金プラチナ短期相場観

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世界の金需要-2022年第3四半期

更新日:2022年11月2日(水)

世界の金需要・四半期推移 2022年第3四半期ワールド・ゴールド・カウンシルのレポートによれば、2022年第3四半期の世界の金需要は1181.5トン。前期比+214.3トン(22.2%)の大幅増、前年比でも+259.5トン(28.2%)となり、2四半期ぶりの高水準。
中央銀行の買い越し量が倍増、現物投資需要も大幅増。
<目的別需要>
■宝飾品:581.7トン※3四半期ぶり高水準。前期比+90.0トン(18.3%)、前年比+66.5トン(12.9%)。シェア49.2%※2四半期ぶり低水準。
■産業用:76.7トン※9四半期ぶり低水準。前期比-1.8トン(-2.3%)、前年比-6.7トン(-8.1%)。シェア6.5%※2四半期ぶり低水準
■投資:123.8トン※少なくとも2010年以降では最低。前期比-87.2トン(-41.3%)、前年比-109.0トン(-46.8%)。シェア10.5%※5少なくとも2010年以降では最低。
■中央銀行:399.3トン※8四半期連続買い越し、過去最高。前期比+213.2トン(+114.6%)、前年比+308.7トン(+340.9%)。シェア33.8%※少なくとも2010年以降では最高。トルコ、ウズベキスタン、インド、カタールなどで大幅増。

世界の金投資需要と金価格・四半期推移 2022年第3四半期<投資需要・内訳>
■現物:351.1トン※6四半期ぶり高水準。前期比+101.4トン(40.6%)、前年比+92.3トン(35.7%) 
■ETF:-227.3トン※2四半期連続、9年1四半期ぶりの大幅売り越し。前期は38.7トンの売り越し。

インドと中国の金消費需要・四半期推移 2022年第3四半期<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要は932.8トン。前期比+191.4トン(25.8%)、前年比+158.8トン(20.5%)で3四半期ぶり高水準。全需要に対するシェアは79.0%で3四半期ぶり高水準。
★1位中国、2位インド。4四半期連続でトップ2は入れ替わり。中国の宝飾品需要は163.4トンで2四半期ぶり高水準。インドの宝飾品需要は146.2トン。過去最高となった2021年第4四半期以来の高水準。現物投資需要は中国が70.1トンで3四半期ぶり高水準、インドも45.4トンで3四半期ぶり高水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは45.58%で3四半期ぶり高水準。

世界の金消費需要上位10カ国 2022年第3四半期<世界の金消費大国>
世界の金消費需要の半分以上を占める上位3カ国はいずれも増加。1位中国は233.5トンで前期比+66.0%、3四半期ぶり高水準、2位インドは191.7トンで前期比+12.3%。3位トルコは57.8トンで+224.9%、少なくとも2010年以降で最大。前期5位から2ランクアップ。
4位米国は前期比-15.7%で2年ぶり低水準、3位から1ランクダウン。5位ドイツは-0.8%で1年ぶり低水準、1ランクダウン。6位イラン+55.8%で3年3四半期ぶり高水準、1ランクアップ。7位ロシアは+0.4%で8年ぶり高水準、5ランクアップ。8位インドネシアは3+55.9%で3年1四半期ぶり高水準、5ランクアップ。9位サウジアラビアは+11%で4年ぶり高水準、順位は変わらず。10位UAE-13%で3四半期ぶり低水準、4ランクダウン。
前期8位のロシアは13位へ、10位のパキスタンは11位へ。日本は7.35トンで3四半期ぶりに最下位を脱出、17位へジャンプアップ。

<リサイクルと供給量>
リサイクルは275.8トンとなって前期比-14.8トン(-5.1%)、6四半期ぶりの低水準。鉱山産出量は949.4トンで前期比+57.8トン(6.5%)。総供給量は1215.2トンとなり、前期比+34.3トン(2.9%)で3四半期ぶり高水準。
<需給バランス>
需給バランスは+33.8トン、2四半期連続の供給余剰。

NY金・日足チャート 2022/9/28 - 11/11日のNY金相場は+9.0ドル、0.55%高で4日ぶりの反発。前日までの軟調推移は時間外序盤に1633.6ドルの安値をつけて切り返し。今年安値圏での保ち合いレンジ1630-70ドルの下限を維持しての反発局面は、米10年債利回り低下とドル安の流れにサポートされてロンドン市場では1650ドルトライ、NY朝には1660ドルにワンタッチ。しかしFOMC直前に1670ドルの節目や20日移動平均線(1667.2)トライを試す程の勢いもなく失速、すると米10月製造業PMIとISM製造業景況指数は予想程落ち込まず、9月求人件数は予想外の増加となって労働市場逼迫継続で賃金上昇圧力持続への思惑からFRBの大幅利上げを正当化、米10年債利回り急騰とドル高の流れに押されて1650ドル割れ。それでもNY引け後には1650ドル付近を維持して反発基調を維持する形でFOMC待ちへ。極端な方針転換は見込まれないFOMC通過後に極端な変動も想定し難い状況ながら、1640ドルに切り上げた下値サポートを割り込むようだと1600ドル近辺トライの流れへ、1670ドルの節目突破なら1700ドルの大台回復への流れへ。

NYプラチナ・日足チャート 2022/9/28 - 11/1NYプラチナは+20.4ドル、2.19%高で3日ぶりの反発。前日下落分を取り戻して2日間の大幅下落の半値戻しとなり、200日移動平均線(948.8)を再度上抜け。時間外序盤の930.8ドルが安値となって反発へ、前日安値を下回らずに切り返すとロンドン市場で950ドル、NY朝には960ドル台まで上昇。960ドル台を維持できずに反落もNY引け後には950ドル近辺を維持。9月以降の上昇トレンドを維持する形で下値サポートを930ドルへと切り上げ、970ドルの上限までを短期主要レンジに上値トライへのチャンスをうかがう展開にも。上限突破できれば大台手前、990ドル近辺までが短期上値目標、下限を割れると調整局面へ、900ドル近辺までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2022/9/28 - 11/1ドル円は50銭のドル安円高、0.34%安で3日ぶりの反落。前日までの反発局面はFOMC前に一服となって調整。前日高値が超えられないまま、東京朝の148円80銭台が高値となって軟調推移、東京市場終了後に148円を割れると米長期金利低下とドル安の流れが強まった欧州時間には147円ちょうど近辺まで下落。瞬間的には147円割れも、147円ラインは意外に底堅く、NY市場では米指標がいずれも好結果となってことを受けて米10年債利回りが3.9%台半ばから4%台へと急反発、ドル高も追髄する形となって148円20銭台へと急反発。今朝の東京市場では米10年債利回り低下とともに147円20銭台まで急低下。FOMC直前に落ち着かない展開となり、祝日で休場となる東京市場早朝の時間帯からの、荒れた展開を予感させるような値動きにも。149円前後の抵抗帯を上抜けることになれば152円再トライへ、下方向へは146円台辺りまでは下げやすく、146円台前半でサポートされない場合には調整再開で144円台までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/1終値とチャート

2日の国内金価格は+35円、0.41%の反発で10月26日(8565)以来、1週間ぶりの高値。8550円の節目割れに伴う下値目安8430円程度までを目指す流れは巻き戻されて節目近辺まで反発。9月安値(8280)から10月高値(8726)までの半値戻し(8503)付近でサポートされ、38.2%戻し(8556)付近まで戻した格好にも。ただしこの近辺には9日移動平均線(8561)、すぐ上には21日移動平均線(8592)なども集中し、上値の重さを象徴するような構図にも。短期的には軟調気味ながらも保ち合い傾向の展開にも。8510円の節目を割れるようだと8400円台半ば辺りまで下値余地拡大も。

プラチナ価格は+63円、1.31%高で3日ぶりの反発。9日移動平均線(4812)にサポートされ、強気のパーフェクトオーダーを維持しての堅調推移。今年高値圏での保ち合い下限を切り上げる形で上値再トライの様相にも。ただし流れとしては失速感もあり、タイミング的にもやや難しい局面でのアタックに。FOMCでハト派観測が若干強まって株高とNY金もやや上昇、ドル円の下げも限定的、といった展開となれば上値トライにも。4870円超へと抜け出せば4900円台半ば辺りを目指す流れへ、逆に4790円を割れるようだと4700円近辺を目安に調整局面入り。
※参考:金プラチナ国内価格11/2とチャート

2022年11月2日(水)時点の相場
国内金8,549 円 11/2(水) ▲35(0.41%)
国内プラチナ4,855 円 11/2(水) ▲63(1.31%)
NY金1,649.7 ドル 11/1(火) ▲9.0(0.55%)
NYプラチナ950.5 ドル 11/1(火) ▲20.4(2.19%)
ドル円148.24 円 11/1(火) ▼0.50(0.34%)

11/1(火)のその他主要マーケット指標

予定通り4回めの0.75%利上げで4%へ、最終5%なら160円も? 11/3(木)

世界の金需要-2022年第3四半期 11/2(水)

11月FOMC直前、市場予想は年内4.625%、終着点は5月に5.125% 11/1(火)

国内金は長期上昇も短中期保合い、プラチナは短中長期上昇へ 10/31(月)

PCEインフレ、9月は予想を下回るも依然高止まり 10/29(土)


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