金プラチナ短期相場観
製造業過去最高、非製造業50超、ユーロ圏総合PMIは7月来高値
更新日:2021年4月24日(土)
ユーロ圏総合PMIは4月速報値で53.7。3月の53.2からは若干の低下で52.9程度との市場予想に反して3月からさらに上昇。2ヵ月連続の50超で3ヵ月続伸、昨年7月(54.9)以来、9ヵ月ぶりの高水準。
製造業PMIが63.3となって予想外に3月の62.5からさらに上昇、2ヵ月連続の過去最高更新となって歴史的好調ぶりを持続。非製造業も予想外の3ヵ月続伸で50.3、8ヵ月ぶり高水準で節目50超となったことも貢献。7ヵ月続いた減速状態を示す50未満の状態からサービス業が抜け出し、拡大基調へと転換したことの意味は大きく、ウィズ・コロナの時代がもうしばらく続いたとしても、経済の回復基調もそれなりに進行していく可能性にもつながりそうです。足下のユーロ高ドル安基調にも貢献しているかもしれません。
製造業ではドイツが過去最高となった3月の66.6から-0.2ポイント、フランスも20年半ぶり高水準となった3月の59.3からわずかに-0.1ポイントと高止まり。
サービス業ではドイツが7ヵ月ぶり高水準となった3月の51.5から50.1へと低下。感染拡大にともなう新たな封鎖措置の影響も、節目50割れはなんとか回避。フランスは50.4へと3月から2.2ポイント上昇し、8ヵ月ぶり高水準で節目50超となってドイツの低調をカバー。その他ユーロ圏でも拡大基調への回復が見られた模様。
ユーロ圏全体で新規受注の伸びは2018年9月以来、2年7ヵ月ぶり高水準。ただしサービスの新規受注は9ヵ月連続の減少。
それでも受注残は製造業で記録的な増加を続けるのに加え、サービス部門でもパンデミック以来始めて受注残が増加。
今後の見通しを示す期待指数も比較可能な2012年後半以降のデータで最高水準。ワクチン接種が進まない現状から今後の加速への期待も込められている様子。メルケル時代終焉を迎えるドイツでのセンチメントが若干の低下も、フランス他ユーロ圏全般では楽観的に。
ワクチン接種では米英に大きく水を開けられ、経済回復も遅れを取っているようなイメージもあったユーロ圏は、意外と底堅く、着実に回復基調も進行しているようです。
ただし、ECBによるユーロ圏の今年のGDP成長率見通しは、従来の4.4%(IMFの4月見通しも同じ4.4%)から4.2%へと下方修正されたようです。
ユーロ圏の回復基調は、微妙に後ズレしている様子もありそうです。
23日のNY金相場は-4.2ドル、0.24%の小幅続落。欧州時間には米10年債利回りが1.5%台前半へと低下基調が続き、ユーロ圏PMIの好結果を受けてユーロ高ドル安の流れとなったことにも連れて堅調推移、NY朝にかけて前日高値付近1796ドルまで上昇。しかしNY市場では流れが反転、米国の4月PMIも製造業、サービス業ともに最高水準となり、3月の新築住宅販売件数も2006年以来の高水準となるなど好調ぶりが確認されて米10年債利回りが1.5%台後半へと急反発、ドル買いの流れも強まったことを受けて急反落となったNY金は一時わずかながら1770ドル割れ。1770ドルから1790ドル台までの保ち合いレンジ上限から下限までの急落後は1770ドル台半ばへと小反発。次週のFOMCまでは保ち合い継続が想定されるものの、レンジ下放れとなれば短期下値目安は4月前半までの保ち合い水準1740ドル近辺。逆に1800ドル超へと上放れるようなら1月安値圏、1820ドル台が上値目標に。
週間ベースでは-2.4ドル、0.13%安で3週ぶりの反落。
NYプラチナは+24.6ドル、2.04%の反発。終値では4月8日(1235.4)以来、2週間ぶりの高値。欧州時間にはNY金の堅調推移とパラジウムの最高値再トライの流れにも牽引されて50ドル程の急騰、NY朝につけた高値1256ドルは2月25日高値(1277.1)以来、2ヵ月ぶりの高値。金もパラジウムも急反落となったNY市場での安値は1220ドルまで、若干控えめにとどまると自律反発後のNY午後には1230ドル台前半に収束。結果的に上方向への節目1220ドルを超えたところから急加速、短期上値目標1240ドル近辺を突き抜ける急騰となり、目標水準近辺に戻してきたような格好にも。一時的ながらも目標到達に伴う達成感からの一服と、FOMCを控えた金の反落警戒感、パラジウムの高止まりと最高値更新再トライの可能性など上下に大きく振れやすい状況にも。この日の高値圏再トライの可能性と下方向には20日移動平均線(1201.4)割れなら1180ドル程度までの下押しも。
週間ベースでは+24.4ドル、2.02%の反発。
ドル円は8銭のドル安円高、0.07%安となって小幅に5日続落。5日続落は今年初、昨年11月以来5ヵ月ぶり。直近2週間、10営業日で上昇したのはわずか1日、上昇幅はたったの6銭。ほぼ一方的に下落してきた流れでRSIは10%台に低迷、確率論だけで見れば即反発の可能性。前日まで2日連続で下げ渋った107円80銭が堅めのサポートとしてこの日も東京時間までは作用。欧州時間には米10年債利回り急低下とユーロ高主導のドル安の流れも強まり、107円80銭を割れると急落の展開となって3月4日以来1ヵ月半ぶり安値となる107円40銭台まで下落。しかしNY時間には米経済指標の好結果もあって流れが反転、108円10銭台まで急反発。ただしNY終盤にかけては再びドル安地合いとなって108円割れ。目先、107円80銭が再度サポート水準となれば下げ渋って戻りを試す展開にも、そうならなければ107円近辺から年初来上昇幅の半値戻し(106.78)を試しに行くような展開にも。
週間では-93銭、0.85%安となって3週続落。3週続落は今年初、昨年11月以来5ヵ月半ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/23終値とチャート
- 2021年4月24日(土)時点の相場
-
国内金 : 6,738 円 4/23(金) ▼38(0.56%) 国内プラチナ : 4,534 円 4/23(金) ▼55(1.20%) NY金 : 1,777.8 ドル 4/23(金) ▼4.2(0.24%) NYプラチナ : 1,233.1 ドル 4/23(金) ▲24.6(2.04%) ドル円 : 107.88 円 4/23(金) ▼0.08(0.07%)
国内金価格の半値戻しと三役好転、三角保ち合いも微妙な状況に 4/26(月)
製造業過去最高、非製造業50超、ユーロ圏総合PMIは7月来高値 4/24(土)
失業保険の減少ペース加速、年内にもコロナ前回復? 4/23(金)
FRB独自のインフレ期待CIEは2%、インフレ加速懸念は限定的? 4/22(木)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン