金プラチナ短期相場観
国内金価格は下降チャネル脱出、プラチナは三役好転
更新日:2020年12月25日(金)
24日のNY金相場は+5.1ドル、0.27%の小幅続伸。ブレグジットの移行期間終了間際ギリギリ、英国とEUは通商協定で合意。米国では9000億ドルの追加経済対策が議会通過後にトランプ大統領の給付金引き上げ要求による署名拒否。暫定予算失効期限となる28日までに成立できなければ政府機関の一部がシャットダウン、こちらはまたしてもギリギリの攻防へ。そんな状況をよそに日本を除く世界各国の市場は順次クリスマス休場入り。3連休前のNY金も取引閑散状態のなか時間外の1870ドル台後半から小幅揉み合い推移でNY市場では1880ドル台へ。この日の変動値幅はわずかに14.3ドル。今年の平均34.6ドルの4割強、先週18日(13.8)に次いで今年2月末以降の10ヵ月では2番めの小動き。短期上昇トレンドを維持した状態で、1870ドルから1890ドルまでの小幅保ち合いレンジを形成して2020年最終週へ。短期的には上抜けなら12月高値(1912.0)再トライへ、下抜けると短期トレンド崩れを試しに行く形となり、12月半ばの保ち合い水準1840ドル近辺までが短期下値目安。
週間ベースでは-5.7ドル、0.3%安で4週ぶりの小反落。
NYプラチナは+11.8ドル、1.16%の続伸。時間外の1020ドル付近からNY市場では1030ドル付近まで、小幅揉み合い状態のまま金に連れる形でわずかに水準を切り上げる展開に。この日の変動値幅は金を上回る15.0ドルも、年間平均35.3ドルの半分以下で今年3番めの小動き。12月に入って終値ベースで1000ドル超を維持したまま最終週へ。短期トレンドとしては調整局面の状態から徐々に反発方向へと傾斜中、3日ぶりに右肩上がりの20日移動平均線(1023.4)も上抜けて上方向への節目1050ドルの攻防も視野に、これを上抜けると12月高値(1093.1)再トライへ。下方向への節目は大台ライン、これを維持できなくなれば調整局面再加速となって11月末の急騰前の水準960ドル付近までが下値目安に。
週間ベースでは-14.2ドル、1.36%の反落。
ドル円は9銭ほどのドル高円安、0.09%の小反発。この日の変動値幅は前日からさらに縮小、わずか26銭程度にとどまり、今年の平均71銭の3分の1強。クリスマス休暇前でNY市場は短縮取引、為替市場も閑散状態となり、東京時間の103円50銭付近が安値となり、NY時間に一時103円70銭台まで上昇したのがこの日の高値。今朝の東京市場では再び103円50銭台へ。103円10銭から104円30銭までの主要レンジ内で103円半ばへと値動きが縮小し、クリスマス明けからは動き出す可能性も。中長期的にはドル安円高方向への下落トレンドが継続中ながら、短期的にはほぼ中立状態にもなりつつあり、動き出した方向へと一定程度のトレンド形成にも。下方向には102円半ばまでが目安となり、上方向には11月高値105円台後半が目標水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/24終値とチャート
25日の国内金価格は+20円、0.29%の続伸。一役好転状態を維持し、8月以降の下降チャネルを脱出してトレンド転換の兆し、という状態で年越しへ。短期的には6860円と6780円が上下の節目となり、上抜けるとトレンド転換加速に向けて6950円近辺が上値目標、下抜けなら12月半ば安値水準6670円前後が下値目安でトレンド転換失敗にも。
週間ベースでは+2円、0.03%の小幅高で4週続伸。4週続伸は2月以来、10ヵ月ぶり。月間では+319円、4.9%の大幅高で4ヵ月ぶりの反発。年間では+1041円、17.98%の大幅続伸。
プラチナ価格は+32円、0.87%高で3日続伸。9日移動平均線(3690)と転換線(3687)を上抜けて三役好転状態を回復して年越し。短期的にはゆるやかな調整局面が継続中、3740円と3630円台が上下の節目となり、上抜けできれば調整終了で新たな上昇局面形成へと向かう可能性が高まり、3850円程度までが次の上値目標に。下方向へと抜け出すようなら調整局面再加速へ、3500円の大台ライン付近までが短期下値目安に。
週間ベースでは-36円、0.96%安で8週ぶりの反落。月間では+229円、6.59%の大幅続伸。年間では+87円、2.41%の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格12/25とチャート
- 2020年12月25日(金)時点の相場
-
国内金 : 6,831 円 12/25(金) ▲20(0.29%) 国内プラチナ : 3,703 円 12/25(金) ▲32(0.87%) NY金 : 1,883.2 ドル 12/24(木) ▲5.1(0.27%) NYプラチナ : 1,028.9 ドル 12/24(木) ▲11.8(1.16%) ドル円 : 103.65 円 12/24(木) ▲0.09(0.09%)
ダラス連銀製造業、原油価格を上回るペースでの急回復は失速 12/29(火)
国内金価格は下降チャネル脱出、プラチナは三役好転 12/25(金)
米インフレ鈍化と英EU通商合意でドル安、金を下支え 12/24(木)
実質金利低下がNY金の反発局面をサポートする? 12/23(水)
ユーロ圏12月消費者信頼感指数は予想外の急回復 12/22(火)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン