金プラチナ短期相場観
失業保険継続受給者数はいまだコロナ前の低水準以下
更新日:2022年12月30日(金)
12月24日までの週で、米新規失業保険申請件数はトレンドを示す4週移動平均で22.1万件。コロナショック直前の2020年3月上旬には、歴史的低水準となる19万件まで低下していましたが、コロナショックで爆発的に増加した時期を経て、2022年4月には4週移動平均で17万件まで低下。コロナ前の水準を完全回復後は25万件程度までの反動増を経て再度減少、足下では22万件付近での小康状態。
新規失業保険申請件数は、未だ歴史的低水準付近での推移が続きます。
12月17日までの週の失業保険継続受給者数は、トレンドを示す4週移動平均で167.95万人。2022年2月にはコロナ直前の4週移動平均178万人を下回り、その後もさらに減少。今年6月に131.4万人まで減少して底打ち、10月頃までは140万人程度での推移が続き、年末にかけてようやく160万人台へと増加。それでもまだ、コロナ直前の水準にも届かず。
失業保険継続受給者数も、未だ歴史的低水準以下での推移が続きます。
FRBによる大幅利上げフェーズが春以降、10ヵ月にも渡って続いたなかでも米労働市場は底堅さを維持しています。
労働市場の需給ひっ迫状態が続いていることも背景にあり、賃金上昇圧力に繋がってインフレ緩和の阻害要因となるとともに、労働市場堅調ゆえにさらなる利上げ継続も選択肢となる状況は、2023年序盤にかけても続きそうです。
29日のNY金相場は+10.2ドル、0.56%の反発で6月24日(1830.3)以来、半年ぶりの高値。時間外は1810ドル近辺の安値からロンドン市場で一時1820ドル付近まで上昇も、1810ドル付近へと行って来い。NY市場では米10年債利回りが3.8%台後半から前半へと低下し、ドル安の流れとなったことを受けて1820ドル台へと急反発。NY午後には1820ドル台後半まで上昇も、NY引け後には1820ドル近辺へと小反落。11月から下値を切り上げる流れをサポートしてきた20日移動平均線(1806.8)にも下値を支えられ、12月中旬以降の高値圏1820ドル台半ばでの攻防状態に。これをしっかり抜け出すことになれば高値保ち合い上放れ、6月高値圏1870ドル近辺までを短期上値目標に一段高トライへ。切り上げてきた下値は1810ドルが節目となり、これを割れると斜行三角保合い下放れ、1760ドル付近までが短期下値目安に。
NYプラチナは+44.8ドル、4.39%の大幅反発で3月11日(1088.6)以来、9ヵ月半ぶりの高値。上昇率は今年の平均1.67%の2.6倍、今年7番めの急騰。1020ドルを挟んでの小幅保ち合いを経て、NY市場では金の急騰局面に追随、1030ドルの節目を突破するとNY午後には上値目安1050ドル程度に到達。その後も上げ止まらず、NY引け後には1070ドル台まで一段高。先週末の1010ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標1070ドル近辺に少し遅れて到達した格好にも。なおこの日の高値1074.1ドルは11月11日高値と一致、ダブルトップ形状で強めの抵抗線となる可能性も残して短期的には一服感も。ただし方向感は上向きへ。
ドル円は143銭のドル安円高、1.06%安で3日ぶりの反落。2日間で2円弱の急騰局面形成後の反動安。前日高値134円50銭近辺からの軟調推移はこの日の東京午前の時間帯まで続いて133円50銭近辺まで下落。133円半ばでの保ち合い推移となった東京午後から欧州時間を経て、NY市場では米10年債利回り低下の流れを受けてドル安円高急進、133円近辺へと水準を切り下げるとNY午後には133円維持をかけた攻防状態に。今朝の東京市場では軟調局面再開、132円半ばへと一段安。短期上値目安134円到達後は134円半ばが当面の抵抗水準となって反落、今度は132円半ばの下値サポートとの攻防状態に。これを維持できなくなれば年末年始にかけて131円近辺を目安に下値トライ再開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/29終値とチャート
- 2022年12月30日(金)時点の相場
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国内金 : 8,399 円 12/27(火) ▲10(0.12%) 国内プラチナ : 4,740 円 12/27(火) ▲74(1.59%) NY金 : 1,826.0 ドル 12/29(木) ▲10.2(0.56%) NYプラチナ : 1,065.0 ドル 12/29(木) ▲44.8(4.39%) ドル円 : 133.03 円 12/29(木) ▼1.43(1.06%)
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