金プラチナ短期相場観
ユーロ圏景況感10月は予想外に上昇、過去2番めの高水準
更新日:2021年10月29日(金)
欧州委員会が発表した10月のユーロ圏景況感指数は118.6。市場予想の116.7への低下予想に反して9月の117.8から上昇。過去最高となった7月の119.0に次いで過去2番めの高水準。8-9月の117台後半を挟んでの再浮上となり、過去最高付近での高止まり状態。
業種別では製造業が続伸で7月の過去最高に急接近、これも過去2番めの高水準となり、サービス業も14年ぶり高水準となった7月の水準に迫る急反発。小売も9月からは上昇し、建設業は3ヵ月続伸で2年9ヵ月ぶりの高水準。
主要4カ国で牽引役となったのはイタリアで118.6。ユーロ圏の数値に並び、21年ぶり高水準となった7月の119.6に次ぐ高水準へと反発。
ドイツは117.5で過去最高となった9月の118.0をはわずかに下回り、ビッグ4では唯一の反落。ただし7月と並び、8月の117台を含めてこれも過去最高付近での高止まり状態。
水準的には若干開きがある状態が続くフランスは113.3。前月比+2.1の反発で3ヵ月ぶり高水準。
ビッグ4のなかでは4位が続くスペインは続伸で111.9。+2.5で110を超えてフランスに急接近、20年7ヵ月ぶりの高水準。
<イタリア以上=1>
オーストリア:120.6、前月比+3.2で4ヵ月ぶりの反発。
<イタリア未満、スペイン以上=6>
フィンランド:117.0、3ヵ月続伸で21年1ヵ月ぶり高水準。アイルランド:116.0、続伸で21年3ヵ月ぶり高水準。ルクセンブルグ:114.4、21年ぶり高水準の8月から続落で7ヵ月ぶり低水準。
オランダ:112.4、続伸で3ヵ月ぶり高水準。ベルギー:113.4、-0.1の小幅低下で3ヵ月続落、7ヵ月ぶり低水準。ギリシャ:112.4、+2.7で2ヵ月ぶり高水準。
<スペイン未満=8>
マルタ:109.0、続落で7ヵ月ぶり低水準。ポルトガル:108.1、3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準。エストニア:106.9、-3.7の急反落で半年ぶり低水準。
リトアニア:106.2、続落で7ヵ月ぶり低水準。キプロス:106.0、+1.6の反発で1年8ヵ月ぶり高水準。ラトビア:100.7、反発で2ヵ月ぶり高水準。
スロベニア:99.5、-3.2で4ヵ月続落、7ヵ月ぶり低水準で節目の100割れ。スロバキア:92.0、-4.2の急反落で7ヵ月ぶり低水準。4ヵ月連続100割れ。
ユーロ圏全19ヵ国中、前月比で上昇したのは11ヵ国(9月は8)、下落は8ヵ国。主要4カ国を含む経済規模上位8カ国で前月比マイナスとなったのはドイツ以外ではベルギーのみ。9月の4/8カ国上昇から10月は6/8カ国が上昇。
上昇国が増加し、ユーロ圏としては下げ渋って予想外に堅調推移を維持した反面、上位と下位との格差は予想外に拡大。
28日のNY金相場は+3.8ドル、0.21%の小幅続伸。前日NY午後には抵抗感を残した1800ドルの大台ラインをアジア時間に突破すると、ロンドン時間には1800ドル台半ばへと小幅に上昇。大台ラインがサポートへと切り替わるまでには至らないものの、徐々に上値を伸ばす展開へ、米7-9月期GDP速報が前期比年率で+2.0%と市場予想を下回る低調な結果となったことを受けてドル安の流れが強まると一時1810ドル台へと上昇。しかし1週間ぶり高値水準を維持することはできず、1810ドルの抵抗線にも押し返された格好に。NY午後にかけてはドルの下げ渋りと米株高の流れにも押されて1800ドル付近へと軟調推移。下値は200日移動平均線(1794.0)にもサポートされつつ1790ドルから1810ドルの小幅保ち合いレンジを維持し、月末月初の米指標結果とFOMCの行方にそれなりの反応を示す展開にも。上抜けなら夏場の高値圏1840ドル近辺まで、下抜けなら1750ドル台までが目標水準に。
NYプラチナは+4.6ドル、0.45%高で3日ぶりの反発。時間外序盤には前日安値を下回り、10月13日安値(1003.0)以来2週間ぶり安値となる1008.9ドルまで下落。1030ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1010ドル近辺まで、あらためてしっかり下げて下値トライ一服。反発の流れでロンドン市場では1020ドル台へ、NY朝に金の上昇局面に追随した場面では一時1030ドル台半ばまで急騰。しかし直近の保ち合い下限で抵抗線候補と見られた1030ドル半ばではまだ上値も重く、NY引けにかけて1020ドル付近へと軟調推移。90日移動平均線(1023.4)との攻防状態にもなり、これが抵抗線となるようだと1010ドル近辺の下値目安再トライを含む軟調局面継続の様相へ、サポートへと切り替わることになればいったん下げ止まり、1030ドル台半ばの抵抗線候補との攻防にも。
ドル円は27銭のドル安円高、0.24%の続落で22日(113.50)以来、1週間ぶりの安値。この日も東京朝が高値となり、113円80銭台の保ち合いから株安に連れて113円50銭台へと水準を切り下げ、欧州時間にかけては113円70銭台までの小幅レンジで保ち合い推移。NY朝には米GDP速報の下振れを受けて14日安値(113.21)以来、2週間ぶり安値となる113円20銭台まで、50銭程の急落。その後は米10年債利回りの下げ渋りにも連れて113円50銭台まで反発。帳尻合わせで保ち合い下限となる113円50銭ラインをなんとか維持した格好にも。今朝の東京市場では一時40銭近辺まで下げる場面もあり、下限ラインとの攻防状態に。この水準を維持できなくなれば一段安の展開へ、9月安値(109.11)から10月高値(114.70)の38.2%戻し(112.56)近辺から112円台前半までが短期下値目安。上方向には114円20銭が抵抗線となり、目先は113円80銭台に抵抗感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/28終値とチャート
29日の国内金価格は+5円、0.07%の小幅高で3日ぶりの反発。短期上値目標7200円の大台到達後の調整一服となり、過去最高値からの抵抗線が通過する7160円台の重要水準では下げ渋った格好に。週末のインフレ指標、次週のFOMCと雇用関連指標などの動向を見極めての一段高か、調整局面入りか、という状況にも。9月安値(6764)から10月高値(7214)までの23.6%戻し(7108)、7100ドルの大台ライン近辺までが当面の下値サポート候補に。高値更新へと向かえば7260円程度までが短期上値目標に。
週間ベースでは+39円、0.55%の反発。月間では+388円、5.72%の大幅高で3ヵ月ぶりの反発。5月(+566円、8.38%)に次いで今年2番めの急騰。
プラチナ価格は+34円、0.84%高で3日ぶりの反発。10月高値圏での保ち合い下放れに伴う短期下値目安4040円近辺に到達し、9月安値(3536)から10月高値(4195)までの23.6%戻し(4039)達成による一服感からの小反発。ただし上昇トレンドは途切れ、短期的な流れは反落方向へと傾斜、下値警戒感も燻る状況にも。4030円割れへと向かえば、下げ止まった90日移動平均線(3989)近辺までが下値目安に。反発方向へは10月高値から安値までの38.2%戻し(4096)近辺、4100円の大台回復できれば地合い回復方向へ。
週間では-99円、2.38%の続落。月間では+336円、9.0%の大幅高で6ヵ月ぶりの反発。2月(+600円、15.37%)に次いで今年2番めの急騰。過去5年間では3番めの上昇率、上げ幅では2番め。
※参考:金プラチナ国内価格10/29とチャート
- 2021年10月29日(金)時点の相場
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国内金 : 7,174 円 10/29(金) ▲5(0.07%) 国内プラチナ : 4,068 円 10/29(金) ▲34(0.84%) NY金 : 1,802.6 ドル 10/28(木) ▲3.8(0.21%) NYプラチナ : 1,023.9 ドル 10/28(木) ▲4.6(0.45%) ドル円 : 113.55 円 10/28(木) ▼0.27(0.24%)
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