金プラチナ短期相場観

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世界の金需要-2023年第2四半期

更新日:2023年8月3日(木)

世界の金需要・四半期推移 2023年第2四半期WGC(ワールドゴールドカウンシル)発表の四半期レポートによれば、2023年第2四半期の世界の金需要は920.7トン。前期比-220.9トン(19.3%)の大幅減、前年比では-23.5トン(2.5%)となり、2四半期連続の減少で9四半期ぶり低水準。
中央銀行の買い越し量が大幅減となり、宝飾品需要も減少。
<目的別需要>
■宝飾品:491.3トン※8四半期ぶり低水準。前期比-20.2トン(4.0%)、前年比-2.2トン(0.4%)。シェア53.4%※7四半期ぶり高水準。
■産業用:70.4トン※2四半期ぶり高水準。前期比+0.3トン(0.4%)、前年比-7.9トン(10.1%)。シェア7.6%※4四半期ぶり高水準
■投資:256.1トン※2四半期ぶり低水準。前期比-19.7トン(7.2%)、前年比+42.3トン(19.8%)。シェア27.8%※5四半期ぶり高水準。
■中央銀行:102.9トン※5四半期ぶり低水準。11四半期連続買い越し、前期比-181.1トン(63.8%)、前年比-55.7トン(35.1%)。シェア11.2%※5四半期ぶり低水準。ポーランド、中国、チェコ、ロシア、シンガポール、インド、フィリピン、イラクなどで増加。トルコ、カザフスタン、ウズベキスタン、ドイツ、アゼルバイジャンなどでは減少。

世界の金需要 金投資需要と金価格・四半期推移  2023年第2四半期<投資需要・内訳>
■現物:277.5トン※4四半期ぶり低水準。前期比-27.1トン(8.9%)、前年比+16.3トン(6.2%) 
■ETF:-21.3トン※5四半期連続の売り越し。
ETFの売り越し幅が5四半期で最小にとどまったこともあり、投資需要としては前年比大幅増。価格も2四半期連続で急騰、1975.9ドルとなり、11四半期ぶりに過去最高値を更新。

世界の金需要 インドと中国の金消費需要・四半期推移  2023年第2四半期<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要は768.8トン。前期比-47.3トン(5.8%)、前年比+14.1トン(1.9%)で4四半期ぶり低水準。全需要に対するシェアは83.5%で6四半期ぶり高水準。
★1位中国、2位インドは2四半期連続。中国の宝飾品需要は132.2トンで2四半期ぶり低水準。インドの宝飾品需要は128.6トンで2四半期ぶり高水準。現物投資需要は中国が49.3トンで4四半期ぶり低水準、インドは29.5トンで8四半期ぶり低水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは44.2%で4四半期ぶり低水準。

世界の金消費大国上位10ヵ国 2023年第2四半期<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは54%。1位中国は181.5トンで前期比-30.6%、4四半期ぶり低水準。2位インドは158.1トンで前期比+40.1%、2四半期ぶり高水準。3位米国は66.2トン(+13.8%)で6四半期ぶり高水準、前期4位から1ランクUP。
4位トルコは57.8トン(-3.7%)で2四半期ぶり低水準、3位から1ランクダウン。
5位イランは-5.7%で2四半期ぶり低水準、前期から順位変動なし。
6位エジプトは+6.6%で13年1四半期ぶり高水準、1ランクUP。
7位ロシアは+7.9%で3四半期ぶり高水準、1ランクUP。
8位ドイツは-0.7%で過去最少(2010以降)、1ランクUP。
9位UAEは+10.9%で4四半期ぶり高水準、2ランクUP。
10位サウジアラビアは-4.7%で2四半期ぶり低水準、順位変動なし。
前期6位のベトナムは11位へ。日本は6.4トンで3四半期ぶり高水準、32位(最下位)から20位へとジャンプUP。従来の逆張り志向に変化の兆し?

<リサイクルと供給量>
リサイクルは322.3トンとなって前期比+10.6トン(3.4%)、10四半期ぶりの高水準。鉱山産出量は923.4トンで前期比+66.2トン(7.7%)。総供給量は1255.2トンとなり、前期比+50.2トン(4.2%)で2四半期ぶり高水準。
<需給バランス>
需給バランスは+334.5トン、2四半期連続の供給余剰。

NY金・日足チャート 2023/6/28 - 8/22日のNY金は-3.8ドル、0.19%の続落。格付け大手フィッチによる米国債の「AAA」格付け剥奪を受けて1980ドル台後半へ、前日NY終値からは10ドル程水準を切り上げて時間外をスタート。ただし、リスク回避の流れはそれほど強まらず、1980ドル台での保ち合いからNY朝に一時1990ドルを超えたところが高値となり、米7月ADP雇用の上ブレをきっかけに急反落。前日サポートされた90日移動平均線(1981.0)を割れると1970ドル近辺まで一段安。NY午後の自律反発でも1970ドル台半ばまでにとどまり、NY引け後には再び1970ドル付近へ。90日線が目先のレジスタンスに切り替ってしまった格好にもなり、早期上抜けの可否が短期トレンドの方向性を左右することにも。週末にかけての米雇用関連指標がそのきっかけに。下方向へは1940ドル台のサポートを維持できなくなれば1900ドルの大台付近を試しに行くような流れとなる可能性。上方向へ90日線を突破して2010ドルの節目を上抜けることができれば高値圏再トライへ、2030ドル近辺までが短期目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/6/28 - 8/2NYプラチナは-10.0ドル、1.06%の続落で7月7日(918.5)以来、4週間ぶりの安値。アジア時間序盤の小幅高で940ドル台半ばまで上昇して戻り売り、ロンドン市場で940ドルの節目を割れると930ドル付近まで下げて反発も、抵抗線に切り替った940ドルで上値を押さえられ、NY市場では930ドル割れへと一段安。安値では920ドル台半ばまで下げ、940ドルの節目割れに伴う短期下値目安9220ドル近辺にもほぼ到達したような状態となり、下値トライ一服となる可能性も。ただし週末の雇用統計などをきっかけにNY金が一段安となって追随する展開となればは900ドルの大台近辺までが意識される可能性も。

ドル円・日足チャート 2023/6/29 - 8/2ドル円はわずかに1銭のドル高円安、0.01%高で4日続伸。7月6日(144.06)以来4週間ぶり高値水準を維持してほぼ横ばい推移。東京市場朝には米国の格下げを受けて143円20銭台から142円60銭台まで急落も、その後は下げ渋って143円30銭台まで反発。しかし午後には日経平均の大幅安にも連れて再び142円台半ばへと反落、欧州序盤にかけては142円20銭台まで一段安。これがいったん底値となる形で切り返すと、NY市場ではADP雇用の大幅上ブレをきっかけに米10年債利回り急上昇とともにドル高も急進、高値では143円40銭台まで上昇。NY午後にも143円台を維持して143円30銭台に収束。結果的に上値トライ一服後の格好の調整材料にも下げ渋る形となり、日足では下ヒゲ十字線を形成して堅調推移を維持、ただし143円半ばにはやや抵抗感。雇用統計でも予想外の好結果となれば一段高へ、6月末高値145円近辺が意識される可能性も。予想以上の悪化なら格好の調整タイミング、7月安値から8月高値(143.55)までの23.6%戻し(142.06)程度までが目先の調整目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/2終値とチャート

3日の国内金価格は-47円、0.48%の続落。右肩上がりの9日移動平均線(9727)まで少し距離を残し、その下でゆるやかに上昇する21日移動平均線(9665)、さらに下方から90日移動平均線(9548)も上昇し、上から昇順に並ぶ移動平均線が全て上昇する強気のパーフェクトオーダーを維持した状態のまま、浅めの調整の範囲内。次に上値再トライに転じた時の勢いなどを想定すると、短期的には9日線を割れて21日線前後までの調整はむしろ必要悪(調整)。中期的には90日線までの調整も許容範囲。このまま雇用統計などをきっかけに9830円台の上限突破の場合の上値目標は9880円程度まで。

プラチナ価格は-50円、1.08%の続落。水平移動の21日移動平均線(4635)付近で下げ止まれず、目先の主要レンジ4540円台から4720円までの中央付近から下方向へ。短期的には反発方向への流れも急失速、巻き戻しへ。このまま4540円台の節目も割り込むようだと下方向への流れが加速してしまう可能性も、4500円を大きく下回り、4450円前後までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/3とチャート

2023年8月3日(木)時点の相場
国内金9,756 円 8/3(木) ▼47(0.48%)
国内プラチナ4,583 円 8/3(木) ▼50(1.08%)
NY金1,975.0 ドル 8/2(水) ▼3.8(0.19%)
NYプラチナ930.4 ドル 8/2(水) ▼10.0(1.06%)
ドル円143.34 円 8/2(水) ▲0.01(0.01%)

8/2(水)のその他主要マーケット指標

労働コストは鈍化、失業保険申請件数は増加でドル高一服 8/4(金)

世界の金需要-2023年第2四半期 8/3(木)

求人件数減少継続、ISM製造業景況指数は9カ月連続で活動縮小 8/2(水)

ユーロ圏消費者物価は1年半ぶり低水準、国別では1-10% 8/1(火)

日銀YCC柔軟化を受けて市場は乱高下、国内金も弾力的に急反発 7/31(月)


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