金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

予想どおりCPI鈍化、労働需給逼迫も継続で乱高下のちドル安継続

更新日:2023年1月13日(金)

消費者物価指数CPI・コアCPI・メディアンCPI・16%トリム平均CPI・スティッキーCPI 2022年11月米12月CPIは市場予想どおりの結果となり、インフレ鈍化傾向は継続。ただし同時に発表された失業保険申請件数は予想よりも減少し、労働需給逼迫も継続となり、主要インフレ圧力要因も健在。発表直後には乱高下の反応となったものの、インフレ鈍化を好感する向きが次第に強まる形でドル安が進行。株価や金は堅調推移の展開に。

CPIは前年比+6.45%となり、6ヵ月続落で2021年10月(6.22)以来、1年2ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+5.71%。3ヵ月続落で2021年12月(5.45)以来、1年ぶりの低水準に。
セクタ別では、食品とエネルギーを除く商品価格が前年比+2.1%となり、4ヵ月続落で2021年3月(1.7)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。一方でエネルギー関連を除くサービス価格は前年比+7.0%。上昇基調は続き、1年前の3%台からは大幅上昇。
また個別項目では、賃貸住宅が前年比+8.3%、帰属家賃が+7.5%となって上昇基調が継続。

なお、クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+6.93%。8ヵ月連続過去最高となった10月(7.00)から続落、4ヵ月ぶり低水準に。
16%トリム平均CPIでは前年比+6.54%。これも3ヵ月続落で7ヵ月ぶり低水準。いずれもピークアウトの兆し。

アトランタ連銀発表のスティッキーCPIは前年比+6.72%。1982年8月(7.13)以来、40年4ヵ月ぶりの高水準。唯一ピークアウトが確認できない状態。家賃関連の項目が上昇し続けていることが大きく影響している様子。

NY金・日足チャート 2022/12/7 - 1/1212日のNY金相場は+19.9ドル、1.06%の続伸で昨年4月29日(1911.7)以来、8ヵ月半ぶりの高値。インフレ鈍化継続への期待とともに時間外からドル安先行、1880ドル近辺から1890ドル近辺へと水準を切り上げてNY朝、米12月CPIが市場予想に一致、失業保険申請件数は予想以上に減少。この結果を受けて市場は乱高下、NY金も1870ドル付近から1900ドル台へと急騰後に1880ドル付近への反落を挟んでじわじわと上昇。結果的にドル安の流れにサポートされる形で株高とともに堅調推移、NY午後には1900ドル維持をかけた攻防状態に。短期的には一服感も、ミシガン大のインフレ期待が一段と低下するなどのきっかけがあれば1900ドルの大台維持の展開にも。1900ドルがいったん上限となった場合、当面の下値サポートは1840ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/7 - 1/12NYプラチナは前日から変わらず1080ドル台での横ばい推移。NY朝にはCPI後の乱高下に追随する形で1070ドル割れから1090ドル台へと上下動、再反落後の反発でも1080ドル台半ばまでにとどまり、NY引け後も1080ドル近辺での攻防状態に。下ヒゲ若干長めの陽線を形成しながらも、1060ドル台から1110ドルまでのやや広めの高値保ち合いレンジ半ばでの上下動にとどまり、目先しばらくはレンジ内推移の展開にも。

ドル円・日足チャート 2022/12/9 - 1/12ドル円は319銭のドル安円高、2.41%の大幅安で3日ぶりの反落。昨年5月31日(128.70)以来、7ヵ月半ぶりの安値。下落率は昨年来の絶対値平均0.54%の4.5倍、昨年来でも3番めの急落。米12月CPI待ちの前に日銀の政策修正観測報道で円高の流れが先行。東京朝に132円を割れると午後には131円30銭台、欧州時間には131円割れ、NY朝には130円半ばでCPI。結果を受けての乱高下でつけた安値129円50銭をNY午後には下抜け、一時128円80銭台まで下落。NY終盤には129円40銭台まで反発も、今朝の東京市場では一時128円60銭台の安値をつけて軟調な展開が継続。131円80銭の下値サポートを早々に割り込み、短期下値目安130円台前半にも到達してなお一段安の展開に。短期的にはやや行き過ぎとなり、昨年6月安値128円60銭台まで下げた状態。ここで下げ止まらない場合には昨年5月安値126円30銭台がもう一段の下値警戒水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/12終値とチャート

13日の国内金価格は-71円、0.82%の続落で1月6日(8579)以来、1週間ぶりの安値。CPIは市場予想どおりの結果も、それ以前に日銀の政策修正観測などから円高先行の流れとなり、NY金の大台トライへの流れを大幅円高で帳消ししての一段安。ただし、軟調な流れが一方的に続くような展開も想定し難く、ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8548)に9日線(8548)、21日線(8554)も集中する8550円近辺が強めのサポートとして作用する可能性も。
週間ベースでは+16円、0.19%高で3週続伸。

プラチナ価格は-89円、1.82%の続落。12月27日(4740)以来、半月ぶりの安値。失速状態のNYプラチナに大幅円高圧力が加わっての一段安、4890円の節目割れに伴う短期下値目安4830円近辺に到達。若干のオーバーランも12月半ばの保ち合い形成水準(4800-4830)の範囲内にとどまり、ほぼ水平状態の21日移動平均線(4787)なども目先のサポート候補に。
週間ベースでは-79円、1.62%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格1/13とチャート

2023年1月13日(金)時点の相場
国内金8,595 円 1/13(金) ▼71(0.82%)
国内プラチナ4,811 円 1/13(金) ▼89(1.82%)
NY金1,898.8 ドル 1/12(木) ▲19.9(1.06%)
NYプラチナ1,084.3 ドル 1/12(木) +-0.0(0.00%)
ドル円129.33 円 1/12(木) ▼3.19(2.41%)

1/12(木)のその他主要マーケット指標

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予想どおりCPI鈍化、労働需給逼迫も継続で乱高下のちドル安継続 1/13(金)

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雇用統計後もFRBはタカ派維持、市場はインフレ緩和を支持 1/11(水)

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