金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PCEインフレ鈍化も高止まり、消費も鈍化でドル反落も

更新日:2022年7月1日(金)

PCE・コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2022年5月5月のPCEインフレは前年比+6.35%。市場予想の+6.4%を下回り、4月の6.29%からは小幅に上昇。3月の前年比+6.64%に次いで40年4ヵ月では2番めの高水準。
コアPCEは前年比+4.69%となって市場予想の+4.8%を下回り、2月の+5.31%をピークに3ヵ月連続の低下、昨年11月(4.69)以来半年ぶりの低水準。
個人消費支出も前月比+0.2%と市場予想の0.4%を下回り、前月分も0.9%から0.6%へと下方修正されて消費落ち込みも意識され、インフレ鈍化の兆しに加えて消費鈍化と景気減速も意識され、株安基調と米10年債利回りの低下に連れてドル安も進行。

なお、PCEインフレのセクタ別では、商品価格も4月の前年比+9.5%から5月は+9.6%へと上昇、サービス価格も+4.6%から+4.7%へと上昇。さらに食品価格は前年比+10.0%から+11.0%へと一段と上昇、エネルギー関連は+30.5%から+35.8%へと大幅上昇。
4月から唯一低下したのは商品のうちの耐久財のみ。4月の前年比+8.4%から5月は+6.6%へと大幅低下となり、11ヵ月ぶり低水準へと減速。ちなみに耐久財以外は+10.2%から+11.4%へと上昇。

また、PCE構成品目の上下20-30%を除いて算出する、ダラス連銀のトリム平均PCEでは前年比+3.96%。16ヵ月連続上昇となり、1990年10月(4.01)以来、31年8ヵ月ぶりの高水準。
PCEの価格変動分布50%台のみで算出する、クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+4.75%。12ヵ月連続上昇し、1983年5月(4.82)以来、39年ぶりの高水準となっています。
コアPCEではインフレ鈍化の兆しも依然高水準、PCEは高止まり、セクタ別、トリム平均やメディアンPCEなど、少し視点を変えるとインフレ加速はまだまだ続いています。

NY金・日足チャート 2022/5/25 - 6/3030日のNY金相場は-10.2ドル、0.56%安となって4日続落。5月13日終値1808.2ドルをわずかに下回り、2月3日(1804.1)以来ほぼ5ヵ月ぶりの安値。時間外序盤に1820ドル台前半で小幅上昇後に戻り売り、ロンドン市場で1810ドルの節目を割れると1800ドルの大台ライン付近まで下落。下げ渋ったNY朝には米5月個人消費支出が低調となったことを受けて長期金利低下とドル安の流れとともに1820ドル台半ばへと急反発。しかし上値も重く、戻り売り圧力にも押される形でNY午後には再び1810ドル割れへ。下落基調再開の9日移動平均線(1827.6)に上値を押さえられ、1810ドルの節目を割り込んだことで短期的には一段安リスクが拡大。下値目安は5月安値1785.0ドルから1780ドル近辺、ダブルボトム形成トライへ。
月間ベースでは-41.1ドル、2.22%安で3ヵ月続落。3ヵ月続落は昨年3月以来1年3ヵ月ぶり。ゆるやかに下降し始めた20ヵ月移動平均線(1820.8)を5ヵ月ぶりに下抜け。

NYプラチナ・日足チャート 2022/5/25 - 6/30NYプラチナは-14.6ドル、1.6%安で3日ぶりの反落。今年安値を更新し、終値ベースで昨年安値となった12月15日(894.2)以来、半年ぶりの安値。時間外序盤に920ドル手前まで小幅上昇後に戻り売り、ロンドン市場で900ドルの大台ラインを抵抗感もなくあっさり割れるとNY朝には一時880ドル割れへと一段安。安値では2020年11月12日(865.0)以来、1年7ヵ月ぶり安値をつけてNY市場での反発局面では900ドルの大台ラインが抵抗線となる形で上値を押さえられ、NY引け後には再び890ドル割れ。900ドルの大台割れに伴う短期下値目安880ドル近辺にいきなり到達し、自律反発も限定的に。短期的には下値トライ一服も、反発方向へは900ドルの大台回復が目先の抵抗に、910ドルの節目を上抜けることができれば930ドル台辺りまでを目安に反発局面形成へ。
月間ベースでは-73.0ドル、7.54%の大幅反落。下げ幅は今年最大、昨年11月(-93.4ドル、9.15%)以来、7ヵ月ぶりの大幅安。

ドル円・日足チャート 2022/5/27 - 6/30ドル円は85銭のドル安円高、0.62%安で5日ぶりの反落。東京朝の136円80銭台が高値となって軟調推移。午後には136円台半ばでの小幅揉み合いが崩れて136円近辺へ、欧州時間には136円割れをかけた攻防状態からの反発も136円40銭台まで、戻り売りの展開からNY朝には低調となった米5月個人消費支出の結果を受けて景気減速懸念、株安にも連れる形で136円割れへと一段安、NY午後には135円50銭台まで下げて下げ渋り。NY引けにかけては反発基調となり、今朝の東京市場では一時136円手前まで反発後には再び戻り売りの様相となって135円50銭割れへ。短期的には137円でいったん頭打ちとなり、調整から高値保合いの様相にも。目先、134円90銭の節目を割れると調整幅拡大へ、133円付近までが下値目安に。136円60銭超へと切り返すことになれば上値トライ再開、138円までが次の短期上値目標に。
月間ベースでは+7.04円、5.47%の大幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/30終値とチャート

1日の国内金価格は-102円、1.17%の大幅安となって5日ぶりの反落。下げ幅は今年の絶対値平均55円の2倍弱、100円超の下落は今年7度め、6月24日(-119円、1.36%)以来1週間ぶりの急落。前日までの4日続伸でも6月24日の水準を超えられず、反落を示唆するパターンが2度続いたこともあり、流れ的にはやむなしの展開にも。それでもPCEインフレが上ブレなら局面打開の展開も予想されたものの、結果的には失敗。短期下値目安は8600円割れへ、反発方向へは8740円が当面の抵抗水準に。これを上抜けた場合には8820円程度までが短期上値目安に。
週間ベースでは-21円、0.24%の反落。

プラチナ価格は-131円、2.96%の大幅安で4日ぶりの反落。下げ幅は今年の絶対値平均56円の2.3倍、今年7番めの急落。水準としては5月31日(4300)以来、1ヵ月ぶりの安値。年初からゆるやかに上昇し続けて下値サポートラインとなってきた90日移動平均線(4331)をまたしても下回り、中期三角保合い下抜けトライ。短期的な流れとしては一段安へと向かう確率は高まり、4200円近辺までが下値目安に。ただしNYプラチナの下値トライ一服感とドル円も下げ渋る可能性もあり、一時的な90日線割れにとどまる可能性も若干程度は。
週間ベースでは-17円、0.39%安で4週続落。4週続落は昨年6月以来、1年ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格7/1とチャート

2022年7月1日(金)時点の相場
国内金8,638 円 7/1(金) ▼102(1.17%)
国内プラチナ4,300 円 7/1(金) ▼131(2.96%)
NY金1,807.3 ドル 6/30(木) ▼10.2(0.56%)
NYプラチナ895.3 ドル 6/30(木) ▼14.6(1.60%)
ドル円135.74 円 6/30(木) ▼0.85(0.62%)

6/30(木)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏6月製造業PMIは1年10ヵ月ぶり低水準、全8カ国が低下 7/2(土)

PCEインフレ鈍化も高止まり、消費も鈍化でドル反落も 7/1(金)

ユーロ圏景況感6月は15ヵ月ぶり低水準、上昇わずか3カ国 6/30(木)

製造業景況感指数6月は主要4地区連銀でマイナス圏入り 6/29(水)

実質実効為替レートは20年ぶりドル高、50年ぶり円安は一服 6/28(火)


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