金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

雇用回復率は47.9%、予想以上の回復ペースでドル買い金売りも

更新日:2020年9月5日(土)

非農業部門雇用者数(NFP) 2020年8月米8月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+137.1万人となってほぼ市場予想どおりも、失業率の8.4%は市場予想の9%台を大きく下回る好結果。雇用回復ペースは予想以上、との印象から市場はリスク選好の反応。ドル買い円売り、若干の株高に金は売られる展開に。しかし、この流れも長くは続かず、ドル買い金売りはほぼ巻き戻される形に。
FRBの最大目標でもある雇用最大化に向けて、回復基調は楽観できる状況にはない、との厳しい見方が依然として根強く残る状況を示す結果となったようです。

非農業部門雇用者の総数は、今年2月時点で1億5246万人。4月には1億3030万人となり、わずか2ヵ月で2216万の雇用が喪失しました。
5月から8月までの4ヵ月で回復した雇用は1061万人。8月時点での失われた雇用の回復率は47.9%。7月時点での41.7%からは着実に増加も、6月時点の33.9%から比較すると回復ペースは大きく鈍化。
回復すべき雇用者数は残り1155万人。

今回、8月の雇用増のなかには、国勢調査のための臨時雇用が23万人超含まれているようです。
需要が前年比3割とも言われる航空会社では、10月以降に大量の人員削減が予定されています。政府による4月の資金支援の際に9月末までの人員削減禁止が条件となっていましたが、追加支援協議が難航している状況が続けば、秋以降の大量解雇は免れません。
1ヵ月前の時点で米国内で休業中の飲食店の6割がそのまま閉店、というニュースもありました。
秋以降、米国の雇用回復ペースはさらに鈍化することはあっても、そう簡単に加速するような状況は想像できません。

雇用回復ペースはこの秋50%を超えた後、そのペースは一段と鈍化していくことが予想されます。

NY金・日足チャート 2020/8/3 - 9/44日のNY金相場は-3.5ドル、0.18%安で3日続落。雇用統計待ちの時間外は1940ドルをはさんでの小幅揉み合い推移、NY朝の結果確認後には一部見方が分かれる面もあった様子で初期反応は買い優勢。雇用者数の増加ペースがそれほどでもないとの印象からか瞬間的には1950ドル半ばへと10ドル超の急騰。しかし、5ヵ月ぶりの1桁台となる8.4%へと予想以上に低下した失業率は現時点では間違いなく好結果。急反落の展開で元の水準を突き抜けて売り優勢へ、30分後には1920ドル付近まで30ドル超の急反落。しかし、ドル買い・金売りの流れが一方的に続く訳でもなく、節目の1930ドル割れの水準では下げ渋り、NY午後には1930ドル台から1940ドルへと反発の動き。日足レベルでは上下双方向に行って来いの展開となって十字線に近い足型に。1930ドルから1980ドルまでの主要レンジ下限を維持したことで、目先しばらくはこのラインが強めのサポートとして作用する可能性も。そうなれば下押し優勢の流れも徐々に変化の兆しとなって9月半ばのFOMCへ、という展開にも。
週間ベースでは-40.6ドル、2.06%の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2020/8/3 - 9/4NYプラチナは+8.6ドル、0.97%高となって3日ぶりの反発。ロンドン時間に890ドル台から900ドル台へと水準を切り上げ、一時910ドル台半ばまで上昇。NY午前には金の軟調推移に連れて890ドル台へと反落。しかしNY午後には金の反発に追随、引けにかけて900ドル台へと再浮上。880ドル台が目先のサポートとなり、これを当面維持できれば8月上旬から上値を切り下げてきた調整局面終了となる可能性も。維持できないようなら870ドル前後まで下値余地拡大も。上方向には950ドル台が当面の抵抗水準、地合回復に向けては8月後半の保ち合い下限920ドル台回復がポイントにも。
週間ベースでは-41.8ドル、4.45%の反落。

ドル円・日足チャート 2020/8/3 - 9/4ドル円は10銭程のドル高円安、0.09%の小反発。106円10銭台での小康状態から、NY朝には雇用統計の好結果を受けて106円40銭台へと急騰。しかし106円50銭ラインで蓋をされる状態が続くと間もなく力尽きて反落、NY午後には106円10銭台まで軟調推移。結果的に前日高値であり、8月末以降の抵抗水準でもある106円半ばでしっかり上値を押さえられ、下値は106円ラインが徐々に底堅くなりつつある様子も。雇用統計がそこそこの好結果でも上方ブレイクに失敗したことから、今後は徐々にドル安円高方向への圧力が強まる可能性も。106円を割れるようだと105円30銭が下値サポートに。
週間ベースでは+89銭、0.84%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート

2020年9月5日(土)時点の相場
国内金7,213 円 9/4(金) ▼54(0.74%)
国内プラチナ3,340 円 9/4(金) ▼64(1.88%)
NY金1,934.3 ドル 9/4(金) ▼3.5(0.18%)
NYプラチナ898.2 ドル 9/4(金) ▲8.6(0.97%)
ドル円106.25 円 9/4(金) ▲0.10(0.09%)

9/4(金)のその他主要マーケット指標

最高勝率8月まで5連騰後の金、中立の9月は保ち合いから調整も 9/7(月)

雇用回復率は47.9%、予想以上の回復ペースでドル買い金売りも 9/5(土)

米7月は輸出入も急増、貿易赤字は12年ぶり水準に急拡大 9/4(金)

今後10年間の雇用増加ペースは鈍化見込み、ADP雇用は早くも鈍化 9/3(木)

8月ユーロ圏製造業PMI、8カ国中4ヵ国が4月以来4ヵ月ぶり反落 9/2(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ