金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

サービス業急回復で5月ユーロ圏PMI速報は3年3ヵ月ぶり高水準

更新日:2021年5月22日(土)

ユーロ圏総合・製造業・サービス業PMI 2021年5月速報遅れをとっていたワクチン接種率でも米英を猛追する形となった5月のユーロ圏PMIは、制限緩和と営業再開の流れを受けてサービス業が急回復。減速の製造業PMIも高水準を維持したことでユーロ圏総合PMIは5月速報で56.9。3ヵ月連続節目50超で4ヵ月続伸、3年3ヵ月ぶり高水準となりました。

製造業PMIではドイツが64.0で2ヵ月ぶり低水準となったのに対し、フランスは59.2で2ヵ月ぶり高水準へと小幅上昇。結果、ユーロ圏の製造業PMIは2ヵ月連続で過去最高となっていた4月の62.9から5月速報では62.8とわずかに低下。過去2番めの高水準を維持。
サービス業PMIでは、ドイツが52.8となって2ヵ月ぶりの50超に対してフランスは56.6で2ヵ月連続50超、いずれも昨年7月以来10ヵ月ぶりの高水準。結果、ユーロ圏のサービス業PMIは55.1となって2ヵ月連続50超、2018年6月以来2年11ヵ月ぶりの高水準。
なお、ドイツの総合PMIは5月速報値で56.2。前月比+0.4で2ヵ月ぶりの高水準。フランスは57.0となって前月比+5.4の急上昇、10ヵ月ぶりの高水準。総合PMIでは10ヵ月ぶりにドイツを上回りました。
4月から5月にかけては、ドイツが牽引してきた製造業は高水準で伸び悩み、フランスが牽引する形でサービス業が急回復となって総合PMIを押し上げました。

ワクチン接種で先行してきた米英も好調を維持し、英国は製造業PMIでは66.1へと急騰で過去最高、5ヵ月ぶりにユーロ圏を上回りました。米国は製造業もサービス業も好調を維持し、総合PMIは68.1となって過去最高。ユーロ圏を10ポイント超上回る高水準。サービス業では15ポイントも上回っています。

欧州時間にはドイツの製造業PMIが高水準を維持しながらも予想を下回って4月からも低下したことを受けてユーロ安ドル高の流れとなりましたが、ユーロ圏PMIの好結果を受けて巻き戻されました。しかし、NY市場では米国のPMIも想定以上の好結果となったことを受けて再びユーロ安ドル高の流れが強まりました。

NY金・日足チャート 2021/4/19 - 5/2121日のNY金相場は-5.2ドル、0.28%安で7日ぶりの反落。過熱感緩和も調整幅も控えめ、下値は前日安値を下回らず、上値は前日高値を上回って19日高値付近となる1890ドルまで上昇。ほぼ1870ドル台での小幅保ち合い推移の展開となったなか、NY朝に米10年債利回りが小幅に低下したタイミングで10ドル程の小幅急騰も、米5月総合PMIが過去最高となる68.1となったことを受けて流れが反転、10ドル程の小幅急反落となってNY午後には1870ドルの安値まで20ドル下げて反発。NY引けにかけては1880ドル台を回復する底堅さも。3日間で1890ドル台の高値を2度つけるダブルトップを形成し、この日は上ヒゲ十字線となって調整拡大への警戒感も高まる半面、実質1880ドル台での高止まり状態。引き続き200日移動平均線(1850.9)から1840ドル近辺までを目安に調整待ち、あるいは日柄調整も。
週間ベースでは+38.6ドル、2.1%高で3週続伸。3週続伸は今年初、昨年12月以来5ヵ月ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2021/4/19 - 5/21NYプラチナは-35.6ドル、2.95%の大幅反落で4月13日(1157.1)以来、1ヵ月ぶりの安値。時間外は1200ドルを維持しての小幅保ち合い推移から、ロンドン時間には1200ドルをはさんでの保ち合いへ、NY市場では米PMIの好結果を受けてのドル高金安の流れに追随、90日移動平均線(1192.2)を下回ると1180ドル割れへと急落、NY午後には一時1170ドル割れ。2日前に1200ドル台の節目を割り込んでから下げ渋る状態が続いていたものの、ようやく吹っ切れた感も。下値目安となる4月安値1150ドル台までもう少しの下げ余地。
金との価格差は707.3ドルまで急拡大、700ドルを超えるのは2月3日(720.6)以来3ヵ月半ぶり。
週間では-53.4ドル、4.37%の続落。

ドル円・日足チャート 2021/4/19 - 5/21ドル円は17銭のドル高円安、0.15%の反発。東京朝の反発局面では109円回復に失敗、20日移動平均線(108.99)にも上値を押さえられて戻り売りの展開に。ユーロ圏PMIが好結果となった欧州時間にはユーロ高ドル安の流れも強まって108円60銭近辺まで下落。しかし19日安値108円50銭台手前で下げ渋るとNY時間には米国のPMIの好結果もあり、ドル高の流れとなって108円90銭台へと反発。5月安値108円30銭近辺を目安とする下値トライの流れはいったん巻き戻された形も、20日移動平均線と109円ラインに抵抗感も。108円70銭が目先のサポートとならなければあらためて108円30銭近辺までの下値トライへ、109円20銭超えなら110円トライへ。
週間では-42銭、0.38%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/21終値とチャート

2021年5月22日(土)時点の相場
国内金7,144 円 5/21(金) ▲3(0.04%)
国内プラチナ4,565 円 5/21(金) ▲7(0.15%)
NY金1,876.7 ドル 5/21(金) ▼5.2(0.28%)
NYプラチナ1,169.4 ドル 5/21(金) ▼35.6(2.95%)
ドル円108.95 円 5/21(金) ▲0.17(0.15%)

5/21(金)のその他主要マーケット指標

国内金価格は週足でも三役好転、プラチナは三役好転崩れ 5/24(月)

サービス業急回復で5月ユーロ圏PMI速報は3年3ヵ月ぶり高水準 5/22(土)

新規失業保険申請件数は減少ペース加速、年内のコロナ前回復も 5/21(金)

ようやく低下し始めた?賃金上昇率、目先はノイズ剥落待ちも 5/20(木)

実質金利下げ渋りでNY金も上げ渋り 5/19(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ