金プラチナ短期相場観
2月は混戦模様、ユーロ圏製造業PMIランキング
更新日:2022年3月2日(水)
2月のユーロ圏製造業PMIは58.2。速報値から-0.2、前月からは-0.5ポイントとなって2ヵ月ぶりの低水準。昨年3月から8月までの半年間60台の高水準での推移後、9月以降の半年間は58ポイント台での推移。節目50超は1年8ヵ月連続となり、ピークアウト後も減速は限定的、という状態が続きます。
オミクロン株の流行にもコロナとの共存で経済回復は進行、供給問題も緩和され、需要増に支えられてユーロ圏の製造業は好調を持続。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2022年2月>
1:オランダ=60.6=前月比+0.5で2ヵ月連続60超。50超は19ヵ月連続。10ヵ月から1-2-4-2-1位。
2:ドイツ=58.4=前月比-1.4で2ヵ月ぶり低水準、20ヵ月連続50超。10月から6-6-6-3-2位。
3:オーストリア=58.4=前月比-3.1の急低下で3ヵ月ぶり低水準。50超は20ヵ月連続。10月から4-5-3-1-3位。
4:イタリア=58.3=11ヵ月ぶり低水準の前月から変わらず、50超は20ヵ月連続。10月から3-1-1-5-4位。
5:アイルランド=57.8=前月比-1.6で11ヵ月ぶり低水準。21ヵ月連続50超。10月から2-3-5-4-5位。
6:ギリシャ=57.8=前月比-0.1で7ヵ月ぶり低水準。12ヵ月連続50超。10月から5-4-2-6-6位。
7:フランス=57.2=前月比+1.7で半年ぶり高水準。15ヵ月連続50超。10月から8-8-8-8-7位。最下位脱出は7ヵ月ぶり。
8:スペイン=56.9=前月比+0.7で3ヵ月ぶり高水準。13ヵ月連続50超。10月から7-7-7-7-8位。最下位は13ヵ月ぶり。
オランダ以外の上位グループ低下と下位グループの上昇で混戦状態に。スペイン、フランスは下位独占7ヵ月めで順位は逆転。低下したアイルランドと入れ替わり、イタリアが南欧勢で唯一上位グループ入り。
ウクライナ情勢が劇的に回復しない限り、3月以降はロシアへの経済制裁の反動から、ユーロ圏製造業PMIの減速傾向も予想されます。
1日のNY金相場は+43.1ドル、2.27%の大幅続伸。上げ幅は今年の絶対値平均13.3ドルの3.2倍で今年最大、昨年1月4日(+51.5ドル、2.72%)以来、1年2ヵ月ぶりの急騰。水準としてもその翌日、1月5日(1954.4)以来、1年2ヵ月ぶりの高値。ウクライナ各地でロシア軍による攻撃の勢いが増し、金融制裁による双方へのダメージも懸念されてリスク回避の勢いも増す状況に。NY原油価格はNY終値でも100ドルを超え、2014年7月22日(104.4)以来7年7ヵ月ぶりの高値となり、ドイツDAXも1年ぶり安値へと急落、ユーロドルも1年9ヵ月ぶりのドル高ユーロ安水準。通貨ロシアルーブルは1ヵ月前の1ドル=76ルーブル台から101ルーブル台へと30%超の暴落。制裁によって為替介入がほぼ封じられたロシア中銀は週明けに緊急利上げを余儀なくされたものの、通貨暴落とインフレはロシア国民への相当なダメージとなることも避けられず、軍事侵攻の行方とともに、戦後のロシア絡みの経済状況への警戒感も。
1900ドル台からNY引けにかけて一時1950ドル台まで上昇したNY金は引け後も1940ドル台半ばを維持しての推移。1930ドルの節目超えに伴う短期上値目標1950ドル近辺へと上昇し、一服状態からの多少の調整も。下値サポートは1880ドル台。
NYプラチナは+13.2ドル、1.27%高で4日ぶりの反発。時間外は1040ドル台から金に追随する形でロンドン市場にかけて1060ドル近辺まで上昇。パラジウムが半年ぶりに2700ドル台まで急騰したNY市場では1060ドル台半ばまで急騰も、パラジウムの失速に合わせてNY午後には1040ドル台へと急反落と乱高下。引けにかけては1050ドル台を回復。高値保合い下方ブレイク後の下値目安1050ドル近辺で下げ止まれずに20日移動平均線(1046.9)割れも一時的にとどまり、下値目安1050ドル近辺に戻して一服。1030ドル台が目先の下値サポートとなり、あらためてこれを割り込むようなら一段安へ、1020ドル前後までが下値目安に。
ドル円は6銭ほどのドル安円高、0.05%の小幅続落。2月21日(114.75)以来、1週間ぶりの安値。前日NY終盤までの下落局面からの自律反発の流れは東京朝まで続き、115円付近から115円30銭付近まで上昇して失速。ロシア軍による攻撃激化が報じられるとともにリスク回避の流れが強まり、株安に原油高、ユーロ安・ドル高・円高の流れとなってドル円では欧州時間にかけて円高の勢いが上回って115円割れ。しかし下値サポート114円70銭付近では下げ渋る状態が続き、NY終盤まで114円90銭近辺までのレンジで保合い推移。今朝の東京市場では115円を回復。底堅さを確認した114円70銭から115円60銭までのレンジで保合い継続の様相でウクライナ情勢を注視しながらバイデン大統領の一般教書演説、パウエルFRB議長の議会証言、週末の雇用統計待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/1終値とチャート
2日の国内金価格は+133円、1.73%の大幅反発。2日ぶりに今年6度めの過去最高値更新。上げ幅としては今年の絶対値平均40円の3.3倍、今年最大で昨年11月11日(+153円、2.11%)以来、3ヵ月半ぶりの急騰。高値更新の場合に意識された7800円の大台を軽々突破、想定可能な短期行き過ぎ水準7850円近辺も目前に。下値サポートは7690円、これを割り込むようなら7630円程度までの調整も。
プラチナ価格は+54円、1.29%の反発。4300円の節目割れに伴う短期下値目安4240円近辺を突き抜けての一段安からの巻き戻しで4240円近辺を回復。21日移動平均線(4194)をわずかに下抜けたところからも切り返し、2本のサポートライン割れに伴う上昇トレンド崩れを一時的な下振れにとどめようかという状態にも。その為には9日移動平均線(4285)回復が目安に。下値サポート4180円を割れると調整再開、4140円近辺までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格3/2とチャート
- 2022年3月2日(水)時点の相場
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国内金 : 7,825 円 3/2(水) ▲133(1.73%) 国内プラチナ : 4,239 円 3/2(水) ▲54(1.29%) NY金 : 1,943.8 ドル 3/1(火) ▲43.1(2.27%) NYプラチナ : 1,051.9 ドル 3/1(火) ▲13.2(1.27%) ドル円 : 114.90 円 3/1(火) ▼0.06(0.05%)
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