金プラチナ短期相場観
NY連銀サービス業PMI、ビジネスリーダー調査は7月に失速
更新日:2021年7月22日(木)
NY連銀が発表した7月のビジネスリーダー調査は41.7。2ヵ月連続の過去最高となった6月の43.2からは低下。
この調査はNY連銀管轄地区内全体のサービス業のビジネスリーダーを対象としたアンケート調査で、NY連銀製造業景況指数と同様の設計で、対象地域は若干広域となっているようです。
言わば、NY連銀サービス業PMIとも言える指標でもあり、ISM非製造業景況指数の先行指標ともなりうる指標。
総合指数となる事業活動指数が今年春に過去最高水準へと急騰し、7月には失速状態を示す結果となり、今後の見通しを示す期待指数も7月は59.9となって6月の66.0から低下。
期待指数は今年4月に62.3となって6年ぶりに過去最高を更新し、5月に67.8へと一段と上昇してピークアウト。6-7月は2ヵ月連続の低下となり、失速状態はより鮮明となっています。
その他構成指数では、景気指数が1年半ぶり高水準となり、雇用指数は6年ぶり高水準となった6月から低下。賃金指数は1年4ヵ月ぶり高水準へと上昇。
支払価格は2008年8月以来12年10ヵ月ぶり高水準となった6月から7月は小幅に低下、販売価格は12年11ヵ月ぶり高水準へと急騰。設備投資は1年5ヵ月ぶり高水準。
景気指数の見通しとしては4月に過去最高となって以降は3ヵ月連続の低下。雇用見通しは5月に過去最高となってその後は低下。賃金見通しは9年4ヵ月ぶり高水準。
支払価格見通しはほぼ23年ぶり高水準となった6月から低下、販売価格見通しは10年4ヵ月ぶり高水準となった6月から低下。設備投資見通しも2年7ヵ月ぶり高水準となった6月から低下。
いずれも好調を持続する高水準を維持しながらも、減速の兆候を示す指数が散見され始めています。
NY連銀製造業景況指数が7月に過去最高を更新して急騰したのに対し、サービス業では失速感も漂う状態となっています。
ISM非製造業景況指数は5月に過去最高を更新した後、6月には3.9ポイント低下して4ヵ月ぶり低水準へと急失速していました。
今年前半にかけて急回復が続いた米国のサービス業もこの夏、やや変調の兆しが見られ始めています。
21日のNY金相場は-8.0ドル、0.44%の反落で7月8日(1800.2)以来、2週間ぶりの安値。1810ドルをはさんでの揉み合い推移でロンドン序盤には1810ドル台半ばまで上昇して戻り売りの展開へ。1.2%付近から1.2%台後半へと米10年債利回りが上昇した流れに連れ、NY朝にかけて1800ドルの大台割れ。一時1794ドルまでの安値をつけての反発も限定的となり、NY引けにかけては1800ドル台前半での小動き。結果的にゆるやかに上昇する90日移動平均線(1801.1)にサポートされたものの、15日高値1835ドルを起点に上値を切り下げる形となり、上値再トライに向けては失速状態を示す状態。2日前の安値1795ドルとで小さなダブルボトムを形成し、直近2週間では何度も1800ドルを割れて1790ドル台で反発してきた打たれ強いサポート水準を完全に割り込むことになれば、その前の保ち合い水準1780ドル前後を下値目安に一段安の展開は余儀なくされそう。確率的には低下傾向も1830ドルの節目超えへと反発できたなら短期上値目標は1860ドル近辺まで。
NYプラチナは+10.1ドル、0.95%高となって4日ぶりの反発。直近の短期下値目安1080ドル台を突き抜け、前日安値1050ドル台前半まで下げ過ぎてようやく自律反発の展開に。時間外は1060ドル台での小幅保ち合い推移から、ロンドン時間には1070ドルをはさんでの保ち合いへとわずかに水準を切り上げ、NY午後には1070ドル台後半から1080ドルを試す展開へ。しかし1080ドル台を何度も試しながらもつけた団子天井の高値は1081.1ドル。前日高値も超えられず、1080ドル台が抵抗水準に切り替わった状態を念押し確認するような展開に。地合い回復に向けて1080ドル台突破は必須となり、その上には20日移動平均線(1092.6)、200日移動平均線(1097.5)などとの攻防も。下方向には1060ドルのサポートを割れると6月安値圏1040ドル近辺までを下値目安にダブルボトム形成へ。
ドル円は44銭のドル高円安、0.4%の続伸で7月13日(110.63)以来、1週間ぶりの高値。東京時間は前日終値から高値圏109円90銭近辺での小康状態、東京市場終了とともに109円80銭の小幅押し目を形成し、欧州時間から反発基調再開。早々に110円ラインを超えるとその後は110円ラインをサポートに、NY朝にかけては米10年債利回りが1.2%台後半へと上昇基調を強めた流れにもサポートされ、110円30銭台へと上昇。109円40銭から110円70銭までの保ち合いレンジ上限方向へとジワリ接近中。月末に向けての米指標や次週FOMCでタカ派ムード再燃となるようなら節目上抜けトライの展開にも。上抜けなら今年高値更新トライへ、111円80銭台までが短期上値目標。逆の展開で109円40銭の下限割れへと反落の場合には4月安値圏108円前後までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/21終値とチャート
- 2021年7月22日(木)時点の相場
-
国内金 : 6,985 円 7/21(水) ▲4(0.06%) 国内プラチナ : 4,123 円 7/21(水) ▼23(0.55%) NY金 : 1,803.4 ドル 7/21(水) ▼8.0(0.44%) NYプラチナ : 1,075.3 ドル 7/21(水) ▲10.1(0.95%) ドル円 : 110.29 円 7/21(水) ▲0.44(0.40%)
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