金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

下げ渋る米賃金上昇率の鈍化見通し

更新日:2023年3月30日(木)

NY・フィラデルフィア連銀非製造業・賃金指数 2023年3月米雇用統計での賃金上昇率(平均時給)は、2022年春に前年比+5%台後半でピークアウトし、2023年1月には前年比+4.3%台まで鈍化。しかし、2月雇用統計では+4.6%台へと上昇。長期平均+2.97%を大きく上回る水準で下げ渋りの可能性も示唆する状況となっていました。

関連指標からは、3月雇用統計以降での賃金上昇率低下の可能性を示唆する傾向も。
NY連銀発表の非製造業PMIとも言えるビジネスリーダー調査では、賃金指数が2月の56.7から3月は49.7へと低下。2021年10月以降の1年半では4番めの低水準。ただし長期平均36.4をまだ大きく上回る水準での推移。これに対して賃金見通し指数は2月の47.3から3月は42.1へと大幅に低下。4ヵ月連続の低下で2021年4月以来、1年11ヵ月ぶりの低水準。長期平均43.2も下回り、今後の低下の可能性を示唆。

フィラデルフィア連銀非製造業指数の賃金指数では、2月の44.2から3月は25.1へと急低下。2021年2月以来、2年1ヵ月ぶり低水準。これも過去平均33.3を大きく上回っていた状態から大幅下抜け。
さらにNY連銀の消費者調査では、1年後の賃金上昇率予想が過去最高となった12月の4.58ポイントから、1月には3.34へと過去最大の急低下。年末に急騰した分の巻き戻しという側面もあるものの、2月には3.24へともう一段低下して8ヵ月ぶりの低水準。過去平均2.74ポイントにはまだ距離を残す状況ながら、消費者レベルでの賃金鈍化見通しも急速に強まる状況のようです。

NY金・日足チャート 2023/2/23 - 3/2929日のNY金は-6.6ドル、0.33%の反落。アジア時間序盤の1970ドル台半ばが高値となって安値では一時1960ドル割れも、ほぼ1960ドル台での保ち合い推移。金融不安に伴うリスク回避の巻き戻しが優勢となり、株高基調が重石となって前日高値1970ドル台後半からの戻り売り、ただし1960ドル近辺では下げ渋った格好。目先、1970ドル台が上方向への節目となり、突破できれば大台再トライ、上値目標2020ドル近辺を目指す流れへ。下方向へは引き続き1950ドルが比較的重要なサポート、割れると1910ドル近辺を下値目安に調整局面拡大へ。

NYプラチナ・日足チャート 2023/2/23 - 3/29NYプラチナは+14.0ドル、1.45%高となって4日ぶりの反発。ロンドン市場での軟調局面では一時960ドルを割り込み、前日安値もわずかに下回って3月15日(953.0)以来、2週間ぶり安値水準へ。しかし970ドルの節目割れに伴う短期下値目安940ドル近辺トライは失敗、959ドル付近までにとどまって切り返すと急反発。NY市場では上昇軌道を維持する20日移動平均線(974.7)も上抜けて980ドル台へ、ただし前日高値にわずかに届かず失速するとNY引け後には970ドル台半ばへ。20日線にサポートされての反発傾向を維持できるかどうかが目先のポイントに。あらためて960ドルを割れるようだと下値目安940ドル近辺再トライへ。

ドル円・日足チャート 2023/2/23 - 3/29ドル円は191銭のドル高円安、1.46%の大幅反発で3月16日(133.75)以来、2週間ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均79銭の2.4倍、2月3日(+2.47円、1.92%)以来1ヵ月半ぶり、今年2番めの急騰。先週末安値129円60銭台での底打ち、反発の流れが加速した格好。今週ここまでの安値となった前日の130円40銭からの反発基調が続き、東京朝の130円70銭台から午後には131円70銭台へ、欧州時間には132円トライとなってNY朝には132円台半ばへ、NY終盤には132円80銭台まで上昇。リスク回避の巻き戻し優勢となって株高の流れとともに円安の勢いが強まり、131円台後半の節目を突破したことで一段高。もう少しの上昇余地を残し、90日移動平均線(133.34)超えトライへも、133円半ば辺りまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/29終値とチャート

30日の国内金価格は+40円、0.44%の続伸。9日移動平均線(9084)超えと強気パーフェクトオーダーを維持しての一段高で9100円台を回復、3月24日(9147)以来の高値。9100円台は最高値(9183)を含めて3度め、過去3番めの高値水準。ドル円の反発が一時的で終わらず、NY金の下げ渋りも続くようならもう少しの上値トライ余地も。9150円の節目超えなら最高値更新へ、短期上値目標は9220円近辺。

プラチナ価格は+37円、0.84%の反発。4460円の節目割れに伴う短期下値目安4370円近辺を目指す流れは4400円の大台手前で折り返し。前日の下げ幅をほぼ取り戻す反発も9日移動平均線(4470)には届かず、弱気パーフェクトオーダーの構図を維持。あらためて4400円の大台を割り込むようだと下値トライ再開へ、4360円近辺までが短期下値目安に。地合い回復に向けては21日移動平均線(4508)回復が目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/30とチャート

2023年3月30日(木)時点の相場
国内金9,132 円 3/30(木) ▲40(0.44%)
国内プラチナ4,444 円 3/30(木) ▲37(0.84%)
NY金1,966.9 ドル 3/29(水) ▼6.6(0.33%)
NYプラチナ977.4 ドル 3/29(水) ▲14.0(1.45%)
ドル円132.84 円 3/29(水) ▲1.91(1.46%)

3/29(水)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏3月景況感指数、回復基調は過去平均手前で足踏み 3/31(金)

下げ渋る米賃金上昇率の鈍化見通し 3/30(木)

低下基調続く、米主要地区連銀製造業雇用指数 3/29(水)

ドイツ3月IFO景況感は1年1ヵ月ぶりに前年比プラス圏回復 3/28(火)

金融不安からリセッション懸念へ、金価格も高止まり 3/27(月)


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