金プラチナ短期相場観

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ADP雇用9月は想定以上、雇用回復ペースは再加速の兆しも

更新日:2021年10月7日(木)

コロナ後の米雇用回復状況 NFP×ADP 2021年9月ADPベースでも、コロナ後の雇用回復率は70%を超えてきました。雇用統計のNFPベースでは、コロナで失った雇用の70%回復を6月時点で達成し、その後はやや伸び悩み状態。ADPでの回復率が9月時点で71.7%となり、猛追中。

9月のADP雇用者数は前月比+58.8万人となり、想定以上の増加幅となって8月の+34.0万人からも急増。6月(+74.1)以来3ヵ月ぶりの大幅増となり、雇用回復ペースは再加速の兆しにもなってきました。
なお、58.8万人のうち、サービス業が46.6万人、そのうちレジャー・ホスピタリティが22.6万人。サービス業の5割弱、全体の4割弱を占めています。

ADP雇用者数の伸びを3ヵ月移動平均で見ると、今年6月に+74.8万人でピークとなり、その後は+64.8万人、+46.8万人、そして9月は+41.0万人とやや減速傾向となっています。
9月時点でADPベースでの失われた雇用は残り533.8万人まで減少しています。
今後も月間41万人ペースで回復が持続した場合、100%回復するのに要する期間は14ヵ月。その時期は2022年11月。

金融政策正常化に向けた最速レベルのシナリオでは、来年半ばにテーパリングを終了し、来年後半には利上げスタート。ADPベースでの現状の回復ペースでは、ややタイトなスケジューリングとなります。
雇用回復ペースがもう一段加速しない限り、2022年の利上げスタートも難しくなりそうです。

NY金・日足チャート 2021/9/1 - 10/66日のNY金相場はわずかに+0.9ドル、0.05%の小反発。前日の下ヒゲからの戻りはNY引け後に1760ドル台まで上昇して頭打ち、ドル高基調が続いたこの日の時間外は軟調推移、ロンドン時間にはドル高の勢いが強まって1750ドル割れへと小幅に急落。前日安値を下回り、一時9月30日(1721.8)以来1週間ぶり安値となる1745ドルまで下落も、4日連続1740ドル台では下げ渋る形となって切り返し。NY市場にかけては米10年債利回りの低下基調に連れてドル高の巻き戻しも進行、NY朝に1760ドルへと急反発したNY金はADP雇用の好結果を受けて失速する場面もありながら、NY引け後には1760ドル台半ばの攻防へ。3日連続下ヒゲを残して実体部分は1760ドル台を維持する底堅さも、右肩下がりの20日移動平均線(1766.9)に上値を押さえられる状態が継続。雇用統計の想定外の結果などをきっかけに1770ドルまでの抵抗水準を突破できれば1800ドルの大台回復トライへ。

NYプラチナ・日足チャート 2021/9/1 - 10/6NYプラチナは+17.4ドル、1.81%の大幅高となって3日ぶりの反発。9月27日(981.6)以来、1週間ぶりの高値。金の軟調推移に連れた時間外は960ドル近辺から、ロンドン時間に一時940ドル割れ。2週間ぶり安値をつけて切り返すとNY午前までに980ドルへと急反発。NY引け後には一時990ドル手前まで上昇して980ドル割れへと反落するなどやや不安定な展開ながら、保ち合い上限970ドル台をなんとか突破した状態となり、1000ドルの大台回復を短期上値目標にもう一段の上値トライが進行しやすい状態に。ただし重要イベント前だけに一本調子という訳にもいかず、結果次第で金に追随する形でオーバーランか、あるいは急反落への警戒感も。950ドル台に切り上げた下値サポートを割れるようだと流れは反転、920ドル近辺までを目安に下値トライ再開へ。

ドル円・日足チャート 2021/9/2 - 10/6ドル円はわずかに4銭程度のドル安円高、0.04%の小反落。東京時間は米10年債利回りが1.56%台へと一段高となった流れに連れて111円40銭台から111円80銭付近まで上昇。今年最高値となった9月30日(112.08)以来、1週間ぶり高値まで上昇すると、欧州・NY朝にかけては米10年債利回りの低下基調に連れて軟調推移。ADP雇用の好結果に対しては111円20銭台から40銭台へと小反発も一時的となり、安値では111円20銭近辺まで再反落。ただしNY午後にかけては米債務上限問題で、共和党のマコネル上院院内総務が上限を短期的に引き上げる妥協案を提案したことを受けてデフォルト警戒リスクが後退、米株の反発にも連れて一時111円50銭近辺まで反発。結果的に上下に行って来いとなって若干上ヒゲ長めの十字線を形成。サプライズも多い昨今の雇用指標に対する警戒感がこの日の足型にも表れたような格好にも。引き続き112円超へと今年高値再更新なら2019年高値圏112円台半ばが上値目標、110円90銭割れなら9月安値から高値の61.8%戻し(110.24)近辺までが下値目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/6終値とチャート

7日の国内金価格は+5円、0.07%の小幅高で5日続伸。5日続伸は7月以来、3ヵ月ぶりで今年4度め。5日合計では+111円、上昇率は1.64%。今年の1日当たりの平均騰落率0.56%のほぼ3倍程度にとどまり、9月17日単独での-130円、下落率1.89%には届かず。なお、1日の騰落率で1.64%以上の上昇は今年1日もなく、下落は5日。それでも9月15日(6948)以来、3週間ぶり高値となり、引き続き短期上値目標6920円近辺を目指す流れがゆっくりと進行中。

プラチナ価格は+67円、1.79%の大幅続伸。9月27日(3806)以来、10日ぶりの高値水準となって3800円台を回復。NYプラチナの保ち合い上方ブレイクに追随、保ち合い下限3730円近辺で下げ渋った前日の粘りが功を奏し、保ち合い上限3790円超へと抜け出す形となり、9-21日移動平均線(3769-3741)が抵抗帯となる前にまとめて上抜け。上値目標3860円台を目安に一段高をうかがう情勢も、タイミングの悪さが玉に瑕。
※参考:金プラチナ国内価格10/7とチャート

2021年10月7日(木)時点の相場
国内金6,897 円 10/7(木) ▲5(0.07%)
国内プラチナ3,804 円 10/7(木) ▲67(1.79%)
NY金1,761.8 ドル 10/6(水) ▲0.9(0.05%)
NYプラチナ977.2 ドル 10/6(水) ▲17.4(1.81%)
ドル円111.43 円 10/6(水) ▼0.04(0.04%)

10/6(水)のその他主要マーケット指標

新規失業保険申請件数はコロナ後2番めの低水準へと急減 10/8(金)

ADP雇用9月は想定以上、雇用回復ペースは再加速の兆しも 10/7(木)

ISM非製造業景況指数、製造業とともに9月は想定外に下げ渋り 10/6(水)

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