金プラチナ短期相場観
ドイツIFO景況感7月は期待値低迷、全業種急低下
更新日:2022年7月26日(火)
ドイツの7月IFO企業景況感指数は予想以上に低調。市場予想の90.1を下回る88.6となって続落で2020年6月(85.4)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。3月以降は5ヵ月連続で長期平均97.7を下回る状態が継続。
現況指数は97.7となって続落も3ヵ月ぶり低水準にとどまったのに対し、期待指数は80.3。前月から-5.2の急落で続落、2020年4月(-71.9)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
ノルドストリーム1の天然ガス供給問題など、先行き不透明感が景況感悪化に直結した格好にも。
業種別では、製造業が-7.1。続落で2年ぶり低水準となり、今後の悲観的な見通しは2020年4月以来のレベルに。新規受注も2年ぶりに減少。
サービス業は0.9。前月比-10.0の急反落で1年5ヵ月ぶり低水準。なんとかプラス圏維持も最近の楽観見通しが崩れ始めた様子。
貿易関連は-21.6。続落で5ヵ月連続マイナス圏推移となって2年2ヵ月ぶりの低水準。今後の見通しはますます悪化。
小売は-31.6。続落で1年半ぶり低水準。10ヵ月連続のマイナス圏推移、楽観見通しのセグメントは1つもなし。
建設業は-17.0。反落で3ヵ月ぶり低水準、5ヵ月連続のマイナス圏推移。2010年後半以降の12年間では2番めの低水準。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)が先週末公表した月報では、7-9月期の経済成長率は予想を下回り、9月には政府補助金の終了に伴い、インフレが新たに加速する可能性も示唆。とりわけ、ロシア産ガスの供給減少に伴うエネルギーコストの上昇が成長率低下に大きく影響するとの見方も。
ロシアの天然ガス企業、ガスプロムがこの日発表した内容ではノルドストリーム1の輸送稼働率を20%に削減、とのこと。
エネルギーをロシアに依存してきたドイツは今年後半、非常に厳しい状況に追い込まれることにもなりそうです。
25日のNY金相場は-8.3ドル、0.48%安となって3日ぶりの反落。週明け時間外は概ね1720ドル台を中心に小幅保合い推移、ロンドン時間には一時1730ドル台半ばまで上昇してこの日の高値。先週末の1710ドルの節目超えに伴う短期上値目標1740ドル付近到達後の一服感も続き、上値は限定的。FOMC直前というタイミングから買い圧力も限定的となり、NY市場では1720ドル割れへと失速。1730ドルが目先の抵抗水準となり、1700ドルの下限までが主要レンジにも。サプライズなしのFOMC通過で上方向へと抜け出すことができれば20日移動平均線(1746.9)との攻防を経て1750ドル近辺までが短期上値目標に、タカ派的サプライズなどで下限を割り込むようなことがあれば今年安値更新トライへ、1670ドル割れを試しに行く展開にも。
NYプラチナは+2.1ドル、0.24%の小幅高で3日続伸。7月8日(882.8)以来、半月ぶりの高値。時間外序盤に860ドルを割れて一時850ドル台前半まで下げて切り返し、ロンドン時間には860ドルから870ドル回復トライへ。NY朝に870ドル台半ばまで上昇も週末高値を超えられず、短期上値目標880ドル付近到達後の一服状態からも抜け出せず。それでも一時860ドル割れへと急反落後には870ドル近辺へと急反発。20日移動平均線(862.7)超えも維持して880ドル付近再トライ余地を残す形でFOMC待ちへ。当面の下値サポートは840ドル台、これを割り込むようなことがあれば820ドル近辺、安値圏再トライへ。
ドル円は56銭のドル高円安、0.41%高で3日ぶりの反発。東京朝は先週末からの反発基調継続となって136円10銭台から60銭台まで堅調推移、しかし週末に下抜けたばかりの20日移動平均線(136.86)手前で失速すると136円割れへと急反落。それでもこの日の安値135円90銭近辺で切り返し、136円ラインでの底堅さを確認する形にもなり、東京午後から欧州時間にかけては136円台前半での揉み合い推移。NY市場ではドル買いの流れが若干優勢となる場面もあり、136円40銭近辺から136円70銭台へと上昇。しかしFOMC前で動意も限定的、またしても20日線も抵抗線に。目先は136円ラインを下限に139円までが主要レンジとなり、FOMC後に下限を割れるようだと135円程度までが下値目安に。タカ派的な見通しが示されるなどすると20日線を超えて137円台から138円台トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/25終値とチャート
26日の国内金価格は-26円、0.31%の続落。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8457)がピークアウトとなれば弱気のパーフェクトオーダー完成へ、リーチ状態を維持。上抜けできそうでできない9日移動平均線(8293)とは並行推移。ズルズルと上値を切り下げる形となって8230円の節目割れリスクも高まり、8180円の中期重要水準トライへの警戒感も。ただしRSIは下げ渋る形となって反発への可能性も示唆。8280円台の節目を突破できれば9日線も上抜けへ、8340円台辺りまでが短期上値目標に。
プラチナ価格は+56円、1.36%の反発。7月安値更新トライとなって4000円の大台割れへと向かう可能性もあった流れは一時的な下振れにとどまって切り返し。4100円の中期重要水準にもサポートされる形となり、4150円の節目上抜けへと流れは反転。今度は4300円の大台近辺を短期上値目標に反発局面形成への可能性。ただし、タイミング的にはやや無理があり、原動力にも欠ける状態か。方向性を維持できればFOMC後に反発基調継続となる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格7/26とチャート
- 2022年7月26日(火)時点の相場
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国内金 : 8,245 円 7/26(火) ▼26(0.31%) 国内プラチナ : 4,164 円 7/26(火) ▲56(1.36%) NY金 : 1,719.1 ドル 7/25(月) ▼8.3(0.48%) NYプラチナ : 869.3 ドル 7/25(月) ▲2.1(0.24%) ドル円 : 136.65 円 7/25(月) ▲0.56(0.41%)
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