金プラチナ短期相場観

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米労働市場は予想外、為替市場は乱高下、米議会も混乱

更新日:2023年10月4日(水)

米・求人件数 2023年8月米求人件数は予想外に増加、労働市場の堅調ぶりを示唆する追加利上げサポート材料に反応する形でドル円は150円台へと小幅に急騰。しかしその後は147円台へと急反落、その後は買い戻されて149円台へ。何らかの不自然な圧力が加わったような展開で為替市場は週末の雇用統計を前に乱高下。
なお、この日は米国議会でも混乱が。共和党内強硬派の造反の動きにより、マッカーシー米下院議長が史上初の解任。

米労働省が発表した8月の求人件数は961.0万件。市場予想の881.5万件を上回り、4ヵ月ぶりの反発で7月から+7.74%、増加率では2年2ヵ月ぶりの急増で3ヵ月ぶりの高水準。
6ヵ月平均では956.27万件となり、7ヵ月続落で2年1ヵ月ぶりの低水準。トレンドとしては減少傾向は継続。
ただし、前年比では-5.77%となり、13ヵ月連続前年割れも8ヵ月ぶりの高水準。また、求人件数の過去平均は526.1万件、9月は過去平均の1.8倍の水準。

これに伴い、8月の求人倍率は1.512件/失業1人。4ヵ月連続の低下で1年11ヵ月ぶりの低水準。ただし、4ヵ月連続の1.5件台で下げ渋り。
過去平均0.677件、2019年平均1.193件などからは大幅上方乖離の状態。

NY金・日足チャート 2023/8/29 - 10/33日のNY金は-5.7ドル、0.31%安となって7日続落。3月9日(1834.6)以来、7ヵ月ぶりの安値。7日続落は2ヵ月ぶりで今年2度め。アジア時間序盤に1840ドル台半ばから1830ドル付近まで下落してこの日の安値をつけて折り返し、ロンドン・NY市場にかけては1840ドルを挟んでの小幅保合い推移となって下げ渋り。NY朝の米求人件数発表後の乱高下場面でも1830ドル台半ばから1850ドル手前までと限定的に。RSIは20%台まで下げて過熱感も高まり、下ヒゲも残して一定の達成感も。ただし週末の雇用統計までは変動リスクは高止まり、引き続き三角保合い下放れに伴う一段安での下値目安、1810ドル近辺までが当面の下値警戒水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/8/29 - 10/3NYプラチナは-7.2ドル、0.81%の続落で9月30日(859.1)以来、1年ぶりの安値。アジア時間に880ドル台半ばから870ドル台半ばまで下げ、この日の安値圏で下げ渋るとロンドン序盤には880ドル台後半へと反発。高値では890ドルがレジスタンスとなって上値を押さえられ、NY市場で反落するとNY午後には880ドル割れへ。890ドルの節目割れに伴う短期下値目安870ドル程度に到達し、短期的には一服感も、中期トレンド崩れの構図からは昨年安値圏800ドル近辺までが当面の下値警戒水準に。

ドル円・日足チャート 2023/8/30 - 10/3ドル円は80銭のドル安円高、0.53%安で3日ぶりの反落。149円80銭近辺での小幅揉み合い推移となった東京時間を経て、欧州時間には149円60銭台まで下げてNY朝には149円90銭台まで反発。米8月の求人件数が市場予想を上回ると150円の大台を突破して150円10銭台まで小幅に急騰。しかし、昨年高値となった10月21日(151.94)以来ほぼ1年ぶり高値をつけて失速すると急反落。150円のレジスタンス強化を狙った軽めの為替介入か、とも思われる展開となって147円台前半まで3円弱の急落後には149円台へと切り返し。結果的に149円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標150円台半ばには少し及ばず、上値トライは強制終了。急落局面では下値サポート149円20銭割れに伴う下値目安148円近辺までしっかり下げての反発。目先は148円近辺再トライへの可能性も残しながら、149円90銭が当面の上限。あらためてこれを上抜けると151円台前半までを上値目標に再び介入警戒感との攻防にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/3終値とチャート

4日の国内金価格は-45円、0.47%安となって7日続落。7月28日(9529)以来、2ヵ月ぶりの安値。7日続落は2020年11月30日以来、2年10ヵ月ぶり。下げ止まりの可能性もあった状況は、為替介入(の可能性)によって押し戻された格好にも。ただし週末までは落ち着き難く、NY金も下げ止まり切れず、下押し圧力はもう少し続く可能性も。引き続き一段安警戒水準としては7月安値(9499)、2月安値(8605)から9月最高値(10063)の38.2%戻し(9506)など、9500円近辺が当面のサポート候補にも。

プラチナ価格は-64円、1.39%の続落で8月17日(4503)以来、1ヵ月半ぶりの安値。4650円の節目割れに伴う短期下値目安4600円近辺に到達後も下げ止まらず、8月半ばと7月半ばの安値圏4500円近辺が次のサポート候補。その下には8月安値(4461)が今年春以降の安値で比較的重要なサポート水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格10/4とチャート

2023年10月4日(水)時点の相場
国内金9,569 円 10/4(水) ▼45(0.47%)
国内プラチナ4,529 円 10/4(水) ▼64(1.39%)
NY金1,841.5 ドル 10/3(火) ▼5.7(0.31%)
NYプラチナ879.6 ドル 10/3(火) ▼7.2(0.81%)
ドル円149.06 円 10/3(火) ▼0.80(0.53%)

10/3(火)のその他主要マーケット指標

民間雇用の伸びは急減、ADPは2年8ヵ月ぶり低水準 10/5(木)

米労働市場は予想外、為替市場は乱高下、米議会も混乱 10/4(水)

ユーロ圏製造業PMIは5四半期連続50割れ、9月50超はギリシャのみ 10/3(火)

シャットダウン回避でリスク選好、金価格は最高値からの調整続く 10/2(月)

コアPCEは鈍化基調継続、ドル高一服でNY金は反発も一時的に 9/30(土)


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