金プラチナ短期相場観
斜行三角保合いは傾斜と逆方向へと抜け出しがち
更新日:2022年11月21日(月)
中東初開催のワールドカップ2022カタール大会が開幕し、米国ではサンクス・ギビングとブラック・フライデーの週。少しのお祭りムードとクリスマスから年末年始へと向かう年末商戦もスタートする11月第4週は、ロシアによるウクライナ侵攻から丸9ヵ月が経過。マーケットはインフレ鈍化の兆しを過大評価しての楽観ムードとこれを一時的と見る警戒継続への思惑も交錯、FRBの見方も利上げペース減速派と時期尚早と見る向きとで見方も分かれつつある様子も。
週末まで4日続落となったNY金は週明け時間外に1750ドル台半ばまで小反発後に急反落、1740ドル台半ばへと水準を切り下げてのスタート。6日続落後のNYプラチナの週明けも軟調、980ドル台から970ドル台へと下落。3日続伸で週を跨いだドル円は、週末の水準140円30銭台を中心に保ち合い傾向の週明け。
21日の国内金価格は-49円、0.56%安で4営業日続落。11月8日(8612)以来、2週間ぶりの安値。下げ渋った先週末までの粘りは週を跨いで崩れ始めた兆候も。8630円の節目割れに伴い、高値圏での保ち合い崩れとなって一段安への可能性。右肩上がりの21日移動平均線(8617)も割り込む可能性が高まり、8600円の大台も割り込んで9月安値(8280)から11月高値(8744)までの38.2%戻し(8567)近辺までが短期下値目安に。
一目均衡表では二役好転。雲の上限(8544)を上回る水準を維持し、遅行線は26日前の水準(8611)を上抜けながらも揉み合い状態、転換線(8686)を下抜けて基準線(8619)は少し上回る状態。9月高値と10月安値を起点とし、ゆるやかに上昇する斜行三角保ち合いを形成(の可能性)、目先はこの下限ラインが通過する8600円の大台近辺にサポートされるかどうか。確率的にこれを下抜けてしまう可能性は低くはなさそうで、雲の上限や6月高値から8月安値の半値戻し(8514)などが短中期的な下値サポート候補にも。年末に向けては、今年春以降の保ち合いレンジのほぼ中央付近に収束するような展開にも。
プラチナ価格は-27円、0.73%安で6日続落。11月4日(4744)以来、2週間ぶり安値を更新。6日続落は8月以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。21日移動平均線(4874)を下抜け、9月安値(4052)から11月高値(5076)までの23.6%戻し(4834)、4800円の大台ラインなど節目を次々と下抜けての一段安。やや乱高下気味の展開からの急騰、そして急反落となったことで過熱感はほぼ中庸。NYプラチナの若干の下げ余地に追随する展開となれば38.2%戻し(4685)辺りまでが意識される可能性も。
一目均衡表では三役好転が崩れて二役好転状態に。足下の急落局面で転換線(4932)と基準線(4829)を一気に下抜け。9月以降、急速に水準を切り上げ、右肩上がりの斜行三角保合いを形成し、モメンタムのピークが切り下がる逆行状態に反して二度の斜行三角保合い上抜け。しかし、その後の急失速からの反転で今度は斜行三角保合い下抜け。しばしば行き過ぎの展開となるプラチナ価格は、「斜行三角保合いは傾斜と逆方向へと抜け出しがち」のセオリーに二度も逆行しながらのようやく下抜け。9月安値から11月高値の38.2%戻しは、今年春以降の保ち合いレンジ上限にも相当し、レジスタンスがサポートに切り替わる可能性も想定。通常なら。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート
- 2022年11月21日(月)時点の相場
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国内金 : 8,627 円 11/21(月) ▼49(0.56%) 国内プラチナ : 4,787 円 11/21(月) ▼27(0.56%) NY金 : 1,754.4 ドル 11/18(金) ▼8.6(0.49%) NYプラチナ : 984.3 ドル 11/18(金) ▼7.2(0.73%) ドル円 : 140.38 円 11/18(金) ▲0.19(0.14%)
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