金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

求人件数は2年ぶり急減も高止まり、インフレ緩和も限定的

更新日:2022年8月3日(水)

米・求人件数と失業者数 2022年6月米6月の求人件数は1069.8万件。市場予想の1100万件を下回り、過去最高となった3月(1185.5)をピークに3ヵ月連続の減少で昨年9月(1067.3)以来、9ヵ月ぶりの低水準。前年同月比では+8.59%となり、2021年1月(+0.99%)以来、1年5ヵ月ぶりの低水準。前月比では-5.35%となり、2020年4月(-20.44)以来、コロナショック時以来2年2ヵ月ぶりの急減。

前回の雇用統計で発表されていた6月の失業者数は591.2万人。これもコロナ後最少を更新し、2020年2月(571.7)以来2年4ヵ月ぶりの低水準。
この結果、失業者1人当たりの求人件数は1.81件。過去最高となった3月(1.99)をピークに3ヵ月連続の減少、2月(1.809)以来4ヵ月ぶりの低水準。
それでも2018年からコロナ前の2020年初旬までのピーク水準1.2件前後を大きく上回る水準。

失業者1人当たりの求人件数もピークアウトの兆しとなり、賃金上昇圧力緩和にはつながる可能性。
しかし、依然として高水準にとどまり、今後のインフレ緩和圧力としては極めて限定的。インフレ圧力は高止まり状態。

このような現状を市場が楽観的に捉えすぎていた状況を是正するように、この日はFRB関係者のタカ派発言が相次ぎました。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は「40年ぶり高インフレとの闘いは完了には程遠い」と警戒感を示し、シカゴ連銀エバンス総裁は9月FOMCでの利上げ幅について「0.5%が妥当となる可能性もあるが0.75%でも問題ないかもしれない」発言。クリーブランド連銀メスター総裁も「インフレは落ち着いていない」ことを再認識すべきとと市場を牽制。

行き過ぎたハト派ムードが是正されたこの日は米10年債利回りと米ドルの反発局面が急速に進行。

NY金・日足チャート 2022/6/28 - 8/22日のNY金相場は+2.0ドル、0.11%の小幅高で5日続伸。5日続伸は4月以来、4ヵ月ぶりで今年3度め。7月1日(1801.5)以来1ヵ月ぶり高値圏で大台回復したことで短期反発局面は一服の様相に。ペロシ米下院議長の台湾訪問騒動でリスク回避の展開となった時間外は1790ドル近辺で高止まり、ロンドン・NY朝にかけての上値トライでは1805ドルの高値をつけて頭打ち。NY午前は大台維持をかけた攻防状態となったものの、NY午後には市場にまん延していた誤った緩和傾斜ムード払拭のため、FRB高官の相次ぐタカ派発言を受けて米10年債利回り急騰とドル高の流れへ。NY引けにかけて1790ドルを割れるとNY引け後の時間外には1770ドル付近まで下落。大台ラインに抵抗感を残したまま、1790ドルが上方向への当面の節目となり、1750ドル近辺が下値サポート候補となって雇用統計待ちへ。

NYプラチナ・日足チャート 2022/6/28 - 8/2NYプラチナは+3.4ドル、0.38%高で3日続伸。6月29日(909.9)以来1ヵ月ぶり高値圏で大台を維持し、さらに上値を目指す動きも金に連れてNY市場で失速。900ドルの大台を維持した時間外からNY朝につけた高値は915ドル。910ドルラインに抵抗感を残して失速するとNY引け後には890ドル近辺まで急反落。目先、浅めのサポート候補としては880ドル近辺、その下には下げ止まった20日移動平均線(864.8)近辺、840ドル台は比較的重要なサポート。これも割れるようだと反発基調も腰折れ、7月安値圏820ドル近辺を目安に下値再トライへも。

ドル円・日足チャート 2022/6/29 - 8/2ドル円は152銭のドル高円安、1.15%高となって5日ぶりの反発。ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡る緊張感から、リスク回避の流れが強まった東京朝には131円60銭台から131円を割れて130円40銭近辺まで急落。6月3日安値(129.68)以来、2ヵ月ぶり安値がこの日の安値となり、130円の大台手前で下げ渋る形にもなり、欧州・NY朝までは130円台半ばから後半での保合い推移。前日時点で4ヵ月ぶり低水準となる2.6%割れまで低下していた米10年債利回りもこの日のNY朝に反発すると2.7%台まで急上昇、複数のFRB高官によるタカ派発言もあり、NY午後にはドル高の流れも追随する形となって131円台を回復したドル円もNY午後には132円台、NY終盤には133円超へと急反発。今朝の東京市場では133円70銭台へと一段高。90日移動平均線(131.30)にもサポートされた形にもなり、調整局面一服となって雇用統計待ちへ。今朝時点で7月高値(139.39)からこの日の安値(130.39)までの38.2%戻し(133.83)を達成しており、さらなる戻りの目安は半値戻し(134.89)から61.8%戻し(135.95)も。下方向へは131円60銭が当面の下値サポートに、これを割れるようだと130円近辺再トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/2終値とチャート

3日の国内金価格は+96円、1.18%高で4日ぶりの反発。8240円の節目割れに伴う短期下値目安8170円近辺到達による達成感からの自立反発局面に、久々の円安サポートが加わっての急反発。中期ダブルトップのネックライン8181円割れを一時的な行き過ぎにとどめる可能性も残し、中期的に重要なサポート水準付近でしっかり下値を支えられた形にも。その可能性を高めるためには8330円の節目上抜けが必要、そうなれば短期的にも8400円の大台回復へ、6月高値から8月安値の38.2%戻し(8432)付近までが当面の上値目標にも。逆に急反発が一時的だった場合、8160円台の安値更新へと向かえば中期サポート割れ本格化、短期的にも一段安となって8060円辺りまでが下値目安にも。

プラチナ価格は+12円、0.38%の続伸。直近安値4100円台の節目割れを回避しての反発局面も思うようには進まず、9日移動平均線(4144)上抜けに苦戦。下降する21日移動平均線(4153)も重石となり、ゆるやかに下降し始めた90日移動平均線(4288)の圧力が強まる前にこれらを上抜けできなければ、反発方向への流れも腰折れとなる可能性。4190円台の節目を突破できれば90日線も上抜けての一段高トライへ、6月高値から7月安値の半値戻し(4376)近辺が上値目標に。4100円台の節目割れなら一段安トライへ、4000円の大台を割れて3900円台前半を目指す流れに。
※参考:金プラチナ国内価格8/3とチャート

2022年8月3日(水)時点の相場
国内金8,264 円 8/3(水) ▲96(1.18%)
国内プラチナ4,139 円 8/3(水) ▲12(0.29%)
NY金1,789.7 ドル 8/2(火) ▲2.0(0.11%)
NYプラチナ905.0 ドル 8/2(火) ▲3.4(0.38%)
ドル円133.13 円 8/2(火) ▲1.52(1.15%)

8/2(火)のその他主要マーケット指標

予想外に強い7月ISM非製造業景況指数は3ヵ月ぶりに反発 8/4(木)

求人件数は2年ぶり急減も高止まり、インフレ緩和も限定的 8/3(水)

ユーロ圏7月製造業PMI、8ヵ国中5ヵ国が節目50割れ 8/2(火)

雲のねじれで底打ち、最高勝率8月に国内金価格反発トライ 8/1(月)

世界の金需要-2022年第2四半期 7/31(日)


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