金プラチナ短期相場観

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とまらない世界同時高インフレ~主要国の消費者物価CPI

更新日:2022年4月7日(木)

OECD・主要国消費者物価(CPI)の推移 2022年2月6日に公表された3月FOMC議事要旨では、多数のメンバが0.5%利上げを支持していたものの、ロシアのウクライナ侵攻による短期的な不透明感を考慮して0.25%にとどめていたことが判明。

そんななか、年明け以降の世界各国の物価高騰はとまらず、世界同時高インフレの様相となってきています。
OECDが公開している各国の月次CPI(前年比)データによれば、主要国のなかで2月CPIが最高水準となったのは米国。OECDやG20、ユーロ圏なども追随する展開に。
<2月CPI一覧>
・米国:+7.87%=1982年1月(8.39)以来、40年1ヵ月ぶり高水準
・OECD:+7.73%=1990年11月(7.83)以来、31年3ヵ月ぶり高水準
・G20:+6.79%=1999年5月(6.80)以来、22年9ヵ月ぶり高水準
・ユーロ圏:+5.87%=1991年7月(5.20)以来、30年7ヵ月ぶり高水準
・英国:+5.48%=1992年3月(6.26)以来、29年11ヵ月ぶり高水準
・日本:+0.90%=2019年4月(0.91)以来、2年10ヵ月ぶり高水準
なお、ドイツは+5.14%で29年半ぶり高水準となった12月(5.31)には届かず、韓国は+3.67%で9年11ヵ月ぶり高水準となった11月(3.78)を下回る水準での推移。

その他新興国では、トルコが+54.44%で1月の48.69%から一段高、独自通貨政策によるリラ安とともにハイパーインフレ状態。
渦中のロシアは2月時点では+9.16%(1月は8.74)。今後さらなる高騰が予想されます。
慢性的な高インフレに苦しむ南アフリカは+5.66%、4年9ヵ月ぶり高水準となった12月の5.9%からは低下。
中国は+0.9%で横ばい推移。上海でのロックダウンなどゼロコロナ政策が続き、景気減速で消費低迷、中銀の目標3%前後を大きく下回る状態での推移が継続。世界に逆行。
一部の低インフレ国を除けば、インフレ加速状態は続き、ペルーやスリランカなど一部新興国では高インフレで暴動騒ぎとなっている国もあるようです。

ウクライナ戦争が長期化し、インフレ高騰収束にも想定外に時間を要し、早期に大幅利上げすべきだったと後悔することのないよう、祈るばかりです。

NY金・日足チャート 2022/3/3 - 4/66日のNY金相場は-4.4ドル、0.23%の小幅続落で3月29日(1918.0)以来、1週間ぶりの安値。1920ドル台を中心とする小幅保ち合い推移に終始。ロンドン・NY市場では一時的に1920ドル割れも、高値でも1930ドル台半ばまでに留まり、ゆるやかに低下する20日移動平均線(1941.1)に抵抗感も。タカ派鮮明化が予想されたFOMC議事要旨への警戒感や3年ぶり高水準へと上昇した米10年利回りとドル高優勢地合いが重石となり、地政学リスクとのせめぎ合いによる膠着状態に。この日の変動値幅は21.4ドル、今年の平均30.1ドルの7割程で2月18日以来、1ヵ月半ぶりの小動き。引き続き1920-40ドルのレンジを維持した小幅保ち合いを下方ブレイクなら下値目標1860ドル台へ、上方ブレイクなら2000ドルの大台近辺再トライへ。

NYプラチナ・日足チャート 2022/3/3 - 4/6NYプラチナは-20.0ドル、2.06%の続落で1月10日(933.6)以来、3ヵ月ぶりの安値。970ドルを挟んでの小幅保ち合い推移で下げ渋ったのはアジア時間まで、ロンドン序盤に一時970ドル台半ばまで反発したのが高値となって戻り売り。NY朝に960ドルを割れるとNY午後には950ドルでいったん底打ち、950ドル台半ばへと小幅反発。970ドル台の節目割れに伴う下値目安、12月安値から3月高値の76.4%戻し(959.4)、3月末安値957.4ドル近辺などをクリアして一服。一服感と過熱感を振り切ってのさらなる行き過ぎ警戒水準としては1月安値圏930ドル台。
金との価格差は970ドル、価格水準を上回って1年5ヵ月ぶりの水準まで拡大。

ドル円・日足チャート 2022/3/3 - 4/6ドル円は19銭のドル高円安、0.15%高で4日続伸。前日までの流れを受け継ぐ形で米10年債利回りが2.6%台へと一段高となり、ドル高の流れが強まった東京朝には123円50銭台から124円台まで上昇。しかし124円ラインでの抵抗感も強く、123円60銭台まで急反落、その後は123円80銭台を中心に小幅揉み合い推移の展開に。NY午後、想定の範囲内とも言えるタカ派的なFOMC議事要旨公表後には一時123円40銭台まで急落する場面もあったものの、一時的にとどまって123円90銭台まで急反発。今朝の東京市場でも124円手前で頭打ち、123円半ばへと調整の動きからスタート。目先。材料不足からも上値トライ一服にも。次の重要イベントは12日の米3月CPI。124円の節目との攻防を突破した場合には2015年6月高値125円80銭台トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/6終値とチャート

7日の国内金価格は+23円、0.28%高で3日続伸。3月28日(8396)以来、10日ぶりの高値。9日移動平均線(8317)との乖離幅を拡大して最高値近辺での推移も、下落に転じた9日線が失速感も示唆。8300円の節目超えに伴う短期上値目標8370円程度にもあと少しのところまで接近し、多少の上昇余地も残しながら、NY金の保ち合いとドル円の上値トライ一服感から調整圧力も強まる状況にも。久々に比較的静かな週末、週明けを迎える可能性も、調整局面が行き過ぎて8260円割れなら8170円台辺りまでの一段安も。上方向への行き過ぎなら8440円台トライへも。

プラチナ価格は-46円、1.1%の続落。3月16日(4099)以来3週間ぶり安値圏での一段安となり、4180円の節目割れに伴う短期下値目安4130円程度に到達。一服感をスルーしてさらなる下値トライとなった場合には、12月安値から3月高値の61.8%戻し(4070)近辺までが意識される可能性も。
金との価格差は4227円。価格水準を大幅に上回り、価格差逆転常態化の2015年1月以降での最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格4/7とチャート

2022年4月7日(木)時点の相場
国内金8,354 円 4/7(木) ▲23(0.28%)
国内プラチナ4,127 円 4/7(木) ▼46(1.10%)
NY金1,923.1 ドル 4/6(水) ▼4.4(0.23%)
NYプラチナ953.1 ドル 4/6(水) ▼20.0(2.06%)
ドル円123.79 円 4/6(水) ▲0.19(0.15%)

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