金プラチナ短期相場観

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米7月は輸出入も急増、貿易赤字は12年ぶり水準に急拡大

更新日:2020年9月4日(金)

米貿易収支 2020年7月米商務省が発表した7月の貿易統計で、貿易赤字は急拡大。
市場予想の580億ドル程度を大きく上回る635.56億ドルの赤字。2008年7月(-669.9億ドル)以来、12年ぶりの大幅赤字となっています。また、前月比では+18.9%の急拡大となり、3月の+24.6%に次いで過去5年間では2番めの急拡大。

ただし、輸出入も急増しており、輸出は1681.1億ドルとなって3月以来、4ヵ月ぶりの高水準。前月比では+8.1%の急増となり、6月の+9.6%に続き、過去25年間では2番めの急増。
輸入も2316.7億ドルで3月以来、4ヵ月ぶりの高水準。前月比では+10.9%の急増となって増加率は過去最大。
しかし、コロナ前の2月と比較すると、輸出は-19.8%、輸入は-6.1%。前年同月比では、輸出は-20.1%、輸入は-11.4%。
まだまだ低迷状態は続きます。とりわけ輸出の回復の遅れが大きく、貿易赤字拡大を助長しています。

なお、国別のモノの貿易額では、対中国の貿易赤字が10ヵ月ぶり高水準へと拡大、対メキシコの貿易赤字は過去最大となっています。
第3四半期スタート月の大幅赤字により、第3四半期GDP急回復の足を引っ張ることになりそうです。

NY金・日足チャート 2020/7/31 - 9/33日のNY金相場は-6.9ドル、0.35%の続落。GAFAM主導で一方的に買われ過ぎた米株がGAFAMの調整によって大幅調整。8月末に26ポイント台へと小幅に跳ね上がり、警戒感を示していたVIX指数はこの日33ポイント台へと急騰。過去最高値更新が続いたS&Pは6月以来の3.5%安、ダウも3%弱下げてナスダックは5%の大幅調整。プラス圏推移となっていた欧州株もNY市場スタートと同時に米株安に連れてマイナス圏へと急落。NY市場3連休前の雇用統計前日にポジション調整が急速に進行した株式市場に対し、金市場は1940ドルをはさんでの売り買い交錯。1950ドル台では上値が重く、1930ドルのサポート水準では下げ渋ったNY金は米株急落にも下支えされたような格好にも。短期的には1日高値2000ドルをピークに調整局面がこの日まで継続、短中期的には8月7日の最高値2089.2ドルを頂点に上値を切り下げ、その一方で8月12日安値1874.2ドルを起点に下値を切り上げ、1ヵ月レンジの三角保ち合いを形成。雇用統計後に上下どちらかへブレイクする可能性も高まり、下方向なら8月安値1870ドル台までがターゲット。上方向なら8月上旬の戻り水準2040ドル近辺が当面の上値目標。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/31 - 9/3NYプラチナは-14.5ドル、1.6%の続落。7月20日(857.9)以来1ヵ月半ぶり安値圏での一段安。前日NY市場での急落から、時間外での自律反発は920までと限定的。下値は直近下値目安900ドル付近で下げ渋り、900-920ドルのレンジで保ち合い推移の展開も、NY市場で崩れて900ドル割れ。一時880ドル前半まで下げて890ドル付近に収束。雇用統計前に行き過ぎの展開となって次の下値目安7月前半高値圏880ドル近辺に早くも到達。単体では水準的にも状況的にも落ち着きやすい頃合いも、NY金の変動幅拡大リスクに影響される可能性、下方リスクとしては7月半ば安値圏830ドル台辺りまでが意識される可能性も。

ドル円・日足チャート 2020/7/31 - 9/3ドル円は106円10銭台でほぼ横ばい推移。東京時間の106円台前半での小幅保ち合い推移から、欧州時間にはユーロ安ドル高局面に連れてドル高円安優勢となって一時106円50銭台まで上昇。しかしNY時間には米株の大幅調整が急速に進行したことを受けてリスク回避的な円高ドル安の流れに、106円00銭台まで急落するとNY午後には米株が落ち着きを取り戻したこともあり、106円ラインを維持して下げ渋り、106円10銭台へと小反発。結果的に保ち合い上限106円半ばではしっかり上値を押さえられ、下値は106円ラインが底堅く、20日移動平均線(106.11)にもサポートされ始めたような動きにも。雇用統計がそこそこの好結果となれば保ち合い上方ブレイクへの可能性も、抜け出せば6月末高値圏107円台後半から108円近辺までが当面の上値目標に。下方向へ106円を割れると105円30銭が次のサポートに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/3終値とチャート

4日の国内金価格は-54円、0.74%の続落で8月25日(7191)以来、10日ぶりの安値水準。方向感に逆行する形での上値トライ失敗後に方向感に従う形で軟調推移。大きく見れば7200円の大台前後から7260円台までの保ち合いレンジ内に踏みとどまった形も、直近安値を下回って一段安へのリスクも高まる状態。ただし、雇用統計後のNY金の動き出しに従う展開に。目先は7330円台が抵抗水準、下方向には7120円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは-13円、0.18%の小幅安で4週続落。4週続落は3月以来、5ヵ月ぶり。

プラチナ価格は-64円、1.88%の大幅続落。雇用統計前に一段安となって短期下値目安3350円近辺に早々の到達。イベント・ドリブンで反発方向へは3500円が当面の上限に。6月安値(3018)から8月高値(3655)までの半値戻し(3337)にほぼ到達した現状から一段安となれば61.8%戻し(3261)近辺までが次の下値目安に。
週間ベースでは-88円、2.57%安で4週続落。3月以来、5ヵ月ぶりの4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/4とチャート

2020年9月4日(金)時点の相場
国内金7,213 円 9/4(金) ▼54(0.74%)
国内プラチナ3,340 円 9/4(金) ▼64(1.88%)
NY金1,937.8 ドル 9/3(木) ▼6.9(0.35%)
NYプラチナ889.6 ドル 9/3(木) ▼14.5(1.60%)
ドル円106.15 円 9/3(木) ▼0.03(0.03%)

9/3(木)のその他主要マーケット指標

雇用回復率は47.9%、予想以上の回復ペースでドル買い金売りも 9/5(土)

米7月は輸出入も急増、貿易赤字は12年ぶり水準に急拡大 9/4(金)

今後10年間の雇用増加ペースは鈍化見込み、ADP雇用は早くも鈍化 9/3(木)

8月ユーロ圏製造業PMI、8カ国中4ヵ国が4月以来4ヵ月ぶり反落 9/2(水)

ダラス連銀製造業PMIも半年ぶりプラス圏回復 9/1(火)


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