金プラチナ短期相場観

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20年ぶりドル高水準再トライの勢いに下押し圧力強まるNY金

更新日:2022年8月23日(火)

NY金×ドルインデックス 2022年8月22日週末のジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演に向けてタカ派発言を期待する向きが強まり、米10年債利回りは1ヵ月ぶりに3%台へと上昇、エネルギー問題など様々な逆風も抱えてユーロドルは20年ぶり安値水準となってパリティ割れ。
米国の大幅利上げ観測も再燃、CMEフェドウォッチの9月利上げ確率は0.75%利上げ予想が0.5%利上げを逆転。ドル高円安も再燃となって1ヵ月ぶりの137円台。

ドル高の勢いが急速に強まる状態となり、ドルインデックスは109ポイント付近まで上昇し、これもほぼ20年ぶりの高水準。
20年ぶりドル高水準=20年ぶりドル高圧力となり、足下ではNY金の下押し圧力も強まる状態に。

今年3月以降、急速に逆相関関係を強めてきたNY金とドルインデックスの90日相関係数は-0.90台。8月初旬の-0.926台からはわずかに逆相関が弱まる状態となってピークアウトの兆しも、それでもほぼピーク水準をキープしての逆相関の高止まり状態。
なお、ドルインデックスのピークは7月14日の108.4ポイント台を8月22日に上抜けて108.9ポイント台へと上昇。NY金の終値ベースでの安値のボトムは7月20日の1700.2ドル。足下では1740ドル台までの低下にとどまり、下げ渋る様子も。

今週末、もしくは週明けまでは、現状のドル高地合いが急速に巻き戻される可能性は低いと見ておくべきかもしれません。
このタイミングで9月FOMCに向けてパウエル議長が具体的な数字を挙げて言及することはあり得ないとしても、そこそこのタカ派スタンスを示唆したとして、事実確認での巻戻しとなるまでは、ドル高金安地合いは継続しそうな状況にも。むしろ、それまでの経済指標結果などが材料視されてのドル一段高も警戒され、NY金は1700ドルの大台割れリスクを抱える状態かもしれません。

NY金・日足チャート 2022/7/19 - 8/2222日のNY金相場は-14.5ドル、0.82%安となって6日続落。7月27日(1719.1)以来4週間ぶり安値圏へと一段安。6日続落は7月初旬以来1ヵ月半ぶりで今年2度め。時間外序盤の高値1760ドル台前半から軟調推移、ロンドン市場で1750ドルを割れるとNY朝につけた安値は1740ドル近辺。米10年債利回りが1ヵ月ぶり高水準となる3%台へと上昇し、ロシアから欧州向けの天然ガス・パイプライン、ノルドストリームの3日間営業停止報道を受けてユーロドルがパリティを割れて2002年12月以来ほぼ20年ぶり安値となる0.9920ドル台まで急落するなどドル高の勢いが強まったことも重石に。NY午後には下げ渋っての反発も1740ドル台後半までと限定的。やや売られ過ぎ感も強まるものの、ドル高に押されての軟調局面からは脱し切れす、引き続き行き過ぎ警戒水準として7月安値(1678.4)から8月高値(1824.6)までの61.8%戻し(1734.2)近辺までが意識される状況に。

NYプラチナ・日足チャート 2022/7/19 - 8/22NYプラチナは-20.0ドル、2.25%安で6日続落。7月26日(864.4)以来、4週間ぶりの安値。6日続落は6月以来2ヵ月ぶりで今年2度め。890ドル付近での小幅揉み合い推移はアジア時間に崩れて軟調推移、ロンドン序盤に重要な節目水準880ドルを割れると一段安、NY朝には860ドル割れ。米株の下落に金の軟調推移、パラジウムの急落などにも連れる展開となり、自律反発も860ドル台後半までと限定的に。880ドルの節目割れに伴い、7月安値を大底として形成した逆三尊の両サイドの安値830ドル近辺を下値目安に下値トライ延長の可能性。

ドル円・日足チャート 2022/7/19 - 8/22ドル円は64銭のドル高円安、0.47%高で5日続伸。7月20日(138.27)以来、1ヵ月ぶり高値水準。5日続伸は7月以来1ヵ月ぶりで今年7回め。米10年債利回りが3%台へと上昇した流れに連れて東京午前に136円80銭から137円40銭台まで上昇後、2.95%付近まで低下した流れに連れて欧州序盤には136円70銭近辺まで反落。欧州・NY時間にはユーロドルの急落と米10年債利回りが3.02%台へと再上昇した流れに連れて137円30銭近辺まで反発、NY午後には一時137円60銭台まで上昇。日足レベルでは135円20銭の節目上抜けに伴う短期上値目標137円台にしっかり到達したこによる一服感も、週末のパウエルFRB議長講演に向けてドル高優勢地合いがさらに強まる場面があれば138円台を試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/22終値とチャート

23日の国内金価格は-13円、0.15%安で3日ぶりの反落。円安サポート再開の流れとなるなか、NY金の調整幅拡大を受けて8390円の節目上抜けに伴う高めの短期上値目標8500円付近を目指す流れはいったん巻戻し。8430円台の節目や90日移動平均線(8478)などを意識する前に、9日移動平均線(8404)とともに失速。6月高値から上値を切り下げてきた抵抗線上抜けトライにもいったん失敗。8370円から8420円までの小幅保ち合いレンジを形成し、これを上抜けできれば6月以降の抵抗線再トライへも短期上値目標は8460円程度まで。下限割れの場合には下げ幅拡大、7月末安値圏8250円近辺までが下値目安に。

プラチナ価格は-60円、1.41%安で4日続落。8月4日(4162)以来、20日ぶりの安値。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(4259)を突き抜け、4300円の節目割れに伴う短期下値目安4250円程度も素通り。NYプラチナの880ドル割れの場合の行き過ぎ警戒水準4200円近辺に到達。7月安値(4070)から8月高値(4462)までの61.8%戻し(4220)も達成し、一服感も。さらなる下値警戒水準としては76.4%戻し(4163)近辺。
※参考:金プラチナ国内価格8/23とチャート

2022年8月23日(火)時点の相場
国内金8,404 円 8/23(火) ▼13(0.15%)
国内プラチナ4,207 円 8/23(火) ▼60(1.41%)
NY金1,748.4 ドル 8/22(月) ▼14.5(0.82%)
NYプラチナ868.0 ドル 8/22(月) ▼20.0(2.25%)
ドル円137.52 円 8/22(月) ▲0.64(0.47%)

8/22(月)のその他主要マーケット指標

総合PMI、8月は米欧ともに2ヵ月連続節目50割れ 8/24(水)

20年ぶりドル高水準再トライの勢いに下押し圧力強まるNY金 8/23(火)

重要な節目との攻防続く8月後半の国内金・プラチナ価格 8/22(月)

ドイツの生産者物価指数、7月PPIは前年比+37.2% 8/20(土)

フィラデルフィア連銀は予想外に2年ぶり低水準から急反発 8/19(金)


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