金プラチナ短期相場観
3月FOMC直前、年末FF金利見通しは7回利上げで1.825%が最有力
更新日:2022年3月15日(火)
利上げフェーズがスタートする3月FOMC直前、14日時点でのCMEフェドウォッチでは3月FOMCでのFF金利予想は25-50ベーシス、0.25-0.50%が98.3%となって0.25%利上げが鉄板状態。これを上回っても下回ってもサプライズに。なお、残り1.7%は50-75、0.50%利上げ予想がわずかに残る状態。
市場の注目はドットチャート。2022年末のFF金利見通しの有力候補としては175-200、0.25%換算×7回分。中央値で1.825%が最有力。3月以降12月まで全7回のFOMCで毎回0.25%づつの利上げが基本シナリオに。
ただし、織り込み度合いとしては34.2%にとどまり、バラツキも。
2番めには200-225、0.25%×8回分、中央値で2.175%。直近で150-175(0.25%×6回分、中央値1.625%)をかわして28.2%となって2位浮上。
強いて言えば年内には0.25%×6回、7回、8回が三つ巴の攻防。これを大きくハズレるようならサプライスにも。
なお、7回予想が初めて1位に浮上したのは2月10日、米1月CPIが前年比+7.5%となった時。その後ロシアによるウクライナ侵攻を受けて利上げ予想も混沌、一時的には5回予想が33%台でトップとなる場面もあったものの、6回予想が30%台前半をしばらく維持して1位を維持。しかしこれも続かず、インフレ懸念が再び意識されて米2月CPIが40年ぶり高インフレとなる+7.8%となり、6回予想は急低下、7回予想は30%台で高止まり。
ウクライナ情勢とともに米インフレ動向と利上げ見通しも、予断を許さない状況が続きます。
14日のNY金相場は-24.2ドル、1.22%の続落。3月3日(1935.9)以来、10日ぶりの安値。先週末からの調整局面が継続、時間外スタート時点で瞬間的に1990ドル台半ばまで上昇したのが高値となって水準を切り下げると、アジア時間には1980ドルがほぼ上限となっての揉み合い推移。ロンドン・NY市場にかけては米10年債利回りが2019年6月以来、2年9ヵ月ぶり高水準となる2.1%台まで上昇した流れに連れて軟調推移。NY市場では1960ドルを挟んでの攻防状態となり、NY引け後には1950ドル台半ばへと収束。ウクライナとロシアの協議継続に伴う状況緩和期待とFOMCでのタカ派傾斜への思惑などから金利上昇、ドル高優勢となって金の調整圧力が強まった格好に。高値保ち合い下限となっていた1980ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1960ドル近辺にしっかり到達してなお下押し圧力が続く様子も。FOMC結果確認までは一服感や自律反発とはなり難い状態にも。1月末安値から3月高値の38.2%戻し(1964.9)では下げ止まらず、もう一段下押し圧力が強まるようだど50%戻し(1929.7)、3月初旬の安値圏1920ドル台辺りまでが次の下値目安にも。
NYプラチナは-36.3ドル、3.33%安で4日続落。今年の絶対値平均騰落値幅17.8ドルの倍以上で今年3番めの急落となり、3月1日(1051.9)以来2週間ぶりの安値。週明け時間外スタート時点で先週末高値をわずかに上回る1100ドルまで上昇して戻り売り。1080ドル割れへと急反落後には上昇軌道を維持する20日移動平均線(1077.1)に支えられる形でいったんは下げ渋り、しかしこれを割れると一段安。ロンドン市場で1060ドルを割れるとNY市場では揉み合いながらも上値を切り下げ、NY引けにかけては1050ドル割れ。調整局面入りの様相にもなり、2月末安値圏1030ドル台後半を割れるともう一段の下値模索の展開にも、1000ドルの大台ラインとの攻防も視野に。
金との価格差は908.5ドルとなり、2020年11月20日(915.2)以来、1年4ヵ月ぶりの水準まで拡大。
ドル円は89銭のドル高円安、0.76%高となって6日続伸。6日続伸は昨年9月以来、半年ぶり。終値ベースでは2016年2月2日(119.96)以来、6年1ヵ月ぶりのドル高円安水準。高値ではNY終盤に118円20銭台まで上昇し、2017年1月3日高値(118.61)以来、5年2ヵ月ぶり高値。先週末からの堅調推移が持続する形で週明け東京市場朝の117円30銭近辺が安値となり、時間外の米10年債利回りが2%台へと水準を切り上げてスタートしたことにも連れ、東京午前のうちに117円80銭台へと上昇。揉み合いをはさんで欧州時間には米10年債利回りが2.1%付近へと水準を切り上げたことにもサポートされて118円トライへ。NY午後にはさらに水準を切り上げ、今朝の東京市場では一時118円40銭台を試す場面も。短中期上値目標、2016年12月と2017年1月高値118円60銭台にも急接近となり、FOMCの結果を待たずしてこれをクリアする可能性も。その次の目標水準としては120円の大台が意識されることにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート
15日の国内金価格は前日から-53円、0.65%の下落。FOMCを前に調整圧力が若干強まる状態となり、過去2番めの高値水準8100円台を維持できず、8090円台の節目を割れて高値保ち合い崩れ。NY金が下げ渋るようなら9日移動平均線(8054)にもサポートされて強気相場をなんとか維持する可能性も。そうならなければ一段安へ、一定のドル円サポートがあれば下値目安は8030円程度までにとどまる可能性も、少し勢いづけば8000円割れへ、7970円近辺までが下値目安にも。
プラチナ価格は-91円、2.09%の反落。急落後の小反発もデッド・キャット・バウンスとなっての一段安で3月2日(4239)以来、2週間ぶりの安値。21日移動平均線(4323)も大きく割り込んで上昇トレンド崩れからの調整局面拡大で下落トレンド入りの様相にも。4330円の節目割れに伴う短期下値目安4280円程度もオーバーラン。通常なら若干の揺り戻しも想定可能な状況も、FOMCが意識されてNY金の軟調推移継続にNYプラチナも追随する展開となった場合には4100円台前半も意識される可能性も。
金との価格差は3821円となり、2020年11月9日(3826)以来、1年4ヵ月ぶりの水準まで拡大。
※参考:金プラチナ国内価格3/15とチャート
- 2022年3月15日(火)時点の相場
-
国内金 : 8,078 円 3/15(火) ▼53(0.65%) 国内プラチナ : 4,257 円 3/15(火) ▼91(2.09%) NY金 : 1,960.8 ドル 3/14(月) ▼24.2(1.22%) NYプラチナ : 1,052.3 ドル 3/14(月) ▼36.3(3.33%) ドル円 : 118.19 円 3/14(月) ▲0.89(0.76%)
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