げ、108円70銭台まで上昇。今朝の東京時間には一時108円80銭台まで上値を伸ばして失速、108円台前半へと反落。短期上値目標108円台後半までしっかり到達したことで上値トライ一服状態に、200日線辺りが目先のサポート候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/2終値とチャート

3日の国内金価格は+9円、0.14%の小幅高で5日続伸。5日続伸以上は5月半ば以来、半月ぶりで今年3回め。水準としては5月20日(6587)以来、2週間ぶり高値となり、短期上値目標6590円近辺にもあとわずか。勢いに欠け、反落警戒感を抱えたままジリジリと上値を伸ばす展開となり、もうひと伸びか、反落か、という状況にも。NY金は下げ止まりやすいところまで下げ、為替は目標水準まで円安急進となり、一服感も漂う状態によってサポートされる可能性も。反落後のサポート候補としては6500円から6520円辺り。

プラチナ価格は-4円、0.12%の小幅安で3日ぶりの反落。NYプラチナの大幅安を円安急進でカバー、三角保ち合い上放れから90日移動平均線(3188)も上抜けてスタートした上値トライへの流れはなんとか維持した状態。重要なサポート水準に位置するNYプラチナがしっかりと下げ止まれば、3300円の大台付近を目指す流れも徐々に進行していくことにも。下げ止まらない場合には巻き戻しを余儀なくされ、逆に3140円のサポート割れが警戒される展開にも。これを割れると下値目安は3020円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格6/3とチャート

2020年6月3日(水)時点の相場
国内金6,582 円 6/3(水) ▲9(0.14%)
国内プラチナ3,206 円 6/3(水) ▼4(0.12%)
NY金1,734.0 ドル 6/2(火) ▼16.3(0.93%)
NYプラチナ868.7 ドル 6/2(火) ▼32.4(3.60%)
ドル円108.67 円 6/2(火) ▲1.10(1.02%)

6/2(火)のその他主要マーケット指標

ISM非製造業景況指数も5月は回復の兆しも雇用は低調 6/4(木)

コロナショックでシャッフル、5月ユーロ圏製造業PMI勢力図 6/3(水)

ISM製造業景況指数は反発の兆しも輸入は11年ぶり低水準 6/2(火)

50%戻しと雲の上限、90日移動平均線、年央のプラチナ攻防ライン 6/1(月)

コロナデフレ懸念?コアPCEは9年ぶり低インフレ 5/30(土)


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