金プラチナ短期相場観

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PCEは2020年末に上昇、も低インフレ継続

更新日:2021年1月30日(土)

コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2020年12月米商務省が発表した12月のPCEインフレ指数は前年比+1.28%。11月の+1.12%からは上昇も、9月の+1.35%を下回り、コロナ前の2020年2月の+1.84%にはほど遠く、近年のピークとなった2018年7月の+2.45%は遥かなた。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+1.45%。市場予想の+1.3%程度を上回り、11月の+1.37%からも小幅に上昇。
ここまでの回復フェーズのピークとなった9月の+1.53%を下回り、コロナ前の2020年2月の+1.87%には距離を残し、近年のピーク2018年7月の+2.13%には程遠い状況。
PCEも、コアPCEも3ヵ月ぶりに上昇して2020年を終えましたが、依然として低インフレの状態を脱せず。2%を安定的に上回るまでしばらくは静観の構えを表明しているFRBのインフレ目標に対しては大きく乖離したまま。

内訳では商品価格が11月の前年比-0.5%から12月は-0.1%へと上昇し、このうち耐久財が+0.5%から+1.3%へ、耐久財以外も-1.1%から-0.9%へと上昇。サービス価格は前年比+1.9%で横ばい推移となり、エネルギー関連サービスが-9.9%から-7.6%へとマイナス幅を縮小したことも貢献したようです。

また、ダラス連銀が発表したトリム平均PCE(PCE構成品目・サービスのうち上位31%以上と下位24%以下を除外して算出)は前年比+1.74%。2017年10月(1.73)以来3年1ヵ月ぶり低水準となった11月の+1.73%からはわずかに上昇。しかし、コロナ前の2020年2月の+2.11%にはまだまだ。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCE(価格変動分布50%台の品目のみで算出)は前年比+2.08%。11月の+2.19%からは低下、5月の+2.55%からは7ヵ月連続の低下。コロナ前の2020年2月の+2.61%との差は拡大中。

算出方法を変えても低インフレが継続する状況は変わりません。そもそもコアPCEの過去の実績では、現状のFRBの目標を満たすインフレ・レベルで推移したことがあるのは2008年のリーマンショック前まで。
FRBの目標達成には、十数年以上ぶりの高インフレ状態となる必要があります。

NY金・日足チャート 2020/12/23 - 1/2929日のNY金相場は+9.1ドル、0.49%高で7日ぶりの反発。時間外に1840ドル台から1850ドル台へと小幅上昇後は、前日の値動きを再現するように上に行って来い。ドル高の流れが巻き戻されたロンドン時間から急騰局面を形成すると、NY朝には3週間ぶり高値水準となる1880ドル手前まで上昇。しかしドルの下げ渋りとともに急失速、米株急落とユーロドルの反落にも連れて元の水準へと30ドル弱の反落。ロビンフッドなどオンライン証券会社による取引制限解除によってゲームストップ株などが再び急騰したこと、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが南ア変異株に対して有効性が低いとの報道などによってリスク回避の株安・ドル高再燃となったことにも押された格好。ゆるやかに下降する20日移動平均線(1867.8)上抜けに失敗し、ゆるやかな上昇軌道の200日移動平均線(1851.6)も抵抗線に切り替わったままとなってNY引け後には1850ドル割れ。1840ドルが目先のサポートとなり、これを割れると11月末安値圏1780ドル台を目標に一段安の展開へ。上方向には1870ドルの抵抗線超え再トライに成功すると流れも変わって上値トライへ、12月高値1910ドル台が目標にも。
週間ベースでは-5.9ドル、0.32%の小反落。月間では-44.8ドル、2.36%の反落。1月の下落は8年ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2020/12/23 - 1/29NYプラチナは+6.8ドル、0.63%高で3日ぶりの反発。金と同様に終値ベースでは小幅上昇も、2日連続で上に行って来い。ロンドン時間の1080ドル台からNY朝には1120ドルまで、40ドル弱の急騰。NY午後にかけての急反落局面ではピークアウトの兆しも見られる20日移動平均線(1095.3)を突き抜け、1080ドル付近では下げ渋る状態に。1070ドルが目先のサポートとなり、これを割れると下値再トライとなって前日安値1050ドル台から今年安値圏1040ドル台までが下値目安に。地合い回復に向けてはサポートからレジスタンスに切り替わった20日線超えがポイントに。
週間では-32.4ドル、2.91%安で3週ぶりの反落。月間では前月末から変わらず横ばい推移、月足チャートでは高値圏での十字線を形成。

ドル円・日足チャート 2020/12/25 - 1/29ドル円は43銭のドル高円安、0.41%高で3日続伸。11月12日(105.14)以来、2ヵ月半ぶりのドル高円安水準。リスク回避の株安・ドル高傾向が強まりやすい状態が継続。前日上値を押さえられて抵抗線となる可能性もあった90日移動平均線(104.33)を東京朝のうちに上抜けると104円50銭台まで急騰。欧州時間にはクロス円の円安傾向にもサポートされて104円90銭台まで一段高。短期上値目標105円台には惜しくも届かず失速も、104円70銭近辺では下げ渋り。終値ベースで90日移動平均線を上抜けたのは6月30日以来、7ヵ月ぶり。目先は105円の大台回復再トライへともう少しの上昇余地を残し、少し行き過ぎの展開となればゆるやかに下降する200日移動平均線(106.64)トライへも。
週間では+94銭、0.91%高で3週ぶりの反発。月間では+1.44円、1.39%高となって5ヵ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/29終値とチャート

2021年1月30日(土)時点の相場
国内金6,739 円 1/29(金) ▲20(0.30%)
国内プラチナ3,903 円 1/29(金) ▲29(0.75%)
NY金1,850.3 ドル 1/29(金) ▲9.1(0.49%)
NYプラチナ1,079.2 ドル 1/29(金) ▲6.8(0.63%)
ドル円104.69 円 1/29(金) ▲0.43(0.41%)

1/29(金)のその他主要マーケット指標

感染再燃とともに中国も1月製造業PMIは急失速 2/1(月)

PCEは2020年末に上昇、も低インフレ継続 1/30(土)

2020年は世界の金需要激減で金価格が急騰した歴史的な年に 1/29(金)

テーパリングは時期尚早でも株価急落でVIX急騰、ドル高金安 1/28(木)

IMF世界経済見通し、2021年成長率は印米日など上方修正 1/27(水)


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