金プラチナ短期相場観

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KOMTRAXデータから見る北米の景気回復基調の出遅れ感

更新日:2020年10月13日(火)

KOMTRAX月次データ・前年比3ヵ月平均 2020年9月コマツ社が公表している建設機械稼働管理システム「KOMTRAX」の地域別建設機械稼働時間データを、前年比3ヵ月移動平均で見ると、コロナ後の景気回復基調において、北米地域の出遅れ感が目立ちます。

震源地となった中国では、前年比3ヵ月平均では2019年12月の-4.3%から3月に-30.5%まで急速に落ち込みましたが、6月には+2.9%まで急回復。その後は9月の-1.2%まで、0%近辺での推移が続き、コロナ前の水準を取り戻した状態となっています。夏場以降は新型コロナ感染者がほぼ発生していないことになっている状況、国慶節の大型連休に中国各地に観光客が殺到していた様子が報じられていたことなどを裏付けるような推移になっています。

欧州では、今年2月の前年比3ヵ月平均-0.9%から、5月の-13.0%まで急低下後、8月の-3.7%まで急回復。9月には-3.0%となり、回復基調は続くものの、やや鈍化傾向となってきた様子も伺えます。スペインやフランス、英国などを筆頭に感染再拡大と行動規制の動きが再開する最近の状況が反映されつつあるようにも見えます。

北米では、2019年9月の前年比3ヵ月平均+0.3%から12月の-3.5%、今年2月には-5.5%とゆるやかな低下基調を経て5月には-14.6%まで急落。その後は8月の-8.3%までは急回復も、9月には-9.4%へと再低下。世界最大の感染大国となり、大統領まで感染した米国の感染者数の高止まりの状況や、人数は少ないながらも春の感染者数を上回る状態となりつつあるカナダの状況なども合わせると、納得せざるを得ない推移となっています。

NY金・日足チャート 2020/9/8 - 10/1212日のNY金相場は+2.7ドル、0.14%の小幅高で3日続伸。1930ドル台で週をまたいで時間外、早々に1940ドル付近まで上昇後は小幅に調整。ロンドン・NY市場で何度か試した安値も1924ドル前後までと限定的。この日の変動値幅は上下15.6ドルにとどまり、今年の平均35.9ドルの半分にも満たない小動き。短期的な流れが上向きに転じたところでの一服状態となっての浅めの押し目か。9月前半までの保ち合い水準1950ドル付近を上値目標にもう一段の上値余地を残す状態。下方向には1920ドル前後がサポート候補となり、これを割り込むようだと徐々に失速感が強まる展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/8 - 10/12NYプラチナは-18ドル、2.01%の大幅反落。先週末の大幅上昇からの反動安、週明け時間外スタート時点の897.1ドルがこの日の高値となり、900ドルの大台を試すそぶりもなく戻り売り。890ドルをはさんで売り買い交錯の展開から、NY市場では880ドル付近まで水準を切り下げ、NY午後には一時870ドル台前半まで小幅に急落の場面も。引け後にかけては880ドル台で下げ渋る様子も。日足レベルでは徐々に上値を切り下げ、下値も切り上げる三角保ち合いを形成し、目先は90日移動平均線(897.9)と200日移動平均線(878.0)が上下の節目。上方向に抜け出せば上値目標は9月半ばの戻り高値940ドル台。下方向には860ドルが次のサポート、これも下抜けるようだと9月安値820ドル近辺までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2020/9/8 - 10/12ドル円は30銭のドル安円高、0.28%の続落。週明け東京市場朝にはドル高方向へと小幅窓開けスタートも程なく窓埋め、105円60銭付近での小康状態から105円40銭台まで小幅に下げて欧州時間には105円60銭台まで反発。ここから戻り売りの展開となり、サポートとなりつつあった105円台半ばを割れると一段安、円高ドル高の流れからNY時間には円高ドル安となって一時10日ぶり安値となる105円20銭台まで下落。105円台後半の小幅保ち合い状態から下方向に変動幅を拡大、目先は10月安値105円前後までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/12終値とチャート

13日の国内金価格は-32円、0.45%安で4日ぶりの反落。NY金の一段高に追随して国内金価格も一段高へと想定したシナリオは崩れ、週明けから失速気味のNY金の上値の重さに加えて円高基調も反映。ただし、短期的な流れは好転状態を持続、7140円台で折り返した直近高値が抵抗水準とならなければ上値再トライへ、あらためて夏場の高値保ち合い下限付近、7180円台が上値目標に。21日移動平均線(7083)近辺がサポート候補。

プラチナ価格は-17円、0.52%の反落。先週末から小幅上下動を繰り返し、3220円台から3240円台までの小幅保ち合いを形成して方向感喪失状態に。上方ブレイクなら10月高値を更新して3330円台辺りまで上値を伸ばす可能性も、90日と200日移動平均線をはさむ9日移動平均線(3258)から21日移動平均線(3312)までのレンジが抵抗帯として重石となる可能性も。下方ブレイクなら3150円辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格10/13とチャート

2020年10月13日(火)時点の相場
国内金7,110 円 10/13(火) ▼32(0.45%)
国内プラチナ3,226 円 10/13(火) ▼17(0.52%)
NY金1,928.9 ドル 10/12(月) ▲2.7(0.14%)
NYプラチナ876.3 ドル 10/12(月) ▼18.0(2.01%)
ドル円105.31 円 10/12(月) ▼0.30(0.28%)

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