金プラチナ短期相場観
厳戒態勢下、ドル高でスタートするバイデン政権
更新日:2021年1月18日(月)
厳戒態勢のワシントンでバイデン次期大統領の就任式が行われる週、次期財務長官に指名されているイエレン前FRB議長は貿易の為に「ドル安を追求することはしない」と明言していることが伝えられています。
「通貨の価値は市場が決定」すべきであり、「経済パフォーマンスの変化を反映」するはずの通貨のうち、基軸通貨である米ドルは昨年末まではドル安基調が続きました。しかし、年明けにはバイデン政権への期待感に加えてイエレン発言も影響したか、ドル高基調へと反転。
今朝もこの流れが続いてユーロドルの軟調推移とともに時間外のNY金も売られ、先週末の1820ドル台から一時1800ドルちょうど付近まで急落。すぐに1810ドル台へと戻してはいますが、今年安値を更新し、短期下値目安1810ドル台にも到達。
18日の国内金価格は-109円、1.62%の大幅安となって3日続落。12月1日(6516)以来、1ヵ月半ぶりの安値。下げ渋っていたNY金が週末に節目を割り込んで下落、今朝の週明け時間外にも不安定な動きとなったことなどから短期下値目安6700円前後を突き抜けての一段安。11月安値(6512)から1月高値(7016)までの61.8%戻し(6705)を飛び越えて76.4%戻し(6631)も達成。短期的にはやや行き過ぎ感もあり、NY金の一服感などからもいったん落ち着くか、多少の自律反発も。上方向には6770円台が当面の抵抗水準に。
週足一目均衡表では基準線の下で推移する転換線を下抜け、遅行線も価格ラインを下抜けて二役逆転。雲の上限が目前に迫って壁を形成、下限は3月にかけて6600円台へと上昇し、今後の攻防ラインとなる可能性も。52週移動平均線も下抜けて8月以降の下降チャネル内に回帰しつつある状態にも。中期的には11月安値(6512)、2018年8月安値から2019年8月最高値までの38.2%戻し(6447)などが重要なサポート水準にも。
プラチナ価格は-127円、3.14%の大幅安で4日ぶりの反落。12日に207円の急落後、3日かけて220円上昇しての高値更新も、半値戻し。上値トライへの可能性もあった状態からの巻き戻しで高値圏での乱高下状態となり、ピークアウトを警戒するような値動きにも。ただし、3928円へと急騰したサポート候補の9日移動平均線を下抜けたものの、先週末水準3905付近には踏みとどまった状態。週明け時間外のNYプラチナは金の軟調推移にも下げ渋る状態となっていることなどから、目先は3810円台から4040円までの広めのレンジ内でいったん落ち着きを取り戻すような展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格1/18とチャート
週足一目均衡表では三役好転を維持する強気相場。ただし、11月以降の上昇チャネルの下値サポートライン付近に位置し、2013年2月高値から2020年3月安値までの半値戻し(3934)をわずかに下抜ける微妙な水準に。なお、日足一目均衡表では転換線(3921)をわずかに下回って三役好転崩れの状態となり、月足一目均衡表では雲の上限(4052)にわずかに届かず失速した状態となって三役好転トライに失敗。強気相場が崩れ始めるか、持ち直すのか、重要な攻防状態。
- 2021年1月18日(月)時点の相場
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国内金 : 6,625 円 1/18(月) ▼109(1.62%) 国内プラチナ : 3,912 円 1/18(月) ▼127(3.14%) NY金 : 1,829.9 ドル 1/15(金) ▼21.5(1.16%) NYプラチナ : 1,089.9 ドル 1/15(金) ▼36.5(3.24%) ドル円 : 103.89 円 1/15(金) ▲0.09(0.09%)
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