金プラチナ短期相場観
新規失業保険申請件数はコロナ後2番めの低水準へと急減
更新日:2021年10月8日(金)
10月2日までの週の新規失業保険申請件数は32.6万件。前週からは3.8万件の大幅減となって3週ぶりに減少、コロナ後最少となった4週前以来の低水準。コロナ後2番めの低水準へと急減となり、減少傾向再開の兆しとなったようです。9月25日までの週の失業保険継続受給者数も271.4万人となり、前週からは9.7万人の大幅減少で3週ぶりにコロナ後最少を更新。
前日のADP雇用に続き、関連指標の好結果が9月雇用統計の期待値を高めることになり、局面的には米10年債利回りは急上昇、金は売り圧力が強まる展開となりました。
4週移動平均では、新規申請件数が34.4万件。コロナ後最少となった3週前の33.575万件からは2週連続の増加。継続受給者数は276.5万人。17週ぶりに増加となった前週からは3.45万人減となり、コロナ後の最少を更新。
この結果、4週移動平均で見るコロナ前との差は新規申請件数が残り12.4万件(コロナ前:22万)。継続受給者数は残り106.5万人(コロナ前:170万)。
4週移動平均の前週比10週平均では、新規申請件数がほぼ-5千件。なお、直近では6週連続で-5千件前後と安定推移となりつつあります。継続受給者数は-5.33万件。直近は10週連続で-5万人前後と、こちらも安定推移となっています。
このペースで今後も減少し続けた場合の、コロナ前の水準100%回復までの所要期間は新規申請件数が5.8ヵ月、継続受給者数は4.7ヵ月。
安定した減少ペースが今後もこのまま続くことになれば、2022年春頃にはコロナ前の水準を回復することが可能となり、FRBの現状シナリオに沿った回復ペースということにもなりそうです。
7日のNY金相場は-2.6ドル、0.15%の小幅反落で10月1日(1758.4)以来、1週間ぶりの安値。11月FOMCでのテーパリング決定の判断材料となる9月雇用統計の前日、小動きとなったこの日の変動値幅15.7ドルは今年の平均26.0ドルの6割。1760ドルをはさんでの揉み合いに終始、ロンドン時間に米10年債利回りが低下したタイミングでつけた高値は前日高値をわずかに上回る1760ドル台後半、NY朝には米失業保険申請件数が想定以上の好結果となって米10年債利回りがほぼ4ヵ月ぶり高水準となる1.57%台へと急騰。この流れでつけた安値は1750ドル手前まで。前日まで4日連続でつけた安値1740ドル台こそ上回ったものの、自律反発後も上値は重く1760ドル台を維持できず、NY引け後には1750ドル台半ばへと軟調気味に。引き続き20日移動平均線(1764.8)から1770ドルまでの抵抗水準が重く、これを突破できたなら一段高の展開で1800ドル台回復を目指す流れへ。下値は1740ドル台のサポート候補を維持できなくなれば9月安値1720ドル近辺までは下げやすく、かつ重要なサポート。これも割り込むようだと1700ドルの大台割れへ。
NYプラチナは+8.1ドル、0.83%の続伸。この日の変動値幅22.4ドルは今年の平均35.5ドルの63%にとどまる小動き。時間外は980ドルをはさんでの揉み合いとなり、この日の安値975ドル近辺では何度も下値を支えられ、NY市場では米株高に追随する形でパラジウムが1900ドルを回復し、1990ドルまで急騰した流れにも連れて990ドル台後半まで急騰。しかしパラジウムが2000ドル手前で失速した流れに同調、1000ドル手前で失速するとNY引け後には980ドル近辺。結果、短期上値目標1000ドル台にはわずかに届かず、十字線を形成して反落の可能性、もしくは一段高へと急変動への可能性も。雇用統計後に反落の流れ加速となれば950ドル台が下値サポート、これを割れると920ドル近辺までの一段安も。逆に上値再トライとなって目標水準をオーバーランするような展開となれば、5月高値(1281.4)から9月安値(892.6)までの38.2%戻し(1041.1)辺りまでを目指す流れにも。
ドル円は20銭のドル高円安、0.18%の反発で9月29日(111.98)以来、1週間ぶりの高値。NY午前までは前日終値付近、111円40銭を挟んでの保ち合い推移となり、欧州時間につけた安値は111円20銭付近まで、何度も上値を押さえられた111円50銭台をNY午後に上抜けるとNY終盤にかけて111円60銭台、今朝の東京市場では70銭台へと動き始めた様子も。なお、NY時間には失業保険申請件数の好結果に加え、12月上旬まで債務上限を引き上げる案で合意したことが伝えられて米株が一段高へとリスク選好の流れとなったことにも連れて下値を切り上げる展開に。最近の雇用指標での好結果から、雇用統計も、との期待感が高まる様子も。期待どおり、もしくはそれ以上の結果で112円超へと今年高値再更新なら2019年高値圏112円台半ばが上値目標。期待はずれとなって反落なら110円90銭が下値サポート。これを割れると9月安値から高値の61.8%戻し(110.24)近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/7終値とチャート
8日の国内金価格は-19円、0.28%安となって6日ぶりの反落。3日分の上げ幅を帳消し、週初10月4日(6878)の水準へと逆戻り。短期上値目標6920円近辺を目指した流れは7日の6897円まで、少し届かず息切れ。6900円が目先の抵抗水準となり、雇用統計の結果次第で一段安か、急反発か。節目となりうるタイミングでの結果によっては荒い値動きとなる可能性も。下方向へは6780円台までではサポートされる可能性。これを割り込むようだとさらに大きく水準を切り下げるような展開にも、6700円割れも意識されるような流れとなる可能性も。6900円超へと抜け出すようなら6950円近辺までが短期上値目標、サプライズ的な展開となれば7000円の大台を目指すような流れに発展する可能性も。
週間ベースでは+22円、0.32%高で3週続伸。
プラチナ価格は+8円、0.21%高で3日続伸。9月8日(3869)以来、1ヵ月ぶりの高値となり、短期上値目標3860円台を目指す流れがジワリと進行し始めた様子。この流れは雇用統計がやや期待はずれ、といった結果となれば継続か。かなりの好結果となれば金の急落に連れて反落の展開にも、3730円の下値サポートを割り込んだ場合には一段安の展開で3640円程度までが下値目安に。上方向に行き過ぎの展開となった場合には3900円台が意識される可能性も。
週間ベースでは+66円、1.76%の反発。
※参考:金プラチナ国内価格10/8とチャート
- 2021年10月8日(金)時点の相場
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国内金 : 6,878 円 10/8(金) ▼19(0.28%) 国内プラチナ : 3,812 円 10/8(金) ▲8(0.21%) NY金 : 1,759.2 ドル 10/7(木) ▼2.6(0.15%) NYプラチナ : 985.3 ドル 10/7(木) ▲8.1(0.83%) ドル円 : 111.63 円 10/7(木) ▲0.20(0.18%)
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