金プラチナ短期相場観

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失業保険申請件数は予想外の増加、それでも秋にはコロナ前回復か

更新日:2021年7月23日(金)

米・新規失業保険申請件数と継続受給者数 2021年7月17日までの週7月17日までの週の新規失業保険申請件数は想定外に増加、5月以来9週ぶりの高水準となったことを受けて一時ドル安の流れも進行、1800ドルを割り込んでいたNY金も大台回復へと息を吹き返すきっかけとなりました。
それでも2020年4月4日までの週には614.9万件まで急増した新規失業保険申請件数が、今や40万件余り。1年3ヵ月でおよそ15分の1程度まで急減。急回復は続き、コロナ前の4週移動平均21万件程度も射程圏内に。

最新週の4週移動平均は38.5万件。コロナ前との差は、38万-21万=17万件程。
4週移動平均の前週比を10週移動平均で見ると、最新週では減少ペースがやや鈍化して-1.5万件。
今後、このペースが維持できたなら、17万/1.5万=11.3週=3ヵ月。
早ければ、新規失業保険申請件数は今年10月にも、秋にもコロナ前の水準を回復する可能性があります。

一時減少ペースが鈍化していた失業保険継続受給者数は、7月10日までの週の4週移動平均で333.8万人。コロナ前の水準170万人との差は163.8万人。
4週移動平均の前週比を10週移動平均で見ると、最新週では若干ペースアップして-3.1万人。
今後、3万人ペースで減少し続けた場合、163.8万/3万=54.6週=13ヵ月。
順調に減少傾向が続けば、失業保険継続受給者数は来年、2022年8月にもコロナ前の水準を回復する可能性があります。

この日IMF(国際通貨基金)は米経済に関する年次審査報告書を発表し、FRBが2022年後半にもゼロ金利政策を解除して利上げを開始する必要があるとの見方を示しました。
大規模経済対策などの効果もあり、景気急回復でインフレ加速が今後も進行するとの見方で、テーパリングについては2022年前半にも開始すべき、としています。

FRBの見立てでは「雇用市場は完全回復には程遠い」としていますが、失業保険ベースではIMFの利上げ見通しにも間に合う可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2021/6/17 - 7/2222日のNY金相場は+2.0ドル、0.11%の小反発。この日も1800ドルの大台を割り込みながらも最終的には大台ラインを維持する打たれ強さと底堅さを顕示。前日NY午後の1800ドル台を維持しての推移は時間外から戻り売り。1800ドルをはさんでの揉み合いからロンドン市場では一段切り下げる形となって安値では一時1791.9ドル、7月12日(1791.0)以来10日ぶり安値をつけての反発もしばらくは大台回復できず。大台ラインがレジスタンスに切り替わる可能性も警戒された矢先、NY朝には米失業保険申請件数が予想外に増加したことを受けて1.3%近辺まで回復していた米10年債利回りが1.2%台半ばへと再低下、ドル安の流れにもサポートされて1800ドル台へと急反発。NY午後には1800ドル台後半で小康状態となって帳尻合わせ。結果、20日移動平均線(1797.6)と90日移動平均線(1801.9)にもサポートされる構図となり、連日の下ヒゲで足場固めの様相にも。FOMCまでは大崩れの可能性は低そうながら、1800ドルの大台を維持できなくなれば、いつでも1780ドル前後を目安に水準を切り下げる展開へ。上方向には上値切り下げに伴う圧力が徐々に強まり、一段高が意識される1830ドルの節目手前、1820ドル付近にも抵抗感。

NYプラチナ・日足チャート 2021/6/17 - 7/22NYプラチナは+15.3ドル、1.42%の続伸。前日NY午後の1080ドルを上限とした団子天井の様相から、この日の時間外は振幅幅を拡大する形で1080ドルをはさんでの保ち合い状態に。ロンドン市場とNY朝には1070ドル台前半の安値を2度つけ、その間の高値1080ドル台前半とで小さなダブルボトムを形成してNY市場では金の反発局面に追随。ダブルボトムの値幅10ドル余り水準を切り上げる形となってNY午後には1090ドル台前半へ。20日移動平均線(1092.8)が抵抗線とならなければ200日移動平均線(1098.5)との攻防へ。

ドル円・日足チャート 2021/6/18 - 7/22ドル円は12銭のドル安円高、0.11%の小幅安で3日ぶりの反落。この日の変動値幅は上下34銭程にとどまり、6月29日(33銭)以来3週間ぶりの小動き。欧州時間につけた高値は110円30銭台で前日高値にわずかに届かず、ゆるやかに下降する20日移動平均線(110.41)にも上値を押さえられる形に。NY朝の失業保険申請件数増加を受けて米長期金利低下とともにドル安の流れとなってつけた安値は110円ちょうど付近まで。安値でも110円を割れなかったのは13日以来10日ぶりで足下では3日連続で下値切り上げ中。7月初旬から上値を切り下げてきた流れを打破する為には20日線上抜けが必須。さらに重要な節目110円70銭を超えるとドル高円安トレンド再開へ、今年高値更新が短期目標に。逆に上値切り下げが続いて109円40銭の節目を割れるとドル安円高へ、下値目安は4月安値圏108円前後まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/22終値とチャート

2021年7月23日(金)時点の相場
国内金6,985 円 7/21(水) ▲4(0.06%)
国内プラチナ4,123 円 7/21(水) ▼23(0.55%)
NY金1,805.4 ドル 7/22(木) ▲2.0(0.11%)
NYプラチナ1,090.6 ドル 7/22(木) ▲15.3(1.42%)
ドル円110.17 円 7/22(木) ▼0.12(0.11%)

7/22(木)のその他主要マーケット指標

ドイツは過去最高、7月ユーロ圏総合PMIも21年ぶり高水準 7/24(土)

失業保険申請件数は予想外の増加、それでも秋にはコロナ前回復か 7/23(金)

NY連銀サービス業PMI、ビジネスリーダー調査は7月に失速 7/22(木)

住宅建設許可件数も年初にピークアウト、6月は8ヵ月ぶり低水準 7/21(水)

米・週次経済指数WEIは13週移動平均でもピークアウトの兆し 7/20(火)


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