金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

7月FOMCではテーパリング年内スタートがメイン、でもドル売り

更新日:2021年8月19日(木)

7月末開催のFOMC議事要旨が公表され、注目されたテーパリング開始時期に関する見方でメインとなる見解としては「年内スタート」。
「向こう数カ月」で資産購入ペースの縮小開始が正当化される、とする意見や「来年の早い時期」にも適切となる可能性なども示されたなかで多数決なら「年内スタート」という状況か。
タカ派的な見方が増えつつあった昨今の関係者発言の動向からすると、それほどタカ派的でもない、との解釈からか、事前に急上昇していた米10年債利回りは公表後には急低下、ゆるかに進行していたドル高基調も一時急低下。相応の結果として、事実確認後の巻き戻しという展開となった可能性もありそうです。

ただし、今朝の東京市場では再びドル買い再燃となり、下げ渋っていたNY金もやや軟調気味の展開にも。
いずれにしても、今後の見通しとしては9月初旬と10月初旬、あと2回の雇用統計で9月分までを確認後、労働市場の回復が相応の水準に達したと判断できれば11月初旬のFOMCでテーパリング開始を決定し、12月スタート。この程度の段取りが、想定可能なメイン・シナリオに、ということにも。

とりあえず次週、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演では、今後の予定に関する見通しなど、何らかの発言も聞かれる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2021/7/15 - 8/1818日のNY金相場は-3.4ドル、0.19%の小幅続落。ゆるやかに下降する20日移動平均線(1789.3)と1790ドルとの攻防を時間外序盤に上抜けて上値再トライへ、しかしロンドン朝につけた高値は1795.7ドル。前日高値も超えられず、1800ドルの大台手前での上値の重さを再確認。NY市場ではFOMC議事要旨への警戒感とドル高基調に押されて一時1780ドル割れへと軟調推移、ただし1780ドル付近ではサポートされる形にもなり、NY引け後のFOMC議事要旨発表後には米10年債利回りの小幅急低下とドル安の流れを受けて一時1790ドル台へと急反発。一定の反発局面形成後に2日連続で十字線に近い足型を形成して20日線を超えられず、上値も下値もわずかに切り下げながらも下押し圧力は緩和。引き続き反落警戒感も抱えながら1780ドル付近から1800ドルまでの小幅レンジで売り買い交錯状態か。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/15 - 8/18NYプラチナは+2.6ドル、0.26%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外序盤に1000ドルの大台を回復し、ロンドン朝には1010ドル付近まで上昇して頭打ち、NY市場にかけては金に連れての軟調推移となって大台を維持できず、NY午前のうちに一時990ドル割れ、前日安値をわずかに下回る985ドルまで下げて反発。NY午後には990ドル台後半まで戻しながら1000ドルが上限に、FOMC議事要旨発表後に金の急反発に追随した場面では一時的に大台超えも維持はできず。目先は980ドル台がサポート候補となり、1010ドルが抵抗水準にも、1000ドルの大台をはさんでの保ち合いの様相に。

ドル円・日足チャート 2021/7/15 - 8/18ドル円は20銭弱のドル高円安、0.16%の続伸。109円台半ばでの小幅揉み合い推移を欧州時間に抜け出すと、ゆるやかに堅調推移。米10年債利回りが1.3%付近まで急上昇した流れにも連れてNY午後には110円台を回復。しかし、FOMC議事要旨発表後には米10年債利回り急低下にも連れ、109円80銭近辺まで急反落。今朝の東京市場ではユーロドルなどでのドル高基調継続にも連れ、110円をうかがう反発基調。109円20銭から110円60銭までの保ち合いレンジを形成しているなかで、目先は110円ちょうどを挟んでの攻防の様相にも。今や最ハト派状態となったパウエルFRB議長から、次週ジャクソンホール講演で多少でもタカ派寄りの発言が聞かれるようだとドル高サポートに。110円台後半へと抜け出すようだとそれなりの上昇トレンド形成へ、昨年コロナ前の高値も超えて112円台後半辺りまでが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/18終値とチャート

19日の国内金価格は+19円、0.28%高で4日続伸。8月6日(6957)以来、2週間ぶり高値圏での反発基調は続くも、ようやく6900円を回復し、下落軌道の21日移動平均線(6915)まではあと少し。6月高値(7335)からの抵抗線との攻防も続き、斜行三角保ち合い上抜けに向けた流れもゆっくりと進行中。これを超えるとゆるやかに上昇する90日移動平均線(6968)から6980円までの重要な節目水準が次の上値目標に。

プラチナ価格はわずかに+1円、0.03%の小幅高で5日ぶりの反発。ほぼ横ばい推移となり、下落基調の9日移動平均線(3892)の下での軟調推移。9日線の上には21日線(4004)も、遥か上方の90日移動平均線(4358)も軟調推移となる弱気パーフェクトオーダーを形成しての軟調局面から抜け出せそうで抜け出せない状態。地合い回復に向けてはNYプラチナの大台回復がかかせない状況にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/19とチャート

2021年8月19日(木)時点の相場
国内金6,900 円 8/19(木) ▲19(0.28%)
国内プラチナ3,850 円 8/19(木) ▲1(0.03%)
NY金1,784.4 ドル 8/18(水) ▼3.4(0.19%)
NYプラチナ996.4 ドル 8/18(水) ▲2.6(0.26%)
ドル円109.76 円 8/18(水) ▲0.18(0.16%)

8/18(水)のその他主要マーケット指標

失業保険、新規申請件数も継続受給者数もコロナ後最少 8/20(金)

7月FOMCではテーパリング年内スタートがメイン、でもドル売り 8/19(木)

米7月小売売上高も低調もドル売りは限定的に 8/18(水)

NY連銀製造業景況指数も8月は急落、コロナ以来の落ち込み 8/17(火)

三役逆転からの反発継続と斜行三角保ち合い上抜けの攻防 8/16(月)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ