金プラチナ短期相場観
12月雇用統計調査対象週、失業保険申請件数は14週ぶり高水準
更新日:2020年12月18日(金)
12月雇用統計の調査対象週となる、12日までの週の新規失業保険申請件数は88.5万件。市場予想の81.3万件を大幅に上回り、予想外の2週連続増加。9月5日までの週(89.3)以来、14週ぶり高水準となっています。
新規申請件数は8月末にはコロナ後初めて80万件台まで減少し、10月以降は70万件台へとさらに減少しました。順調に減少傾向が続くかにも見えた状態から11月には70万件台で下げ渋り、12月に入ると80万件台へと増加に転じてしまった格好。
現時点でコロナ後の最少は11月7日までの週の71.1万件。11月28日までの週にも71.6万件まで減少しましたが、コロナ前の過去最大69.5万件を目前に、これを下回ることができていません。ここに来てコロナ再燃によって跳ね返されてしまったような状態にも。
継続受給者数はコロナ前の最大663.3万人を既に11月に下回り、600万人も割り込んで500万人台へと減少してはいますが、足下ではやや減少ペースに鈍化の兆しも。
最大雇用とインフレの安定を目指し、「一段と顕著な進展」が見られるまで大規模緩和継続をFOMCで表明した矢先、最大雇用を目指す指標の一つは進展するどころか、後ずさりしてしまったようです。
17日のNY金相場は+31.3ドル、1.68%の大幅高となって3日続伸。11月6日(1951.7)以来、1ヵ月半ぶり高値水準に。緩和政策長期化が確認されたFOMC直後に買われた流れは東京時間に一服後、欧州・NY市場にかけてあらためて再開、ドル安の流れにもサポートされてコンスタントに上昇。ロンドン市場で短期上値目標1880ドル近辺に到達して一服後、NY朝には米新規失業保険申請件数が予想外の2週連続増加となったことなどもあり、米10年債利回りが一時急低下した流れにも連れて一段高。一時1900ドルの大台回復後、NY午後には1890ドル付近へ。短期上値目標到達とともに、1900ドルの大台ラインと90日移動平均線(1903.0)に上値を押さえられ、さらに8月最高値から11月安値までの38.2%戻し(1890.2)付近で落ち着いた状態にもなり、上値トライの流れは一服感も。なお、短期行き過ぎ警戒水準としては50%戻し(1928.2)、11月安値から12月8日高値までの上昇幅112.6ドルを12月14日安値1820.0ドルを起点にN計算値を適用した場合の上昇目安1932.6ドルなど、1930ドル近辺も。
NYプラチナは+14.7ドル、1.42%の反発。12月4日(1072.8)以来、2週間ぶりの高値水準。ロンドン・NY朝にかけて堅調推移となった金に追随、高値では1060ドル台半ばまで上昇し、短期上値目標1060ドル前後にあらためてしっかり到達。一服感からの反落局面では一時1030ドル台半ばまで、30ドル弱の急落後に1050ドル前後へと値を戻す展開。やや不安定感も残るものの、1020ドル前後で保ち合い形成後に反発に転じたことで1000ドル超の水準を維持した形にもなり、1020ドル近辺が目先のサポートにも。
ドル円は32銭のドル安円高、0.31%安となって3日続落。3月9日(102.14)以来、9ヵ月ぶりの安値。東京午後にかけては前日安値103円20銭台で下げ渋る展開となったものの、欧州時間からドル安の流れ再開となって軟調推移、NY時間には失業保険申請件数の悪化に加えて12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も市場予想を下回って7ヵ月ぶり低水準となるなどし、103円を割れて一時102円80銭台まで下落。FOMCでの緩和長期化観測を背景とするドル安基調が続くなかで、米10年債利回りが小幅に反発した流れに連れてNY午後にかけては103円台を回復。短期下値目安102円台半ばに対して若干の下げ余地も残し、目先は軟調な流れがもう一段続く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/17終値とチャート
18日の国内金価格は+49円、0.72%高で3日続伸。12月9日(6829)と並び12月高値。8月最高値を起点とする下降チャネルの上限ライン上抜けトライへと動き出した形も、6830円の節目を上抜けることができず、このまま反落すると短期的にはダブルトップ形成への警戒感も。NY金の上値トライ一服感も重石となり、いったんは6660円台から6830円までのレンジを維持して保ち合い継続の展開にも。上抜けできた暁には6890円から6900円の大台トライを目指す流れにも。
週間ベースでは+106円、1.58%高で3週続伸。3週続伸は8月3日からの週以来、4ヵ月半ぶり。最高値更新後の調整局面では初、局面が変わる起点となるかどうか。
プラチナ価格は+25円、0.67%の反発。12月7日(3794)以来、10日ぶり高値となり、3730円の節目を上抜けたことから3800円の大台ラインを目標に上値トライへ。しかし、1週間余り続いた上下動の展開で上値トライに向けた勢いが失われてしまった状態となり、NYプラチナの一服感にも上値を押さえられる可能性も。目先しばらくは上値トライもそこそこに3640円を下限に保ち合い継続となりやすそうな状況にも。
週間では+14円、0.38%の小幅高で7週続伸。7週続伸は2013年2月以来、7年10ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格12/18とチャート
- 2020年12月18日(金)時点の相場
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国内金 : 6,829 円 12/18(金) ▲49(0.72%) 国内プラチナ : 3,739 円 12/18(金) ▲25(0.67%) NY金 : 1,890.4 ドル 12/17(木) ▲31.3(1.68%) NYプラチナ : 1,050.1 ドル 12/17(木) ▲14.7(1.42%) ドル円 : 103.14 円 12/17(木) ▼0.32(0.31%)
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