金プラチナ短期相場観

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ISM景況指数もインフレ高騰示唆、FRBの引き締め加速へ

更新日:2022年4月6日(水)

ISM製造業・非製造業景況指数+価格指数 2022年3月現在FRBの主要メンバーでハト派とされ、次期FRB副議長承認待ちのブレイナード理事は5日、インフレ圧力低下への取り組みが「最優先課題」とし、利上げ継続とともにバランスシート縮小も5月開始の意向を表明。現状の景気回復ペースを考慮すれば、過去の回復局面と比較してかなり急速なペースで縮小することが妥当との考えも。
いわゆるQTについては夏場スタートとの予想もあったこと、ブレイナードFRB理事からの発言はある程度FRB内コンセンサスが前提となっている可能性も高いこと、市場とのコミュニケーションの意図も想定されることなどから、市場は素直に反応。
米10年債利回り急騰とともにドル高の流れも進行、米株安とともに金も売られる展開に。

この日発表された3月のISM非製造業景況指数は58.3となり、2月の56.5からは上昇。11月の68.4でピークアウト後の急低下局面からは4ヵ月ぶりに反発。
そのなかで価格指数は83.8となり、12月の83.9に次ぐ近年最高水準での高止まり。
ISM製造業景況指数の価格指数も年末にかけて急低下していた状態から3月には87.1へと急騰。
製造業、非製造業ともに景況指数は一定の高水準を維持して米経済の底堅さを示すと同時に、インフレ懸念の高止まりも示す状況が続きます。

NY金・日足チャート 2022/3/2 - 4/55日のNY金相場は-6.5ドル、0.34%の反落。1930ドル台を中心とする保ち合い推移は前日ロンドン・NYの時間帯からこの日のロンドン時間まで続き、NY市場では一時1940ドル台後半まで買われる場面もあったものの、ブレイナードFRB理事のタカ派発言を受けて米株とともに戻り売り。米10年債利回りがほぼ3年ぶり高水準となる2.55%台へと急騰した流れにも連れ、NY午後にかけて1920ドル付近まで急反落。ただし、下値サポートの底堅さも確認する形となって下げ渋り。下落し始めた20日移動平均線(1944.3)とともに保ち合い上限を1940ドルへと切り下げて1920ドルまでの保ち合いレンジを縮小。保ち合い長期化に伴うブレイク後の大幅変動への警戒感も徐々に高まる状況にも。今回のFOMC議事要旨には要注意か、下限割れなら1860ドル台辺りまでが下値警戒水準。逆に1940ドル超へと上方ブレイクなら大台再トライへと向う可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2022/3/2 - 4/5NYプラチナは-17.9ドル、1.81%の反落で1月14日(964.6)以来、2ヵ月半ぶりの安値。先週から、ほぼ水平状態の90日移動平均線(1004.9)に上値を押さえられ続けた流れから徐々に下方乖離の展開に。この日の高値は990ドル台前半までに留まり、大台ラインにも決別。時間外から徐々に保ち合い下限を下方拡大する形となり、ロンドン時間からは上値も切り下げてNY午後には970ドル台前半での小幅保ち合い、NY引け後には970ドル割れ。970ドル台の節目割れに伴い下値余地を拡大、12月安値から3月高値の76.4%戻し(959.4)、3月末安値957.4ドル近辺までが短期下値目安。

ドル円・日足チャート 2022/3/2 - 4/5ドル円は85銭のドル高円安、0.69%高となって3日続伸。東京朝には黒田日銀総裁の為替急変動に対する牽制発言を受けて122円80銭台から30銭台へと急変動。その後は122円台半ばでの小康状態を経て欧州時間スタートとともに黒田発言をリセットするように122円90銭台へと急反発。NY市場ではさらに、ブレイナードFRB理事の発言を受けて123円台半ばへと急騰。FRBの引き締め政策加速への思惑から米10年債利回り急騰の流れは今朝の東京市場でも継続、2.6%台へと一段高となった流れに連れてドル円も124円トライの展開に。目先、124円ちょうどの節目をしっかり超えることになれば上値トライ再開へ。短期的には125円台半ばから2015年6月高値125円80銭が上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/5終値とチャート

6日の国内金価格は+6円、0.07%の小幅続伸。3月29日(8335)以来1週間ぶり高値水準での小動き、9日移動平均線(8322)超もなんとか維持。8370円程度の短期上値目標まで、もう一段の上昇余地も、NY金の保ち合い下放れ警戒感が重石にも。急反落となった場合、8260円の節目を割れると8170円台辺りまでを目安に一段安の展開にも。

プラチナ価格は-45円、1.07%安で3日ぶりの反落で3月16日(4099)以来、3週間ぶりの安値。軟調推移が続き、4180円の節目を割れたことでもう一段の下値トライへ、4130円程度までが短期下値目安。短中期的な値幅分析からは、12月安値(3694)から3月高値(4678)の半値戻し(4186)を達成したことから、61.8%戻し(4070)が意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート

2022年4月6日(水)時点の相場
国内金8,331 円 4/6(水) ▲6(0.07%)
国内プラチナ4,173 円 4/6(水) ▼45(1.07%)
NY金1,927.5 ドル 4/5(火) ▼6.5(0.34%)
NYプラチナ973.1 ドル 4/5(火) ▼17.9(1.81%)
ドル円123.60 円 4/5(火) ▲0.85(0.69%)

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