金プラチナ短期相場観
金融不安緩和で株高・ドル高円安・金安も一時的?
更新日:2023年4月3日(月)
米欧金融システム不安の緩和に連れ、リスク回避の株安・ドル安円高・金高の流れも巻き戻され、株高・ドル高円安・金安優勢という状況となってきました。
ただし週末の2月PCEインフレは予想以上の鈍化となって1年5ヵ月ぶりの低水準。コアPCEも1年4ヵ月ぶり低水準。インフレ鈍化は利上げ早期打ち止め観測を促し、ドル安要因にもつながって相対的な金高サポート要因にも。さらに週末発表指標では、ミシガン大の1年先インフレ期待も3.6%となり、速報値からは-0.2%の下方修正、2月からは-0.5%の急低下。2021年4月(3.4)以来、1年11ヵ月ぶりの低水準。過去平均3.2%へも急接近。また、消費者信頼感指数も2月の67から3月は62へと急低下、長期平均84.1を大きく下回る回復途上での失速。市場のインフレ懸念緩和にも関わらず、消費センチメントも低調となってドル安・金高をサポート。
不安定な状況となって売り買い交錯のNY金は週末の1980ドル台後半から、週明け時間外には1990ドル台から1970ドル台前半まで急落、1980ドル付近に戻してようやく落ち着こうかという状態に。NYプラチナも1000ドルの大台割れ、990ドル台半ばへと軟調傾向。ドル円は週末の132円80銭近辺から週明けには133円30銭台へと大きく水準を切り上げてのスタート後に133円近辺へ。
3日の国内金価格は-98円、1.06%安で4日ぶりの反落。下げ幅としては今年の絶対値平均47円の2倍、今年3番めの急落。それでも右肩上がりの9日移動平均線(9113)超を維持して強気のパーフェクトオーダーをキープ。9270円超へと切り返して最高値更新再トライとなれば短期上値目標は9300円超へ、9310円程度まで。逆に軟調局面が続けばサポート候補は2月安値(8605)から3月高値(9265)の38.2%戻し(9013)近辺。9010円の節目を割り込むようだと調整局面拡大へ、半値戻し(8935)近辺までが下値目安に。
一目均衡表では4週連続三役好転。急騰する転換線(9141)を一時的には下回る場面もありながらも、サポートされて堅調局面を形成。中期三角保合い傾向から上抜ける形で短中期上昇チャネルを形成し、この上限ライン付近まで急騰して一服。第二サポートとなる基準線(8942)からは大幅上方乖離。ただし、価格水準が3月半ば高値9183円をつけた20日のRSIが82.2に対して最高値更新の31日には73.3。価格ピーク切り上げに対してRSIのピーク水準が切り下がる逆行状態となり、上昇圧力枯渇の可能性も示唆。
プラチナ価格は-16円、0.35%安で3日ぶりの反落。4530円の節目上抜けに伴う短期上値目標4630円台、90日移動平均線(4634)回復を目指した流れは失速。上値トライにはいったん失敗した格好ながら、下げ幅も限定的。上昇傾向の21日移動平均線(4514)や9日移動平均線(4483)などをサポート候補に4580円超へと切り返すことができれば上値トライ再開へ、あらためて4620円程度までが短期上値目標に。
一目均衡表では、遅行線が26日前の価格(4436)を上回って推移し、基準線(4481)と転換線(4491)をまとめて上抜け、雲の下限(4449)も上抜けて二役好転、一役は雲の中での揉み合い状態。雲の上限(4624)を突破できれば三役好転となり、中期的にも三角保合い傾向からの上抜けトライが意識される展開にも。と同時に雲の下限割れなら逆の展開へ、大きな流れに変化が生じる可能性もある、重要な保ち合いフェーズを形成中。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート
- 2023年4月3日(月)時点の相場
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国内金 : 9,167 円 4/3(月) ▼98(1.06%) 国内プラチナ : 4,559 円 4/3(月) ▼16(0.35%) NY金 : 1,986.2 ドル 3/31(金) ▼11.5(0.58%) NYプラチナ : 1,003.1 ドル 3/31(金) ▲6.2(0.62%) ドル円 : 132.83 円 3/31(金) ▲0.13(0.10%)
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