金プラチナ短期相場観
失業保険100%回復へ新規申請は年内にも、継続需給は再来年?
更新日:2021年7月9日(金)
7月3日までの週の週間新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、前の週からも小幅に増加して回復ペース鈍化の兆しも若干漂いますが、トレンドを示す4週移動平均ではコロナ後最少を更新する39.45万件となり、順調に減少していることを示します。
その一方で、6月26日までの週の失業保険継続受給者数は前の週から14.5万人減少し、コロナ後最少を更新。トレンドを示す4週移動平均でも344.1万人となり、5週連続の減少でコロナ後最少を更新。こちらも順調に減少傾向が続く状況にはありますが、その減少ペースにはやや開きがあるようです。
直近の新規失業保険申請件数の4週移動平均=39.45万件、コロナ前の水準=21万件、その差=39万-21万=18万件、
4週移動平均の前週比10週平均=-2.3万件、
今後、2万件/週ペースで減少し続けた場合、18万件/2万件=9週=2ヵ月。
早ければ今年9月にも、新規失業保険申請件数はコロナ前の水準まで回復する可能性がありそうです。
直近の失業保険継続受給者数の4週移動平均=344.1万人、コロナ前の水準=170万人、その差=344.1万-170万=174.1万人、
4週移動平均の前週比10週平均=-2.4万人、
今後、2万人/週ペースで減少し続けた場合、174万人/2万人=87週=21ヵ月=1年9ヵ月。
このペースが続いた場合、失業保険継続受給者数がコロナ前の水準まで回復するのは、2023年3月頃になりそうです。
8日のNY金相場は-1.9ドル、0.11%の小幅安で6日ぶりの反落。時間外には1800ドルの大台を維持し切れず、東京午後の時間帯に1790ドル台半ばまで小幅下押し。ロンドン時間には米10年債利回りが1.3%を割れ、株安とドル安ユーロ高の流れとなったことを受けて急反発、前日高値1810ドルを超えるとNY朝には一時1819.5ドルまで上昇。変異株による感染再拡大懸念によるリスク回避の流れと共に、ECBの戦略点検で従来の「中期インフレ目標2%以下」から「対照的な2%」に変更したことを好感したユーロ買いに伴うドル売りにもサポートされた様子。結果的には1790ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1820ドル近辺までしっかり上昇したことで上値トライ一服。利益確定売りにも押され、米10年債利回りの下げ止まりとユーロ高ドル安の流れ一服、株価も下げ幅縮小となった流れを受けてNY市場ではこの日の安値1790ドル台前半まで急反落。ただし大台割れでは買い戻し圧力も強く、NY引けにかけて1800ドル台を回復。目先は上値トライ一服で1800ドルの大台をサポートとして維持できるかどうか。
NYプラチナは-7.4ドル、0.68%安で3日続落。時間外序盤の1080ドル台後半がこの日の高値となり、上方向への節目1090ドルに届かず軟調推移となって保ち合い下限1070ドル近辺まで下落。ロンドン市場では金に追随する形で戻りを試すも1080ドルを超えられず、NY市場では1070ドルから1060ドル台での揉み合いとなって安値では一時1060ドル付近まで下落も、NY午後にはなんとか1070ドル台を回復。時間単位の流れは金に追随しながらも、値幅が異なり日足レベルでは上値も下値も切り下げる形となって金とは逆行。1070-1090ドルのレンジ内推移で200日移動平均線(1087.3)にもしっかり上値を押さえられる状態に。保ち合い下放れとなれば6月安値圏1040ドル再トライへ。
ドル円は86銭程のドル安円高、0.76%の下落で6月11日(109.66)以来、4週間ぶりの安値。下げ幅は今年最大となり、昨年11月5日(-1.01円、0.97%)以来、8ヵ月ぶりの急落。東京午前から株安と米10年債利回りの低下基調にも連れて軟調推移も下値サポート110円40銭を維持して下げ渋る展開、しかし午後には耐え切れず節目を割れると一段安、欧州時間にはユーロ高ドル安の流れも強まり、110円を割れると109円70銭台まで急落。戻り局面では110円が重く、NY朝には失業保険申請件数が予想よりも低調となったことも重石となり、一時109円50銭台まで下落。NY終盤から今朝の東京市場にかけても109円80銭台では上値が重い状態。目先は110円40銭の節目割れに伴う短期下値目安、5月後半安値圏108円70銭近辺を目指す流れ継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/8終値とチャート
9日の国内金価格は-46円、0.66%の反落。6940円の節目上抜けに伴う短期上値目標7000円前後にしっかり到達したことによる一服感からの反落で、右肩下がりの21日移動平均線(6984)超えを維持できずに再び下抜け。このまま21日線が抵抗線と化すようだと好転したばかりの流れにも巻戻し警戒感も。ゆるやかに上昇する9日移動平均線(6940)を含めた3本のラインの位置関係が目先のトレンドを示すことに。21日線を超えて7010円超へと上抜けるようなら一段高の展開となって7050円前後までが短期上値目標に。
週間ベースでは+7円、0.1%の小幅高となって3週続伸。
プラチナ価格は-51円、1.21%安で3日続落。7月1日(4154)以来、1週間ぶりの安値。5月18日(4744)を起点とする右肩下がりの抵抗線と21日移動平均線(4256)のダブルレジスタンスに9日移動平均線(4220)も加わる厚めの抵抗帯に上値を押さえられ、反発基調腰折れ感も増す状況に。4150円の節目を割れると短期下値目安は4080円前後まで。ダブルトップ完成に伴う下値目標としては、6月安値4030円台を割れて4010円近辺も。
週間ベースでは-91円、2.14%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格7/9とチャート
- 2021年7月9日(金)時点の相場
-
国内金 : 6,961 円 7/9(金) ▼46(0.66%) 国内プラチナ : 4,165 円 7/9(金) ▼51(1.21%) NY金 : 1,800.2 ドル 7/8(木) ▼1.9(0.11%) NYプラチナ : 1,074.5 ドル 7/8(木) ▼7.4(0.68%) ドル円 : 109.76 円 7/8(木) ▼0.86(0.78%)
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