金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏総合PMIは8月も好調、第3四半期平均は21年ぶり高水準

更新日:2021年8月24日(火)

ユーロ圏総合PMI・製造業PMI・サービス業PMI 2021年8月ユーロ圏総合PMIの8月速報値は59.5となり、15年ぶり高水準となった7月の60.2からは小幅に低下。それでも6月(59.5)と並び、近年最高水準での高止まり状態を維持する格好となり、現時点での第3四半期平均では21年ぶり高水準。
デルタ株による感染再拡大やコスト高、供給遅延問題なども懸念されるものの、現時点では規制緩和に伴う恩恵のほうが大きく、減速感は限定的にとどまったようです。

ただし、製造業PMIは61.5となって7月の62.8からは低下幅も拡大、過去最高水準からの急減速となって2月(57.9)以来、半年ぶりの低水準。これに対してサービス業PMIは59.7。15年ぶり高水準となった7月(59.8)からはわずかな低下にとどまります。
国別ではドイツが総合PMIでは7月の過去最高となった62.4から60.6へと低下も近年では2番めの高水準を維持。フランスは7月の56.6から55.9へと低下、3年5ヵ月ぶり高水準となった6月の57.4からは続落。

なお、ドイツ連邦銀行はこの日公表した月報で、「今年の国内経済成長率は予測を下回る可能性があり、感染再拡大が秋の景気を予想外に圧迫する可能性」に警戒感を示しています。
PMI改定値では速報値から下方改定されるケースも多いことからも、ユーロ圏総合PMIのピークアウト警戒感も今後強まることも予想されます。
この日、欧州委員会が発表したユーロ圏の8月消費者信頼感指数も-5.3となり、3年5ヵ月ぶり高水準となった6月からは続落で4ヵ月ぶりの低水準。既にピークアウト感が漂い始めます。
また、米国の総合PMIは7月の59.9から8月速報値では55.4へと一足先に急低下。
ユーロ圏のPMIもこの秋以降の急減速が警戒されそうです。

NY金・日足チャート 2021/7/20 - 8/2323日のNY金相場は+22.3ドル、1.25%の大幅続伸で8月5日(1808.9)以来、半月ぶりの高値。週明け時間外序盤には一時1780ドル割れへと小幅に押し目形成後、ドル安の流れに乗じて反発すると1780ドル台後半へ、保ち合い上限1790ドルとの攻防をロンドン時間に抜け出すとNY朝には米10年債利回り低下とドル一段安の流れにも連れて1800ドル台へと一段高。高値では1810ドル手前まで上昇し、NY午後には下値も1800ドル台後半へと切り上げて小幅揉み合い推移。1790ドルの節目突破に伴う短期上値目標1810ドル台にはわずかに届かなかったものの、ジャクソンホール前に上値トライをほぼ済ませてしまったような格好にも。目先は多少の上昇余地も残しながら、90日移動平均線(1815.5)と200日移動平均線(1814.1)が抵抗水準となりやすく、下方向には1780ドルが当面のサポートに。これを割り込むような展開となった場合には1750ドル近辺までの一段安も。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/20 - 8/23NYプラチナは+19.9ドル、2.0%の大幅続伸で8月16日(1021.1)以来、1週間ぶりの高値。金に連れての堅調推移、時間外序盤には一時990ドル割れへと浅めの押し目形成後の急騰では、心理的節目として抵抗水準にもなりかねなかった1000ドルの大台をあっさり上抜けるとロンドン時間には1010ドル超え。高値では一時1018ドルまで上昇し、NY午後には1010ドル台半ばでの小幅揉み合いとなっての小康状態。右肩下がりの20日移動平均線(1016.7)にも上値を押さえられた形となり、ここからダブルボトムのネックラインともなる1030ドルの節目まではやや強めの抵抗水準となる可能性も。これを上抜けることができればさらなる一段高への可能性も高まり、短期上値目標は1050ドル台、ダブルボトム完成からの上昇余地としては1080ドル程度までが意識される可能性も。

ドル円・日足チャート 2021/7/20 - 8/23ドル円は11銭のドル安円高、0.1%安となって5日ぶりの反落。東京・欧州時間にかけては米10年債利回り上昇と株高の流れに連れて円安の流れが優勢となり、欧州時間に110円を超えるとNY朝には一時110円10銭台まで上昇。しかしこれがこの日の高値となって失速すると、米10年債利回りの低下基調にも連れて110円割れへと急反落。NY終盤にかけてはジリ安の展開となって109円60銭台まで下落。110円超えでの上値の重さを象徴するように上ヒゲを残す日々が続き、ほぼ水平状態の90日移動平均線(109.70)との攻防状態にも。90日以下の移動平均線もこの近辺に収束し、ジャクソンホールの今週末から雇用統計までの1週間は110円10銭台で一目均衡表の雲も薄くなってねじれも発生。ボラティリティ拡大からトレンド形成へと動き出す絶好のタイミングにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/23終値とチャート

24日の国内金価格は+94円、1.37%の大幅高で3日ぶりの反発。8月6日(6957)以来、半月ぶりの高値。上昇に転じた9日移動平均線(6865)に押し上げられる形となって下げ止まりつつある21日移動平均線(6902)上抜けと同時に節目の6900円も突破。これに伴う短期上値目標6960円台にもあとわずかのところまで急騰。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(6974)にも急接近。ややフライング気味の急騰局面形成となって一服感も漂うものの、斜行三角保ち合い上抜けとなり、中期的な地合いも好転方向へ。

プラチナ価格は+86円、2.24%の大幅続伸で8月17日(3934)以来、1週間ぶりの高値。下値警戒感は大幅に緩和され、反発基調継続に向けた流れに勢いも。ただし、下げすぎた起点からの回復基調の道のりは長く、重要な節目水準3960円台までもう少しのところで息切れ感も。これを上抜けることができれば斜行三角保ち合い上抜けの勢いも増し、4020円台辺りまでを短期上値目標に一段高の展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/24とチャート

2021年8月24日(火)時点の相場
国内金6,957 円 8/24(火) ▲94(1.37%)
国内プラチナ3,921 円 8/24(火) ▲86(2.24%)
NY金1,806.3 ドル 8/23(月) ▲22.3(1.25%)
NYプラチナ1,014.1 ドル 8/23(月) ▲19.9(2.00%)
ドル円109.68 円 8/23(月) ▼0.11(0.10%)

8/23(月)のその他主要マーケット指標

リッチモンド連銀も急低下、主要地区連銀8月製造業景況指数 8/25(水)

ユーロ圏総合PMIは8月も好調、第3四半期平均は21年ぶり高水準 8/24(火)

斜行三角保ち合い上抜け後に失速の金、再トライのプラチナ 8/23(月)

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