金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

この夏二度の急落、NY金は二度めの半値戻しとの攻防

更新日:2021年8月21日(土)

NY金・日足一目均衡表 2021年8月20日NY金は今年の夏、6月1日には年初以来5ヵ月ぶりとなる高値1919.2ドルをつけてピークアウト。夏の終りを迎える8月後半、ここまでの3ヵ月弱は上値を切り下げる軟調な展開が続きます。
この間、この夏には二度の急落局面を迎えることとなったNY金。一度目は6月半ば、FOMCでタカ派見通しが示されたことに反応し、1800ドル台後半から1800ドル割れへと急落。この流れで6月末には1750.1ドルの安値をつけていったん反発。7月半ばには1830ドル台まで反発して頭打ち、8月初旬までは何度も上値を試しながらも上値を押さえられて保ち合いを形成。
結果的に6月1日高値(1919.2)から6月末安値(1750.1)までの半値戻し(1834.7)がほぼ上限となって次の展開へ。

そして二度目の急落は8月前半。7月雇用統計が想定以上の好結果となったことを受けての急落では1800ドルを割れて1700ドル台半ばへ。さらに週明けアジア時間の閑散となるタイミングを狙ったかのように仕掛け的な売り圧力も強まり、一時1700ドルも割れて8月9日安値で1677.9ドル。
今年最安値となった3月8日(1673.3)以来、5ヵ月ぶり安値をつけてダブルボトム、もしくは3月末安値と合わせてトリプルボトム形成への可能性も残して急反発すると8月半ば、今週にかけては1780ドル台を回復。高値では今週、何度も1790ドル台後半までを試しながらも1800ドルには届かず。
結果的には6月1日高値から8月安値(1677.9)までの半値戻し(1798.6)がほぼ上限となる状態。

大勢的には米国の金融政策正常化に向けた流れが既定路線となる以上、利上げ決定までの残り数ヵ月から1年余り程度は軟調な展開を余儀なくされることが濃厚な現状。
この夏二度目となる半値戻しとの攻防は、非常に分厚い壁となることを次週、実感させられる可能性もありそうです。
一時的にでも半値戻しの壁を突破することになれば、61.8%戻し(1827.0)辺りまでの一段高もまだ、想定可能かもしれませんが。

20日のNY金相場は4日ぶりの反発もわずかに+0.9ドル、0.05%の小幅高。時間外は1780ドル台前半での小幅揉み合いから徐々に水準を切り上げてロンドン朝には一時1790ドル超え。しかし5日連続で1790ドル台での上値の重さを確認し、ドル高の流れにも押されて失速。NY市場にかけては1780ドルから1789ドルまでの小幅レンジで揉み合い推移。この日の変動値幅は上下わずか11.0ドルにとどまり、今年の平均26.5ドルの4割程、今年3番めの小動き。ゆるやかに下落する20日移動平均線(1787.3)に上値を押さえられる状態も5日連続となり、ここから1790ドルの節目までの抵抗感も増す状況に。突破できれば1810ドル台から1820ドル近辺までを目標に一段高の展開も想定されるものの、上抜けトライは次週ジャクソンホール会合でのパウエル発言待ちか。
週間ベースでは+5.8ドル、0.33%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/19 - 8/20NYプラチナは+23ドル、2.37%の大幅反発で前日急落分だけは取り戻す形に。前日安値950ドル台でダブルボトムへの可能性も漂う下ヒゲを残した状態で、この日の時間外は960ドル台後半からスタートして堅調推移。980ドル台回復後には970ドル前後までの押し目を形成、NY朝に上方向へと抜け出すとNY午後には990ドル超え。ただし990ドル台半ばではいったん上値を押さえられた形にもなり、ここから1000ドルの大台前後の水準は週明け以降の上値トライ継続に向けての最初の攻防ラインに。上方向には1020ドル台の直近高値が重要な節目となり、上抜けるとダブルボトム完成かららの一段高を期待する展開へ、上値目標は1050ドルから1080ドル台も。逆に反落の展開で970ドルの下値サポートを割り込んでしまうとダブルボトム崩れとなる下値目安は940ドル近辺まで。
週間では-31.8ドル、3.1%の反落。

ドル円・日足チャート 2021/7/19 - 8/20ドル円は前日からわずかに上昇し、小幅に4日続伸も直近3日はほぼ変わらず109円70銭台後半での横ばい推移。インフレ対策を含めて金融政策正常化に向けた流れを想定してのドル高と、その流れが想定以上に早まることへの警戒感による株安などリスク資産売りに伴うリスク回避の円高が交錯する地合い。この日も東京午前の高値109円80銭台から欧州時間にかけては円高優勢となって109円50銭台まで下落も、NY時間には再び109円80銭台まで反発。90日移動平均線(109.69)に下値をサポートされ、上値は20日移動平均線(109.83)を超えられない状態も続き、十字線に近い足型を残しての横ばい推移。トレンド形成への第一関門、次週ジャクソンホール待ちへ。
週間では+20銭、0.18%の小幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/20終値とチャート

2021年8月21日(土)時点の相場
国内金6,873 円 8/20(金) ▼27(0.39%)
国内プラチナ3,749 円 8/20(金) ▼101(2.62%)
NY金1,784.0 ドル 8/20(金) ▲0.9(0.05%)
NYプラチナ994.2 ドル 8/20(金) ▲23.0(2.37%)
ドル円109.79 円 8/20(金) ▲0.01(0.01%)

8/20(金)のその他主要マーケット指標

斜行三角保ち合い上抜け後に失速の金、再トライのプラチナ 8/23(月)

この夏二度の急落、NY金は二度めの半値戻しとの攻防 8/21(土)

失業保険、新規申請件数も継続受給者数もコロナ後最少 8/20(金)

7月FOMCではテーパリング年内スタートがメイン、でもドル売り 8/19(木)

米7月小売売上高も低調もドル売りは限定的に 8/18(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ