金プラチナ短期相場観

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ミシガン大インフレ期待急騰で7月消費者信頼感は低調

更新日:2021年7月17日(土)

ミシガン大消費者信頼感指数 2021年7月速報ミシガン大発表の消費者信頼感指数は7月速報値で80.8。市場予想の86.5を大幅に下回り、6月の85.5からも急低下。コロナ後の回復基調では今年4月に88.3となって2020年3月(89.1)以来13ヵ月ぶりの高水準。これがピークとなって足下では低下傾向、回復基調は減速状態に陥っています。
現況指数は84.5。6月の88.6から急低下、13ヵ月ぶり高水準となった4月(97.2)をピークに3ヵ月連続の低下、昨年8月(82.9)以来11ヵ月ぶりの低水準へと落ち込んでいます。
期待指数も78.4。6月の83.5からは急低下で2月(70.7)以来5ヵ月ぶりの低水準。

消費センチメントの回復基調鈍化、足下の停滞状態の要因となったのが、インフレ懸念。
ミシガン大が発表した1年期待インフレ率は7月速報値で4.8%。6月の4.2%から急騰し、2008年8月(4.8)以来、12年11ヵ月ぶりの高水準となっています。
5年期待インフレ率は2.9%。6月の2.8%からは小幅上昇も、7年8ヵ月ぶり高水準となった5月の3.0%は下回る水準。

FRBが主張する「インフレ高騰は一時的」との見方を素直に受け止めて、しかし既にインフレ高騰状態の現状から、1年後はさらに極端なインフレ高騰を予想する状況に。
そして、既に進行しているインフレ高騰状態が低所得層と中間所得層の生活を圧迫し、高所得層においての高額支出にも迷いを生じさせる要因となっている、というのがミシガン大の見方。

パウエルFRB議長が唱える「インフレ高騰一時的説」の真偽の行方と金融政策に及ぼす影響への警戒感とは別に、既に進行するインフレ高騰に伴う消費センチメントの停滞と生活の圧迫、そして景気減速への警戒感という問題が新たにクローズアップされ始めています。

NY金・日足チャート 2021/6/11 - 7/1616日のNY金相場は-14.0ドル、0.77%安となって4日ぶりの反落。前日NY午後からの反発基調はこの日の時間外序盤に1832ドルの高値をつけて失速、結果的に1830ドル台を維持し切れず、200日移動平均線(1828.8)との攻防にも敗れる形となってロンドン市場にかけて1820ドル割れへと反落。NY午前には1820ドル台半ばまで反発する場面もあったものの、午後にかけては1810ドル近辺へと一段安。NY引け後には一時1810ドル割れを試す場面も。結果的に1830ドル近辺の短期上値目標到達後の週末で材料不足とあって行き過ぎを試す余力はなく、利益確定売りとポジション調整に押される格好に。目先は1800ドルから1830ドルまでを主要レンジに保ち合いの様相に、上抜けできれば短期上値目標は1850ドル近辺へ、下抜けの場合には1780ドルまでの調整へ。
週間ベースでは+4.4ドル、0.24%の小幅高で4週続伸。4週続伸は5月に続いて今年2度め。

NYプラチナ・日足チャート 2021/6/11 - 7/16NYプラチナは-29.2ドル、2.57%安で3日ぶりの反落。7月9日(1095.7)以来、1週間ぶりの安値。短期上値目標到達後の金の調整に追随、やはり短期上値目標1140ドル台到達後の週末にさらに上値を試す余力はなく、時間外序盤に1141ドルの高値をつけて軟調推移の展開へ。ロンドン時間には1130ドル近辺までで揉み合い、NY朝には新たなサポート候補1120ドル台で下げ渋るも、これを割れると急落。1110ドルのサポートも割り込んでNY引け後には一時1100ドル割れ。ゆるやかな上昇軌道を維持する200日移動平均線(1095.0)にいったん下値をサポートされた格好にはなってはいるものの、1110ドルの節目を割り込んだことでもう一段の下値を試す可能性、短期下値目安は1080ドル台まで。
週間ベースでは+12.8ドル、1.17%の続伸。

ドル円・日足チャート 2021/6/14 - 7/16ドル円は24銭のドル高円安、0.22%高となって3日ぶりの反発。東京朝に前日安値圏、短期保ち合い下限109円70銭での下値の堅さを確認すると米10年債利回りの上昇基調にも連れて反発へ。110円近辺ではいったん上げ渋る展開も欧州時間に110円20銭台へと水準を切り上げるとNY朝には米6月小売売上高が前月比-0.4%予想に対して+0.6%と想定以上の好結果となったことを受けて110円30銭台まで一段高。しかし米10年債利回りの反落と7月ミシガン大消費者信頼感指数が低調となったことを受けて110円付近まで反落。下げ三法からの一方的な軟調な流れを回避し、109円70銭から110円70銭までのレンジで保ち合い形成。あらためて下限を割り込むようなら5月後半安値圏108円80銭近辺までが短期下値目安。上限超えなら今年高値更新へ、111円80銭台辺りまでが短期上値目標に。
週間ベースでは-7銭、0.06%の小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/16終値とチャート

2021年7月17日(土)時点の相場
国内金7,048 円 7/16(金) ▲9(0.13%)
国内プラチナ4,385 円 7/16(金) ▲25(0.57%)
NY金1,815.0 ドル 7/16(金) ▼14.0(0.77%)
NYプラチナ1,108.5 ドル 7/16(金) ▼29.2(2.57%)
ドル円110.07 円 7/16(金) ▲0.24(0.22%)

7/16(金)のその他主要マーケット指標

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