金プラチナ短期相場観

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30年ぶり高水準で高止まり、PCEインフレは年末予想に到達

更新日:2021年10月2日(土)

コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2021年8月米商務省が発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は高止まり。市場予想の前年比+4.2%程度を上回る+4.26%。7月の+4.16%からも上昇し、9ヵ月続伸で1991年1月(+4.48)以来、30年7ヵ月ぶりの高水準。
変動の大きい食品とエネルギー関連を除いたコアPCEも8月は前年比+3.62%。市場予想の+3.5%程度を上回り、7月の+3.60%からはわずかに上昇。6ヵ月続伸となり、1991年5月(+3.65)以来、30年3ヵ月ぶりの高水準。
セクタ別の内訳では、商品価格が前年比+5.5%へと7月の+5.3%から一段と上昇し、サービス価格も前年比+3.6%で7ヵ月続伸。

9月FOMCでの今年、年末時点のインフレ予想中央値は、PCEインフレが6月の3.4%から4.2%に引き上げられ、コアPCEは6月の3.0%から3.7%へと引き上げられていました。
30年ぶり高水準を維持して高止まり状態にあるPCEインフレは、PCE、コアPCEともに8月時点で既に年末予想にほぼ到達した状態となっています。

市場の見方でも、過去の時代とは異なり、今後は「インフレが高い水準に落ち着く可能性」を指摘する声も多々聞かれます。
パウエルFRB議長も「インフレ高進は想定以上」と認める発言をしており、FOMC予想でもその結果が反映された形となっています。
ただし、来年以降も高止まりが続くと考えるのはFOMCではまだ少数派。9月FOMCでの2022年末インフレ予想中央値はPCEが前年比+2.2%、コアPCEは+2.3%と目標レンジ内に収束するとの見方。
年内いっぱいは多少の上振れ程度は許容するとしても、来年以降、目標レンジに向けてインフレ指標が落ち着きを取り戻すかどうか、注目されます。

なお、ダラス連銀発表の(上下一定割合を除外して算出する)トリム平均PCEは前年比+2.03%となり、小幅に7ヵ月続伸で2020年3月(2.04)以来、1年5ヵ月ぶりの高水準。
クリーブランド連銀発表の(価格変動分布50%台のみで算出する)メディアンPCEでは前年比+2.36%。こちらは3ヵ月続伸で昨年7月(2.38)以来、1年1ヵ月ぶりの高水準。
これらの指標ではインフレ上昇の兆しも依然として目標レンジ内推移、トリム平均ではようやく目標レンジ下限に到達。

NY金・日足チャート 2021/8/27 - 10/11日のNY金相場は+1.4ドル、0.08%の小幅続伸。9月22日(1778.8)以来、10日ぶり高値圏での小幅揉み合い推移となってわずかに水準を切り上げ。前日の2%弱の急騰からの揺り戻しとなって時間外序盤に1750ドル付近まで下落、しかし下値も限定的となって1750ドル台半ばを中心に小康状態。NY朝には米10年債利回り低下とドル安の流れに連れて1760ドル台へ、高値では一時1765.2ドルまで上昇し、NY引けにかけては1760ドルを挟んでの攻防状態。米9月ISM製造業景況指数やミシガン大消費者信頼感指数確報値の上振れとともに米株の大幅反発も若干の重石となった様子も。短期的には9月高値(1836.9)から9月安値(1721.1)までの38.2%戻し(1765.3)を達成して一服。短期トレンド好転と反発基調継続に向けては50%戻し(1779.0)から1780ドルの節目が分岐点。突破できれば1800ドルの大台回復が視野に。
週間ベースでは+6.7ドル、0.38%の小幅続伸。大幅続落後の十字線をはさんで下ヒゲ陽線を形成し、反発への可能性も示唆。

NYプラチナ・日足チャート 2021/8/27 - 10/1NYプラチナは+11.2ドル、1.16%の続伸。960ドル台からスタートした時間外はアジア時間に950ドル台半ばまで下げて反発へ、押し目買いの格好となったロンドン市場では株高の流れにも連れる形で960ドル台から970ドル台へと堅調推移。NY午後には高値で978ドルまで上昇し、NY引けにかけては970ドル付近まで反落。ゆるやかに下降を続ける20日移動平均線(963.0)を上抜けての一段高も、20日線上抜けの翌日には反落へ、というパターンが8月末以降これまで3回連続。9月後半高値(1011.0)から9月末安値(941.4)までの半値戻し(976.2)を達成して一服状態にもあり、ここから先が正念場。
週間ベースでは-6.3ドル、0.64%の小幅反落。

ドル円・日足チャート 2021/8/30 - 10/1ドル円は20銭程のドル安円高、0.19%の続落。前日安値111円20銭台から東京朝には111円50銭手前まで反発したのがこの日の高値となって戻り売り。一度は1.5%台を回復していた米10年債利回りが再び1.5%割れへと低下した流れにも連れ、東京午後には111円20銭割れ、欧州時間には111円00銭台まで水準を切り下げ。NY市場では米株高のリスク選好ムードとなって円安・ドル安の流れもドル円では調整の流れがやや優勢、揉み合いながらも111円割れを試す展開となって安値では110円90銭近辺まで。9月安値(109.11)から9月高値(112.08)までの38.2%戻し(110.95)達成に伴う一服感も。この水準で下げ渋る展開となれば次週、雇用統計睨みで上値再トライのチャンスをうかがう展開にも。もう一段の下値サポート候補としては20日移動平均線(110.25)と61.8%戻し(110.24)付近。
週間ベースでは+54銭、0.49%高で4週続伸。4種続伸は6月末以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/1終値とチャート

2021年10月2日(土)時点の相場
国内金6,856 円 10/1(金) ▲70(1.03%)
国内プラチナ3,746 円 10/1(金) ▲14(0.38%)
NY金1,758.4 ドル 10/1(金) ▲1.4(0.08%)
NYプラチナ973.6 ドル 10/1(金) ▲11.2(1.16%)
ドル円111.07 円 10/1(金) ▼0.21(0.19%)

10/1(金)のその他主要マーケット指標

金融政策正常化に向けての正念場、雲のねじれと雇用統計 10/4(月)

30年ぶり高水準で高止まり、PCEインフレは年末予想に到達 10/2(土)

新規失業保険申請4週移動平均は7週ぶり増、継続受給は17週連続減 10/1(金)

ユーロ圏景況感指数9月は予想外に下げ渋り、ドイツは過去最高 9/30(木)

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