金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ミシガン大インフレ期待急低下、1%利上げ観測後退も

更新日:2022年7月16日(土)

FRB共通インフレ期待指数 CIE 2022年6月今週水曜日、13日には米6月CPIが前年比+9%超となったことを受けて7月FOMCでの1%利上げへの織り込みが急速に進行。翌14日にはPPI結果やFRB高官の発言を受けて1%利上げ予想はやや後退、やはり0.75%利上げで十分、との見方から五分五分の状況へ。金曜15日には米6月小売売上高が前月比+1.0%と予想を上回る好調を維持し、NY連銀製造業景況指数も前月までのマイナス圏推移から+11.1へと急反発。
6月の輸入物価指数は前年比+10.66%となって3ヵ月連続の低下、PPI(+11.29)との格差は-0.63%に。1年5ヵ月ぶりに輸入物価の伸びが生産者物価の伸びを下回り、1年半ぶりの低水準に。

また、ミシガン大消費者信頼感指数は過去最低となった6月の50.0から7月速報値では51.1へと予想外の反発。期待指数が47.3と6月の47.5からさらに小幅低下となったものの、現況指数は53.8から57.1へと急反発。そしてインフレ期待は1年先の予想が5.2%となって6月の5.3%から鈍化、5ヵ月ぶり低水準に。さらに5年先の予想値は6月の3.1%から2.8%へと急低下。
これら一連の指標結果を受けてドル高の巻戻しも一定程度進行し、7月FOMCでの利上げ織り込み度は0.75%が70%付近まで上昇、1%利上げは30%まで低下してきました。

なお、FRBが実験的に四半期単位で公表するインフレ期待モデル、共通インフレ期待指数(CIE:Common Inflation Expectations)では、6月時点で2.19。前回3月の2.17を小幅に上回り、6四半期連続の上昇で2008年6月(2.20)、リーマンショック直前以来、14年ぶりの高水準となっています。合わせて公表されるミシガン大の5-10年先インフレ期待の四半期単位の数値も6月は3.13となり、6四半期連続上昇で2008年6月(3.16)以来、14年ぶりの高水準。
FRB独自指標では、高インフレへの警戒感はリーマンショック直前と同レベルまで高まる状況にあります。

NY金・日足チャート 2022/6/9 - 7/1515日のNY金相場は-2.2ドル、0.13%の小幅続落。昨年3月30日(1686.0)以来、1年3ヵ月半ぶり安値圏での小動きとなって前日安値を下回らず、いったんは下げ止まりへの可能性も。アジア時間につけた高値では1715ドルを超えられず、NY市場でつけた安値は1695ドル手前まで。ロンドン時間以降は1700ドルの大台割れを何度も試しながらも底堅く、一連の米経済指標結果などを受けて7月FOMCでの1%利上げの可能性が後退した場面での反発も1710ドルを一時的に超えただけ。疑心暗鬼の状態で1700ドル近辺での推移が継続。短期的には下値目安1700ドル近辺到達による一服感とともに1%利上げへの警戒感も払拭し切れず、行き過ぎの展開となれば昨年8月安値1677.9ドル付近までが意識される可能性も継続。トレンド転換に向けての節目は1740ドル。
週間ベースでは-38.7ドル、2.22%安で5週続落。5週続落は2017年7月以来、5年ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2022/6/9 - 7/15NYプラチナは+13.6ドル、1.66%の反発。820ドル近辺の短期下値目安を少しオーバーランした前日、NY引け後には820ドル台へと戻してきた状態から、この日の時間外には再び反落もロンドン時間の810ドル台半ばでしっかり切り返すとNY市場では830ドルを挟んでの揉み合い状態に。810ドル台を下限に840ドルまでが目先の主要レンジとなる可能性。下限を維持できない場合には下値再トライとなって2020年6月安値圏、800ドル割れを試しに行く可能性。840ドル超へと抜け出すことができれば反発局面形成へ、まずは860ドル台回復が短期上値目標に。
週間ベースでは-51.9ドル、5.88%の反落。4月18日からの週(-66.8ドル、6.72%)以来3ヵ月ぶり、今年2番めの大幅安。

ドル円・日足チャート 2022/6/13 - 7/15ドル円は37銭のドル安円高、0.27%安で3日ぶりの反落。東京朝につけた139円10銭台の高値から、小幅揉み合い推移となって徐々に水準を切り下げる展開へ、欧州時間以降は139円ラインが上限となってNY市場でつけた安値は一時的に138円30銭台まで。米6月小売売上高が予想以上に好調を維持し、7月のミシガン大消費者信頼感指数も急速に悪化した6月からは反発し、インフレ期待も低下。7月の1%利上げへの織り込みが急速に後退していく流れに連れるように、徐々に水準を切り下げて138円50銭近辺に収束。それでも急騰した前日の上昇幅の4分の1の調整にとどまり、上値再トライのチャンスをうかがう状態は継続の様相。目先、139円をしっかり超えることになれば140円の節目トライへ。136円80銭が当面の下値サポートに、割れると135円台半ばまでを目安に調整へ。
週間ベースでは+244銭、1.79%高で7週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/15終値とチャート

2022年7月16日(土)時点の相場
国内金8,352 円 7/15(金) ▼11(0.13%)
国内プラチナ4,110 円 7/15(金) ▼19(0.46%)
NY金1,703.6 ドル 7/15(金) ▼2.2(0.13%)
NYプラチナ830.9 ドル 7/15(金) ▲13.6(1.66%)
ドル円138.55 円 7/15(金) ▼0.37(0.27%)

7/15(金)のその他主要マーケット指標

平均時給では伸び率鈍化も中央値では過去最高更新 7/19(火)

ミシガン大インフレ期待急低下、1%利上げ観測後退も 7/16(土)

PPIも高止まり、食品とエネルギーを除けばピークアウト 7/15(金)

消費者物価6月は前年比9%超、実質賃金上昇率は-4% 7/14(木)

ドイツ景況感10年ぶり、ユーロドル20年ぶり低水準でパリティへ 7/13(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ