12月
金プラチナ短期相場観
三役逆転から三役好転、日銀に負けない国内金価格の移り身
更新日：2023年1月16日(月)
昨年末の日銀YCC修正に伴う国内10年債利回り上昇で、年明けの週末には日銀の許容範囲上限0.50％に到達。2015年7月以来、7年半ぶり高水準に到達するとそのまま上限に張り付いて1週間が経過。今週の日銀会合ではさらなる許容変動範囲拡大、あるいはYCC撤廃へ？大規模緩和継続を主張しながらの長期金利調整という日銀の移り身の早さに意表を付かれ、警戒感が高まるなかで市場はさらにその先を織り込むようなせっかちな動きのようにも。米インフレ鈍化の影響もありながらドル円は127円台、7ヵ月半ぶりのドル安円高へと一段安。
年末年始に急速に高まった円高圧力。しかし、それを相殺して余りある急騰局面を形成するNY金。
16日の国内金価格は+28円、0.33％高で3営業日ぶりの反発。日銀政策変更等への警戒感や不透明感、あるいは不信感などから円高圧力が強まるなか、米インフレ鈍化とドル安の流れを受けてのNY金の堅調推移に下支えされる状態。週明け時間外のNY金は週末NY終値水準1920ドル付近で小動き、為替は1ドル127円70銭辺りから128円10銭台まで反発後、東京市場スタート後には128円割れ。国内金価格は年明け以降の安値圏8600円割れでは下げ渋って8600円台を回復。短期的な流れではゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線（8550）の上に21日移動平均線（8559）、9日移動平均線（8579）が並んで下値をサポートする強気のパーフェクトオーダーを形成。今週半ば、日銀会合までは円高圧力によって上値の重い展開も予想され、8590円のサポートを割れると今年安値更新へ、8530円辺りまでが短期下値目安に。当面の上限となりそうな8710円の節目を上抜けるようなことがあれば、11月高値更新トライとなって8750円近辺までが上値目標に。
日足一目均衡表では年末の三役逆転から、年をまたいでの急騰局面形成により三役好転。国内金価格も日銀に負けない移り身の早さで形成逆転。ただし、短中期的には上下動を繰り返しながらも概ね8400円から8600円近辺までを主要レンジに保ち合い推移の様相にも。現時点では雲の上限（8600）にサポートされる状態も、90日線や雲の下限（8512）辺りまでの下落はいつでも想定可能か。今週の日銀会合も多少の変動要因ながら、日柄的には月末に雲のねじれが発生。やはりFOMCが大きな警戒ポイントにも。
プラチナ価格は-57円、1.18％安で3日続落。12月27日（4740）以来、3週間ぶり安値圏での一段安。年末年始の高値保ち合いからピークアウト感もあり、軟調気味に推移するNYプラチナは週明け時間外も1070ドル台、先週末水準での小動きスタート。国内プラチナ価格は水平状態の21日移動平均線（4789）を割り込み、12月安値（4552）から1月高値（4959）までの半値戻し（4756）を達成。もう一段の下押し圧力が続けば61.8％戻し（4707）、76.4％戻し（4648）近辺、4700円から4650円近辺までが下値警戒水準にも。下げ止まりと反発方向への目安としては38.2％戻し（4804）、4800円台回復がポイントにも。
日足一目均衡表では基準線（4756）をわずかに下回り、遅行線も26日前の水準（4831）を下回って二役逆転。ただし昨年秋以降の高値圏での乱高下状態が続き、雲のなかでの方向感模索状態のような格好にも。こちらも2月初旬に雲のねじれが発生し、日柄的にはFOMC直後の急変動を警戒する状況のようにも。
※参考：金プラチナ国内価格1/16とチャート
- 2023年1月16日(月)時点の相場
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国内金 ： 8,623 円 1/16(月) ▲28(0.33％) 国内プラチナ ： 4,754 円 1/16(月) ▼57(1.18％) NY金 ： 1,921.7 ﾄﾞﾙ 1/13(金) ▲22.9(1.21％) NYプラチナ ： 1,072.5 ﾄﾞﾙ 1/13(金) ▼11.8(1.09％) ドル円 ： 127.86 円 1/13(金) ▼1.47(1.14％)
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