金プラチナ短期相場観
監視リストから日本除外、長期的には円高の是正が進行中
更新日:2023年6月20日(火)
米財務省が半期に一度の外国為替報告書を週末に発表し、「為替慣行とマクロ経済政策を注視するに値する」国・地域を対象とする「監視リスト」では、日本を除外。
前回の昨年11月まで常に対象国となっていた日本は、円安や資源高で経常黒字が縮小し、基準に該当しなくなったことから、2015年以降で初の除外。
国際決済銀行(BIS)が発表する実質実効為替レートは、2020年平均を100とした指数では今年4月時点で米ドルが105.91、日本円は77.27。
米ドルは2022年10月に112.98まで上昇して過去最高値を更新。この時、日本円は73.7まで低下して過去最安値を更新。
米ドルは20年移動平均からの乖離率が+14.9%。昨年10月には+22%台まで拡大し、その後は縮小も、依然として+15%前後の大幅上方乖離での推移。
日本円の20年移動平均乖離率は-29.3%。昨年10月に-33%超まで拡大、その後は縮小も-29%近辺、大幅下方乖離状態が継続。
ただし、日本円は長期的に超円高是正の流れが続いており、20年移動平均で見ると依然として日本円は米ドルを大きく上回る水準。安定推移が続く米ドルの20年移動平均線に向け、収束方向への推移が続く可能性もありそうです。ドル安円高の是正も、もう少し続くかもしれません。
と同時に為替介入と監視リスト復活への警戒感も高まりそうです。
19日は米国がジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日でNY市場は休場。週明け時間外のNY金は1970ドル近辺から1960ドル近辺まで下げて1960ドル台前半での推移。NYプラチナは990ドル手前の高値から一時970ドル台半ばまで下落し、下値サポート980ドル維持をかけた攻防状態に。
ドル円は先週末から10銭のドル高円安、0.07%の小幅高で3日続伸。昨年11月21日(142.10)以来、7ヵ月ぶり高値圏での小康状態。東京朝に142円トライに失敗すると午後には失速、それでも141円40銭台で下げ渋ると欧州時間にかけて反発。再トライで142円到達も、これが上限となる形で上げ渋り、141円台後半での揉み合いから閑散状態のNY時間にも上値再トライも142円は超えられず。この日の変動値幅は56銭にとどまり、今年の平均144銭の4割弱、年初以来6ヵ月半ぶりで今年2番めの小動き。今朝の東京市場では142円ラインを突破して142円20銭近辺へと一段高、140円20銭の節目上抜けに伴う短期上値目標142円台半ば(142.49=10月高値から1月安値の61.8%戻し)までもう少しの上昇余地も。当面のサポート候補としては20日線(139.94)から140円近辺。
20日の国内金価格は-24円、0.25%安で3日ぶりの反落。9620円の節目超えに伴う短期上値目標、5月最高値(9679)と5月安値(9528)の161.8%戻し(9772)にはわずか10円程届かず失速。高値保ち合い上放れからの急騰で過去最高値を大幅更新後の一服状態も、21日にはパウエルFRB議長の議会証言などが次の変動へのきっかけにも。9770円超へと高値更新なら9800円台が次の短期上値目安に。調整目安としては6月安値(9568)から高値(9762)の38.2%戻し(9688)、半値戻し(9665)など。
プラチナ価格は-19円、0.39%安で3日ぶりの反落。下落基調の21日移動平均線(4934)との距離を保ったまま水準を切り下げる9日移動平均線(4860)との距離を縮められずに失速。上値の重さを露呈し、下降チャネルの下限ライン付近での軟調推移。目先、4850円超へと反発できれば4900円台回復トライで戻り局面形成へ。4790円の節目割れなら下降チャネル下限ラインに沿っての軟調局面継続、今年安値(4289)から今年高値(5197)の半値戻し(4743)、90日移動平均線(4740)近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格6/20とチャート
- 2023年6月20日(火)時点の相場
-
国内金 : 9,738 円 6/20(火) ▼24(0.25%) 国内プラチナ : 4,827 円 6/20(火) ▼19(0.39%) NY金 : 1,971.2 ドル 6/16(金) ▲0.5(0.03%) NYプラチナ : 987.3 ドル 6/16(金) ▼4.6(0.46%) ドル円 : 141.99 円 6/19(月) ▲0.10(0.07%)
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