金プラチナ短期相場観
年内QE縮小へ、国内金価格は9月後半、半値戻しの攻防へ
更新日:2021年8月30日(月)
年内QE縮小開始を主張するFOMCメンバ多数派を占めるタカ派意見を尊重せざるを得ない状況となったパウエルFRB議長。今後は9月後半のFOMCで宣言して10月以降スタートか、11月初旬のFOMC発表で12月スタート、もしくは最終決定が12月中旬FOMCまでずれ込んでの遅延スタートか、タイミング調整が主要テーマに。差し当たり今週末発表の8月雇用統計が重要な判断材料の一つに。2ヵ月連続のポジティブ・サプライズにでもなれば、9月FOMCでの決定を主張するタカ派勢の勢いが一段と強まることも想定されそうです。
そうならならなければ少なくとも1ヵ月先送り濃厚となり、今回の株高に金買いも連れた流れがもう一段進行する可能性も残されそうです。
国内金価格の攻防ポイントとしては、今年高値となった6月3日の7335円から8月安値6710円までの半値戻し(7023)。短期的にはすぐにでもいったん上抜けへ、といった展開もありそうですが、今後の警戒感などを考慮すれば一方的な展開は想定し難いところ。目先の抵抗水準候補としては日足一目均衡表の雲の下限(7006)を超えると雲の上限(7082)。このラインは9月FOMC直前に7020円台へと急降下し、半値戻しラインと重なることに。
9月FOMCを経て、この半値戻し(7023)ライン超えを維持できるなら、三役好転も追い風となってもう一段の上値トライで61.8%戻し(7096)から7100台へも、といった展開も可能となるかもしれません。
しかし、半値戻しがレジスタンス・ラインとなるようなら、ゆるやかな下降基調を示す雲の流れには逆らえないような展開を余儀なくされることも想定されそうです。
30日の国内金価格は+73円、1.05%の続伸。週末のジャクソンホールを経てハト派ムードが強まったことを受けてのドル安・金高の流れを反映しての一段高。7月30日(7023)以来、1ヵ月ぶりの高値水準。6960円の節目超えに伴う短期上値目標7000円の大台回復もいきなり達成。上昇軌道を維持する90日移動平均線(6987)を上抜けるのは8月初旬、7月雇用統計後の急落前以来、3週間ぶり。雇用統計後の急落分を取り戻した格好にも。週明け時間外のNY金は週末の1820ドル近辺から1820ドル台半ばへと小幅堅調推移。ドル円は109円80銭台から70銭台へと小幅に軟調。週末の余韻が残る形での8月最終週スタートも、週末の雇用統計への警戒感と短期目標達成から、それほどの買われ過ぎも見込み難い状況か。多少の行き過ぎ目安としては7月高値7040円台程度まで。
プラチナ価格は+111円、2.93%の大幅高となって4日ぶりの反発。弱気のパーフェクトオーダー完成後に逆三尊形成への可能性を示唆する形に。今年の平均騰落率1.39%(絶対値)の2倍以上の上昇となり、直近半年間では上昇率最大、今年4番めの急騰。9日移動平均線(3848)を上抜けて弱気パーフェクトオーダーを脱出し、21日移動平均線(3908)も目前に。ただし、直近高値で上方向への節目となる3920円台には少し届かず、逆三尊完成に向けてはそのネックライン3960円台まではさらに距離を残し、一足飛びに反発基調加速へ、といった展開もまだ無理がありそう。3920円台の節目を上抜けることができれば短期上値目標は4000円の大台回復で逆三尊も完成へ。
日足一目均衡表では転換線(3835)を上抜けて1週間前の三役逆転から脱出し、基準線(3936)も射程圏内に捉えた状態にも。そして春以降の斜行三角保ち合いを上抜けつつあり、逆三尊も意識されるチャート形状となり、金価格が一段高となれば追随する展開も想定され、今後意識される水準としては今年高値から今年安値までの23.6%戻し(3997)。ちょうど9月FOMCの頃には雲の下限がこの水準まで切り下がることにもなり、プラチナ価格にとってはこの4000円の大台ライン付近が9月の重要な攻防ラインということにもなるかもしれません。
※参考:金プラチナ国内価格8/30とチャート
- 2021年8月30日(月)時点の相場
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国内金 : 7,002 円 8/30(月) ▲73(1.05%) 国内プラチナ : 3,903 円 8/30(月) ▲111(2.93%) NY金 : 1,819.5 ドル 8/27(金) ▲24.3(1.35%) NYプラチナ : 1,006.5 ドル 8/27(金) ▲31.0(3.18%) ドル円 : 109.85 円 8/27(金) ▼0.23(0.21%)
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