更新日：2021年11月1日(月)
週末には米9月PCEインフレ高止まり、「一時的な高インフレ」収束の兆しは依然として見られないまま。中国では国家統計局発表の10月製造業PMIが2ヵ月連続で節目50割れ、「景気減速基調」も依然継続中。国内では週末の衆議院選挙で自民党が15議席減らしながらも単独で過半数（233）を超え、「絶対安定多数」（261）も維持。これを好感する形で週明け東京市場の日経平均は400円超高でスタート。為替も先週末から20銭程水準を切り上げて円安ドル高方向、114円20銭の節目との攻防へ。
国内金価格は2020年8月につけた過去最高値7676円を起点とする右肩下がりのレジスタンスラインと、今年3月安値6413円を起点とする右肩上がりのサポートラインとで中期三角保合いを形成。この上限ラインが通過する7100円台後半を先週、一度は上抜けたものの週明けには失速、再びこのレジスタンスラインを下回る形での11月スタート。中期三角保合い上抜けに失敗した状態でFOMCを迎えることにも。
ただし、テーパリング開始決定を既に織り込み、来年後半に向けては利上げスタート時期を模索する状態が進行中。予想外のインフレ高止まりによる景気回復への悪影響も警戒され始め、足下では米長期金利の上昇一服とドル高一服に同調する形でNY金も下げ渋りの様相にも。週足一目均衡表では三役好転の強気相場を維持する国内金価格も、7000円の大台前後には複数のテクニカルな節目も集中しており、調整局面が限定的にとどまれば三角保合い上抜け再トライも時間の問題、という展開にも。
1日の国内金価格は-36円、0.5％の反落。10月22日（7135）以来、10日ぶりの安値となって1ヵ月ぶりに9日移動平均線（7156）も割り込み、短期上昇トレンドにも区切りをつけていったん調整局面入りをうかがう状況にも。ただし週明け時間外のNY金は1780ドル台前半では下げ渋り、FOMC前に大きく動き出す展開も想定し難いところ。9月安値（6764）から10月高値（7214）までの23.6％戻し（7108）、7100円の大台ライン近辺が目先のサポート候補。その下の7060円の節目も割り込むようだと7000円の大台ライン前後が当面の調整目安にも。切り返して7210円台の高値更新となれば上値トライ再開となって6月高値圏、7300円近辺までが意識される可能性も。
プラチナ価格は+27円、0.66％の続伸。NYプラチナも週末の1020ドル近辺から1025ドル近辺へと小幅反発スタート。10月末の小幅保合い崩れから短期トレンドは調整局面入り。しかしその流れも続かず、反発目安となっていた10月高値から安値までの38.2％戻し（4096）をほぼ達成。しかし4100円の大台回復には至らず、水準としては微妙なところにも。目先、下方向へは4030円の節目を割れると90日移動平均線（3990）近辺までが下値目安に。上方向には4200円が当面の抵抗水準。これを上抜けるような展開となった場合には上昇トレンド再開、4300円の大台が当面の上値目標に。
週足一目均衡表では転換線（3866）を上回るも基準線（4143）を下回り、雲の下限（3815）を大きく上回りながらも雲の上限（4237）には遠く及ばず。遅行線も価格ラインを大きく下回って一役逆転、二役は好転と逆転の狭間での攻防中。2月につけた今年高値（4798）から9月につけた今年安値（3536）までの半値戻し（4167）が当面の重要な攻防ライン、という展開にも。
※参考：金プラチナ国内価格11/1とチャート
2021年11月1日(月)時点の相場
国内金：7,138 円 11/1(月) ▼36(0.50％)
国内プラチナ：4,095 円 11/1(月) ▲27(0.66％)
NY金：1,783.9 ﾄﾞﾙ 10/29(金) ▼18.7(1.04％)
NYプラチナ：1,020.7 ﾄﾞﾙ 10/29(金) ▼3.2(0.31％)
ドル円：113.97 円 10/29(金) ▲0.42(0.37％)