金プラチナ短期相場観
国内金・プラチナ・価格差RSIが最小水準となった日々
更新日:2020年11月30日(月)
相場の過熱感を示す相対力指数、RSI (Relative Strength Index) は、国内金価格で7.3まで低下。直近14日間での変動値幅のうち、上昇値幅の割合はわずか7.3%、売られ過ぎのピークに近づいているか、もしくは達している状態を示します。国内金価格のRSI水準としては2015年11月13日(4.3)以来、5年と半月ぶりの低水準。2009年以降ではその4.3が最小で7.3は2番め。1桁も珍しく、ほぼ近年最小水準。
国内金価格とプラチナとの価格差は3038円となり、3月16日(2953)以来8ヵ月半ぶりの水準まで縮小してきました。価格差のRSIは3.1。25日に1桁台へと急低下、27日には4.1となり、2009年以降での最小となっていた2009年4月10日の4.7を下回っており、連日の近年最小更新となっています。
金価格も価格差もRSIの最小水準に達していることから、反発が近いことも想定されますが、必ずしもそうなるとも限りません。2019年5月20日には国内プラチナ価格のRSIが「0.0」となり、翌21日も「0.0」のまま、価格はさらに下落しました。プラチナ価格が15日続落となった時でした。
30日の国内金価格は-106円、1.6%の大幅安となって8日続落。8日続落は2016年5月以来、4年半ぶり。8日合計では-429円、6.18%の下落となり、2013年6月の8日続落(-420円、9.16%)以来、7年5ヵ月ぶりの急落。水準としては6月19日(6,479)以来、5ヵ月ぶり安値を更新。週明け時間外のNY金は1790ドル近辺から1780ドル台半ばへと軟調気味のスタート。為替も104円10銭台から103円80銭台へとドル安円高の流れ。サポートの可能性も想定された夏場の急騰前の保ち合い高値6600円近辺を大きく割り込んでしまったことから、6月の保ち合い下限6470円近辺が次のサポート候補にも。その下には5月末安値(6428)で3月安値から8月高値までの61.8%戻し(6423)にも相当する6420円近辺。
月間ベースでは-344円、5.02%の大幅下落で3週続落。3週続落は昨年5月以来1年半ぶり。週間下落率は2015年11月(-286円、6.00%)以来5年ぶりの急落。
月足チャートで見る国内金価格は、夏場の急騰局面からの巻き戻しが急速に進行し、トレンド転換か、もしくは一時的なサポート割れか、という状態に。2018年8月安値から2020年8月の過去最高値まで2年間の上昇トレンドが終了したかどうかは、38.2%戻し(6447)付近で下げ止まるかどうかにかかっているかもしれません。
プラチナ価格は+5円、0.14%の小反発。週明け時間外のNYプラチナが970ドルをはさんでの小幅揉み合い推移となっていることにも支えられ、9月半ば以来2ヵ月半ぶり高値圏での下げ渋り。短期上昇トレンド継続に向けて3490円台の直近高値を上抜けることができれば、9月高値(3539)3540円近辺までが上値目標に。上昇軌道が続く9日移動平均線(3419)がサポート候補。
月間ベースでは+325円、10.32%の大幅高となって3週ぶりの反発。2016年7月(+490円、13.78%)以来、4年4ヵ月ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート
月足一目均衡表では雲の下限を上抜け、遅行線も価格水準を上抜け、弱気相場からは脱出。2013年2月高値(5445)から今年3月安値(2422)までの38.2%戻し(3577)は、中長期トレンド転換をかけた重要な攻防ラインに。
- 2020年11月30日(月)時点の相場
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国内金 : 6,512 円 11/30(月) ▼106(1.60%) 国内プラチナ : 3,474 円 11/30(月) ▲5(0.14%) NY金 : 1,788.1 ドル 11/27(金) ▼17.4(0.96%) NYプラチナ : 964.8 ドル 11/27(金) ▼5.0(0.52%) ドル円 : 104.08 円 11/27(金) ▼0.17(0.16%)
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