金プラチナ短期相場観
ドイツ10月PPIは依然高水準も、予想外の急減速
更新日:2022年11月22日(火)
ワールドカップで日本のグループステージ初戦の相手、ドイツはサッカー大国であるとともに、今やユーロ圏のインフレを牽引するインフレ大国とも言える状態。
そんなドイツの10月PPIは、前月比-4.2%。市場予想の+0.6%に反してまさかのマイナス。前月比マイナスは2020年5月(-0.4%)、コロナショック時以来、2年5ヵ月ぶり。
前年比では+34.5%。これも市場予想の+42.1%を大幅に下回り、8月と9月の前年比+45.8%からは急減速。あまりに高水準過ぎてイマイチ感覚としてはよくわかりませんが、前年比でも高止まり状態から10%以上も急低下し、ピークアウトの可能性は高まります。
ただし、エネルギーを除くPPIでは前年比+13.7%となり、9月の+14.0%からは小幅減速に留まり、依然10%超の高水準。それでも今年5月の前年比+16.5%がピークとなり、その後はゆるやかながらも低下傾向となりピークアウト基調を維持。
PPIでは、エネルギー価格が占める割合が大きく、その変動率も大きいために今回のような結果となったようです。また、エネルギー以外でもエネルギー価格の影響を少なからず受けるものも多いため、エネルギーを除くPPIでも高止まり状態となっているようです。
この結果、PPIとCPIとの格差は9月の35.8%から10月は24.1%へと急縮小。しかし、依然高水準でCPI自体も10月は前年比+10.4%。9月の+10.0%から小幅に上昇し、過去最高を更新して2ヵ月連続10%超の高止まり。
消費者レベルでのインフレ鈍化には、まだ時間を要しそうです。
日本サッカーにとってもドイツの壁は依然高く、簡単には超えられそうにはないものの、時に予想外の展開も?
21日のNY金相場は-14.8ドル、0.84%安で5日続落。11月9日(1713.7)以来、2週間ぶりの安値。5日続落は9月以来、2ヵ月半ぶりで今年5度め。週明けも1755ドルの高値から軟調推移、アジア時間に1750ドルを割れるとロンドン市場ではドル高の流れにも押されて一時1740ドル割れトライ、NY市場で1740ドル台後半まで反発もNY午後には米10年債利回り上昇に連れて戻り売り。安値では1730ドル台前半まで下げてNY引け後には1740ドル回復トライ。11月前半の急騰局面の38.2%戻し(1725.5)の少し手前まで下げ、一定の調整をこなした状態にもなり、下げ止まった90日移動平均線(1718.0)を含めて1720ドル近辺までがそれなりのサポート水準となる可能性も。
NYプラチナは+3.6ドル、0.37%高となって7日ぶりの反発。週明け時間外も980ドル台後半から軟調推移、金の軟調推移にも連れてロンドン市場では一時970ドルまで下落。990ドル台の節目割れに伴う短期下値目安970ドル近辺到達による達成感もあり、反発後のNY市場での戻り売り局面でも970ドル台後半で下げ渋り、NY午後には980ドル台後半から990ドル回復トライへ。結果的に下値トライ一服で下ヒゲ十字線を形成、調整一服となる可能性も示唆。
ドル円は172銭のドル高円安、1.23%高となって4日続伸。11月9日(146.39)以来、2週間ぶりの高値。140円30銭台を中心に小幅保ち合い推移となり、節目の140円超を維持し続けた週明け東京市場終了後に米10年債利回り上昇とともにドル高の流れも強まって堅調推移。欧州時間に141円を回復し、141円台後半へと一段高、NY市場では142円トライ。一時141円30銭台までの反落も押し目となってNY午後には142円20銭台まで上昇。140円の節目超えに伴う短期上値目標142円台前半に到達した一服感から、今朝の東京市場では142円割れ。8営業日ぶりに上抜けた90日移動平均線(141.48)が目先のサポート候補にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/21終値とチャート
22日の国内金価格は+59円、0.68%高で5日ぶりの反発。3日分の下げを取り戻して16日(8686)以来、1週間ぶりの水準を回復。8630円の節目をわずかに割り込み、これに伴う短期下値目安8570円近辺までの下値トライへの可能性は巻き戻され、高値圏での保ち合い回帰。中期的にも今年春以降の保ち合いレンジ中央値(8514)近辺へと収束するような流れとはならず、9月高値と10月安値を起点とする斜行三角保ち合い形成の様相に。目先は8720円と8620円が上下の節目、上抜けると8800円の大台トライへ、下抜けると今年春以降のレンジ中央付近へ、8530円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+101円、2.11%高で7日ぶりの反発。11月16日(4931)以来、1週間ぶりの高値。NYプラチナの下値トライ一服にサポートされ、ドル円の反発によって押し上げられた格好。NYプラチナの自律反発が続くようなら、あらためて高値圏での保ち合い形成の展開にも。ただしドル円の反発一服の兆しもあり、若干の戻り売り圧力にも。目先、4780円を維持できないようなら一段安の展開へ、11月安値圏4740円近辺までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格11/22とチャート
- 2022年11月22日(火)時点の相場
-
国内金 : 8,686 円 11/22(火) ▲59(0.68%) 国内プラチナ : 4,888 円 11/22(火) ▲101(2.11%) NY金 : 1,739.6 ドル 11/21(月) ▼14.8(0.84%) NYプラチナ : 987.9 ドル 11/21(月) ▲3.6(0.37%) ドル円 : 142.10 円 11/21(月) ▲1.72(1.23%)
ドイツ10月PPIは依然高水準も、予想外の急減速 11/22(火)
斜行三角保合いは傾斜と逆方向へと抜け出しがち 11/21(月)
米住宅市場の低迷続く、中古住宅販売は9ヵ月連続減 11/19(土)
フィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月は予想外の急低下 11/18(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン