金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ミシガン大消費者信頼感は低調のまま、インフレ期待は高止まり

更新日:2021年9月18日(土)

NY連銀・ミシガン大インフレ期待 2021年8-9月金融政策転換に向けた節目となる可能性もある9月FOMC。その直前の週はインフレ鈍化懸念でドル売り・金買いでスタートも、週後半は製造業景況感と個人消費の予想外の好調ぶりが示されてドル買い・金売りへと急速に巻き戻される展開に。
ただし、週末にはこの週の流れの背景を否定するような指標結果も。

ミシガン大消費者信頼感指数は9月速報値で71.0。市場予想の72.0を下回るも、9年8ヵ月ぶり低水準となった8月の70.3からは小幅に上昇。2012年以降の9年9ヵ月では2番めの低水準。直近10年弱での最低水準にとどまります。
なお、現況指数は77.1となって昨年4月(74.3)以来、1年5ヵ月ぶりでコロナ後最低水準。期待指数は67.1で7年10ヵ月ぶり低水準となった8月の65.1からは小幅上昇も、依然としてコロナ後最低水準付近。

いっぽうで1年後のインフレ期待値は9月速報では4.7%。8月からは0.1ポイント上昇し、2008年8月(4.8)以来12年11ヵ月ぶり高水準となった7月と同じ。直近12年間での最高水準付近での高止まり状態となっています。
インフレ期待では、NY連銀が先日発表した8月消費者調査でも高騰。1年先のインフレ予想値としては5.18%となり、2013年以降の調査データでは4ヵ月連続で過去最高を更新。なお、3年後のインフレ期待値も4.0%となって過去最高を更新。

夏場の個人消費は実績値として好調持続が示されたのに対し、消費マインドは低調を示す指標も。インフレ鈍化の兆しも見られる反面、消費者心理としてはインフレ高騰を警戒する状況が続きます。
強弱指標混在の状況下で、タカハト混在状態のFOMに臨むことになります。

NY金・日足チャート 2021/8/13 - 9/1717日のNY金相場は-5.3ドル、0.3%安で3日続落。8月10日(1731.7)以来、6週間ぶりの安値。前日の急落、下ヒゲからの折返しで1750ドル台前半での保ち合いからスタートした時間外は徐々に反発基調再開。ゆるやかなドル安基調にもサポートされ、ユーロドルの反発にも連れてロンドン市場までに1760ドル台後半まで上昇。しかしNY市場では3日連続戻り売り、NY朝から米10年債利回りが上昇基調を強めて10日ぶりに1.3%台後半へと急騰するとドル安の巻き戻しも急速に進行。ユーロドルの下落基調にも連れて一時1750ドル割れ。前日安値こそ下回らなかったものの、NY午後に1750ドル台を回復するのがやっと。1790ドルの節目割れに伴う短期下値目安1760ドル近辺到達後、若干のオーバーラン局面では時間足レベルでダブルボトムを形成する形となって1750ドルが目先のサポ-ト候補にも。ダブルボトムのネックライン1770ドルが上方向への節目となり、上抜けできれば1790ドル台までの一段高も視野に。FOMC後に下値トライ進行なら8月安値1670ドル台までが下値警戒水準に。
週間ベースでは-40.7ドル、2.27%の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2021/8/13 - 9/17NYプラチナは+7.3ドル、0.79%高となって4日ぶりの反発。前日下落分だけは取り戻したものの、上ヒゲを残して上値の重さも示唆。この日の安値920ドル付近から時間外をスタートするとコンスタントな反発基調となってNY朝には950ドル手前まで上昇。しかし前日高値と950ドルに上値を押さえられるとNY午後には930ドル割れへと反落。今年安値更新後の反発基調が進まず、安値圏での保ち合い形成の兆しとなった状態でFOMC待ちへ。目先は920ドルが下値サポート、割れると短期的には900ドルの大台前後までの一段安は見込まれ、勢いが強まれば昨年秋の保ち合い下限850ドル近辺までが意識される可能性も。反発方向へは950ドルでの抵抗感が強まり、これを上抜けるようなら990ドル近辺までが短期上値目安にも。
週間ベースでは-25.9ドル、2.71%の続落。

ドル円・日足チャート 2021/8/16 - 9/17ドル円は24銭のドル高円安、0.22%の続伸で週初の13日(109.99)以来の高値となって再び110円トライの様相に。FOMC前の週は米経済指標に一喜一憂しながら前半に下げて後半には上昇、下に行って来いとなって週足では下ヒゲ陽線。この日は東京朝の安値109円70銭近辺から、欧州時間にかけてはゆるやかな円安主導で109円90銭台まで上昇。NY時間には米10年債利回り急上昇とドル高の流れで110円台回復も高値は110円10銭にも届かず。先週9月7-8日の2日間110円台を維持したのを除けば、8月後半以降の1ヵ月間ほぼ110円台は上ヒゲとなって強めの抵抗水準を形成。タカ派見通しが示されてFOMC後にこの抵抗水準を突破できれば一定のドル高トレンド形成へ、今年高値111円60銭台を目標に上値トライの展開へ。下方向には109円30銭が当面のサポート。これを割り込むようなら相応のドル安トレンド形成へ、4月安値圏107円台半ばも視野に。
週間ではわずかに5銭程度のドル高円安、0.05%の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/17終値とチャート

2021年9月18日(土)時点の相場
国内金6,764 円 9/17(金) ▼130(1.89%)
国内プラチナ3,614 円 9/17(金) ▼51(1.39%)
NY金1,751.4 ドル 9/17(金) ▼5.3(0.30%)
NYプラチナ930.6 ドル 9/17(金) ▲7.3(0.79%)
ドル円109.97 円 9/17(金) ▲0.24(0.22%)

9/17(金)のその他主要マーケット指標

実質実効為替レートではドル高に追随する円高 9/21(火)

ミシガン大消費者信頼感は低調のまま、インフレ期待は高止まり 9/18(土)

小売売上高は8月に想定外のプラス圏回復でドル買い・金売り 9/17(金)

NY連銀製造業景況指数は予想外の上振れでドル反発、金反落 9/16(木)

消費者物価8月コアCPIは予想外の鈍化でドル売り・金買い 9/15(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ